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俺の着ぐるみが超有能である  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第24話 エピローグ

 聖リエック女学院をダンジョン化を維持させていた、河童メカを撃破していた後の事。


 今回、ダンジョン化によって、学院内に大量の魔物が現れ、『聖女祭』を楽しみに来ていた人達を襲った。

 襲ったのだが、誰1人として負傷はなかった。


 才能ある有志達によって、魔物達が倒されたからだ。


 槍投げの陸上部員が、槍によって魔物を薙ぎ払い、外から2階まで入るくらい飛び上がり。

 フルート奏者の吹奏楽部員が、華麗な演奏によって、人々の心を癒しながら魔物達を襲わせないように誘導し。

 絵画専攻の美術教師が、サラッと描いた絵によって魔物達の目を騙して、別の生徒達が一瞬にして生み出した落とし穴に落としたり。


 むしろ、その混乱の最中に生徒会長が幽鬼化して捕まっていたり。

 それをなんとかするために、有賀刀祢たちが河童メカを倒していた事なんて。

 学院に居た人達は、ほとんど知らずにいた。


 また、才能ある有志達の腕や足に、ライナーと呼ばれる魔力痕が刻み込まれていたなんて、さらに知られていなかった。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



「いや、普通に気持ち悪いんだけど」

「がっ、ガーンっ?!」


 と、眼帯を外して見せた、ライナーが複数本刻み込まれた紅葉の瞳を見て、三言はそう断言した。

 普通に目深に蔑み、紅葉の瞳を忌むすべきモノとして見ていた。


 今、オレは、三言と紅葉の2人の会話を見させられている。


 あの河童メカでの戦いの後、「三言と仲直りしたい」と紅葉が言ってきて。

 「あんた、こいつとうちを2人にする気?」と三言が言うので、付き合わされているのだ。


 紅葉はどうして急にパーティーから離れたのか、それがこのライナーがたっぷり刻み込まれた瞳にあると、懇切丁寧に話していた。

 三言はそれをしっかり聞いていたのだが、全部聞いた上で、めちゃくちゃ侮蔑していた。


「なに、その瞳。カラコン以上に気持ちが悪い、なんで瞳の中に線をめちゃくちゃ刻み込んでんのよ、あんた」

「いっ、いやっ! これは【厨二病】の影響----すなわち、神が我に与えた思し召しなりて!」

「普通に喋れるって知ってたら、あんたの話、くどいわ」


 はぁー、と溜め息を吐く三言。


「だいたいさ、うちが一番気に食わんのは、あんたが自分のせいでパーティー解散したと、そう自分の価値をめちゃくちゃ高く見てる所。

 あのパーティーは別に悪いって訳じゃなかったけど、その分、仲が良いって訳じゃなかったじゃん。あんたが線塗れの瞳を隠したのも、うちのこれも、ね」


 三言はヘッドホンを指差しながら、そう呟いていた。


「で、でも、あの喋り方は……私の普段の喋り方なんて、友達が出来なくて……」

「だからって、【厨二病】のも、友達が出来る喋り方とは思えないけどさ」


 ----あー、もう良いや。


 三言はなにか吹っ切った様子で、紅葉の手を取る。


「紅葉、今度はちゃんと話そ? もしなんなら、うちらのパーティーに入ってくれると……【厨二病】の力は便利だから……うん、嬉しいな。うん」

「でっ、ディーバ・ミコトぉぉぉ~……」


 うるうると、涙目で三言を見る紅葉。

 それを頬を真っ赤にしながらも、満更でもない顔を見せる三言。


 ----うむ、2人とも仲良くなってるようで、なによりだ。



「えっ、えっと、えと、仲良くなってる、っぽい?」


 と、そんな事を思っていると、後ろから花子がおずおずとやって来ていた。


「そう言えば、花子。どこに行ってたんだ?」


 なんか用があるからと言ってた気がするが、いったい今までどこに居たんだろうか?


「えっと、高宮さんに……話に?」

「高宮、って言うと、あの囚われてた生徒会長の?」

「う、うん。私、これでも、"生徒会長"……なので」


 そうか、そうか。生徒会長かぁ~。

 花子が、生徒会長……えっ? 花子が生徒会長?


「私、髪の毛が色鮮やかだから……えっと、校則を変えるために、やむなく……的な?」

「やむなくで、校則まで変えるって凄くない?!」


 【魔法少女】の幻影、【厨二病】。

 それからライナーと、色々と驚かされる事は山ほどあったが……


 オレが一番驚いたのは、花子が実は生徒会長だと知った、その時なのであった----。


 《完》

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