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石の一族

 神々に志願して、延々とマナの少ないところへ注ぎに行くために旅を続ける人の魂の総称。

 魂は乳白色の石に宿り、動くための体は基本的に土などの無機物で作られているのが、『石の一族』と呼ばれる由縁。

 人に気づかれないよう溶け込むために、凡庸な顔つきに、特徴のない体つきをしている。現在の人数は、両手に満たない。減っているのではなく、それ以上必要が無いためだ。

 そのため、出会うこともほとんど無いので、ほとんどの人々は存在を『おとぎ話の中』と認識している。

 体は、マナで固めて形作っているいるため、マナの消費量が多いと、ひびが入ったり崩れたりする。

 蓄積させておくマナの量が多く大量に収集する必要があるため、上位の中でもさらに上、各属性の精霊王直属の精霊が付く。その精霊は、俗的な言い方で『基になる流れの子供』や『混ざりの無い子供』と呼ばれている。

 思いつき等で、体の形を作り直したりして顔かたちが一定しない者もいるため名前はなく、各自が髪と瞳は色彩を固定にしてその色を、互いの呼び名・通り名としている。人間の肉体を持つカロンは、そんな彼等から見て『変わり者』なのである。

 ちなみに、武芸については、あまり得意ではない。蜥蜴の尻尾斬りのように捕まった体の部分を切り離したり、形を動物に変えて逃げたりと、『三十六計逃げるが勝ち』を文字通り実行しているためである。


 寿命は、存在しない。何時が天命かとあえて言うなら、絶望的に大地からマナが失われたときが、彼等の寿命になる。自分の魂が宿る『石』を破壊して、自分の体と石に蓄積したマナを一片残らず枯れきった大地に注ぎ、マナを回復させるためである。

 彼等は、マナを世界に等しく満たし続けるためだけに存在している。『人として』の生きる権利の大半を捨てているため、神々から、一つだけ、どんな願い事でも叶えると言う特権を貰っている。ただし、それが行使されたのは数えるほどである。


 ちなみに、彼等の役目に『可哀想』などと言うと、口が回る者からは死にたくなるような罵倒が、無口な者からは土下座して延々と詫びを言い続けたくなるような圧力がかかる。

 文字通り口は災いの元と化すのである。

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