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4話 『ピンチ再来』

 ん?


 門番であろう槍と鎧を装備している男性が、やけにあたふたしている。


 何かあったのかな、と更に一歩門に近づいたとき、異変に気付いた。門へと続く道に、壊れた馬車、続けて悲鳴。


 目に写った光景は、ここが異世界であることを俺に再度認識させる。


 2、3メートルはあろう巨体のそれは、地球で例えるなら豚か、猪か。しかしどちらにも似つかない苔の様な緑の肌で二足歩行の化物だった。


 木製の馬車を素手で握り潰し、馬を手掴みで引っ捉えた“それ”は、俺が腰を抜かすのに十分な恐怖を放っている。


「オーク…だ…」


 俺の目に写らないよう、あちらに見つからないよう、そんな思いで後退しようとしたその時。


 「はぁぁぁぁっ!」


 気合いの声と共に門から、その女性は華奢な肉体に似合わない大剣を携えて走り出した。


「危ないっ  ――――!?」


 オークは女性を嬲ると聞くし、考えるまでもなく強そうだし。本心からの警告の叫びだった。


 が、予想に反し。金髪を一刀の風圧になびかせ放たれた一撃は、容易にも巨体を斬り割いた。



「つ、強い…!!」


 あんなにも美しい女性(ひと)が、これほど強いと予想できるだろうか?


 有名人を見つけたときのような高揚感と、危機が去った安心感でその現場に駆け寄る。


 ―――――いや、おかしいだろ


 近づいて改めて実感するオーク(?)の大きさ、そして断面の綺麗さ。なにより


「いやそんな細い体で大剣振って敵を斬れるはずないだろ!!」


 言葉が伝わるか、とか

 この人がどんな人か、とか


 考えずに思ったことを口に出してしまった。





「――――――貴様、何者だ?」

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