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プロローグ 『ここは地球か?』
ここは―――森――?
状況が把握できない。放課後に誰かに会って――それで―――
彼―千秋秋は、一般的な高校生であった。帰宅部で、そこそこに勉強して、そこそこの大学に行く―――はずだった。
「グゲッガァァァ??」
動物園の獣とは似ても似つかない、『何か』の鳴き声が背後から聞こえた。
ありえない。ここ都会の真っ只中だぞ?
―――そう呟こうとして、ふと思う。
「ここは――日本か?」
ザッザッと徐々に音は近付いている。振り向くのが怖い。しかし、振り向かない訳にはいかなかった。
赤い肌。青い瞳に小さい角。「人間なら」小学生くらいの身長だろうか
その瞬間、千秋秋は確信する。
「――ここは地球じゃねぇぇぇっ!」