表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すれちがい戦争~魔王と大名の乱~  作者: 総督琉
桶狭間の戦い
4/76

第3話 今川 逃亡

 1560年6月12日。12時50分

 信長が豪雨の中、兵を進める。

 向かった先は、今川城(いまがわじょう)。魔王に従っている今川義元がいる城だ。


 豪雨の中に兵達の足音が今川城に響く。

「信長が攻めてきたぞ」

「我が行こう」


 この男。名を、井伊直盛(いいなおもり)

 彼は槍の天才で、今までに討ち取った首は500を超える。


「彼が行くなら安心だ」

 誰もがそう確信していた。

 井伊直盛の背中を、兵たちは誇らしげに見つめていた。


 信長の軍勢が門を壊し、今川城に進行する。


 信長はひたすら進む。

 だが槍が飛んでくる。


「誰だ」

「今のを()けるとは、お前が信長か?」


「運が悪かったな。この私が、織田信長。未来の天下取りである」

「天下取り。アホかお前。お前は今、ここで死ぬ。俺の名は井伊直盛。槍の名将だ」


 織田信長は刀。井伊直盛は槍。

 間合いでは井伊直盛が有利である。だが修羅場を乗り越えた数は、信長の方が上であった。


 お互いの武器がぶつかる度、火花が散る。

 周りの者は、ただ静かに見ることしかできなかった。


 幾度の武器が交わる中、決着がつく。

 信長の刀が井伊直盛の右腕を突き刺す。すかさず二手、三手と攻撃を繰り返す。信長は四手目で刀を井伊直盛の心臓に突き刺し、井伊直盛は意識が遠のいていく。

 膝をつけた井伊直盛。織田信長は、井伊直盛の首をはねた。


「今ここで、井伊直盛を殺した(討ち取った)。これぞ我が愛刀。 藤鮫(ふじざめ)

「おおおおおおおお」


 ここから信長軍の猛攻が始まる。

 来る敵全てを払いのけ、全てを倒す。

 今川軍の誰もが止めることはできない。


 13時10分。『今川の間』にて

「今川様。信長軍がすぐ近くまで来ております」

「はあ。そち、何をしておるのじゃ」


「何を?」

「撤退の準備をせー」


 少し間をあけ、今川義元に仕えている兵は返事をする。

「はいっ」


 13時15分

 今川義元は撤退を開始し、既に城の外に逃げていた。


 13時20分

 信長達は『今川の間』に着く。

 だが既に誰もいない。

 信長は焦る。このままでは、魔王軍の援軍がこの戦場を包囲し、逃げ場をなくされてすぐに負けてしまうと。

 長い道を歩き、必死に戦った。誰もが疲れている。

 つまり、今ここが決着をつける場でないと負ける。それは誰もが分かっていた。

 だが今川義元は逃げていた。

 これが何を意味するか。それは、"信長軍の死"。


 13時30分

 信長軍。今川城から撤退を開始。


 彼らは敗北する。

 それは誰も追ってなかったらの話だ。信長ですら敗北を感じていた。だが今川を知り尽くした者が、今川を追っていた。


 彼らの名は、森蘭丸(もりらんまる)前田利家(まえだとしいえ)。そして、武士琉(ぶしりゅう)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ