第18話 魔王軍包囲網
ーー1560年6月13日。1時10分。
武士琉、森蘭丸、前田利家、御経の四人は今川義元のもとに走り出した。
多くの魔族が漂う中、そこに躊躇いなく特攻する。
「をおおおおおおおおお」
そんな武士琉達に、骸骨や死人が襲いかかる。
「私に任せてください」
蘭丸は居合いの構えで骸骨達を迎え撃つ。呼吸を整え、息を大きく吸い、そして息を吐く瞬間、蘭丸は一撃を放つ。
白鞘から放たれた銀色の閃光は、いとも容易く空を揺らした。
「蘭丸流奥義 蘭丸鳶」
蘭丸が刀を上へと振り上げると、斬撃が空を飛び、骸骨や死人、龍鷲蛇などを蹴散らしつつ、更には斬撃は止まることをしない。
そんな斬撃が放たれた道に、敵がいなくなった。
「今です」
「おうよ」
武士琉達は一斉に走り出す。
だが魔族が多いせいか、それに今川義元は魔族の大軍に陣形を乱され、武士琉たちと今川軍の距離は一向に縮まらない。
「まだ……まだ……。進め。生きるため。進め。魔王を討つため」
武士琉たちは魔族の中を駆け抜ける。
だが、魔王軍はそんなに弱くない。飛び続けていた蘭丸の斬撃が、素手の一撃によってかき消された。
「誰だ!?」
煙の向こうからでも分かる異形の形。
くるりくるりとした何かが、煙の中で暴れている。
「私は蛇王。全ての蛇の頂点に支配ものだ」
蛇王は人のような体だが、顔が蛇のように鱗で包まれていて、蛇のような尻尾が生えている。右手には剣を持っており、まるで達人のように優雅に構えている。
「さあ、かかってこい」
蛇王は髪を髪をかき上げ、剣を武士琉たちへと向ける。
「俺が行く」
「前田殿!」
真っ先に飛び出したのは、刀の達人である前田利家。
前田利家は蛇王にも、恐れずに立ち向かった。
「さあ、来いよ。蛇の王とやら」
「シャアアアー」
蛇王は笑い、前田利家に剣を向ける。
「その程度で慴れるわけ無いでしょ」
「お前ら武士が、魔族に勝とうという時点で"傲慢"だ」
蛇王が剣を握る手に力を込めると同時、前田利家は腰に差していた刀の内の二本を両手で抜き、体を回転させつつ蛇王の体へ斬りかかる。
「前田流刀術 菊乃葉」
前田利家の刀が四本に見える。蛇王の腹に刀での一撃が直撃した。
「ぶふぁ」
蛇王は口から血を吐き、血に手足をつけた。だがすぐに立ち上がり、堂々とたたずむ利家に反発する。
「どうした、魔族。お前らは武士には負けないんじゃなかったのか?」
前田利家と蛇王は互いに見下しあう。
二人とも胸を張り、互いに上から見下す。これが前田利家とバジリスクの戦いだと感じる。
圧倒的威圧感。圧倒的迫力。近付くことさえ恐ろしい。
今、前田利家 対 蛇王の戦いが幕を開ける。




