第13話 鷲津砦 強者
ーー1560年6月13日。0時20分。
武士琉と前田利家は鷲津砦に侵入。
「俺は上に行く。利家は下を探してくれ」
武士琉は周囲に敵がいないことを確認し、利家へと宣言した。
「死ぬなよ」
「死なねーよ」
武士琉と利家は拳を合わせ、それぞれの戦場へと向かう。
実際怖かった。
今まで戦いを避けてきたこの俺が、スケルトンとかを相手にして勝てるはずがない。そんなこと分かってる。
でも救いたいじゃないか。
俺よりも後に生まれた子供達。そんな中に俺より優れている者は何人もいる。
だから……俺の命と引き換えに、あいつらを救えるのなら……。
「スケルトン!」
武士琉の目の前には一体のスケルトンがいる。
驚きつつも、武士琉は階段の所にいたスケルトンを刀を抜いてなぎ払い、階段を駆け上がって先に進む。
「をおおおおおぉぉぉぉお」
怖い。だけど、今止まれば大切な者を失うかもしれない。
嫌だ。だから進む。
進め。ただひたすらに足を動かせ。
行け。
行け。
行け。
二階の部屋は全て見た。だが子供達はいない。
俺は安心する。
次は三階。
鷲津砦は五階建て。つまりはまだまだ階があるということだ。
それにだ、スケルトンがいたということは、魔王軍の何者かがこの砦にいるのは確実であろう。
だがしかし、武士琉の行く手は阻まれていた。
目の前に大量のスケルトン。
「おいおい。これは……少し怖いねー。それでも、仲間と誓い合ったのだから、進むしかない。うぉぉおおおおおおおぉぉ」
武士琉は刀を強く握り直し、スケルトンを倒し、ひたすらに前に進む。
だが、あまりにも多すぎる。
武士琉は足を休め、立ち止まった。そんな傷だらけの武士琉の前に、一名の騎士が現れる。
その者は黒い鎧をまとい、光沢のある黒い剣をぶら下げている。さらには片手には男の顔を抱え、首から上は青い炎が出現している。
「我が名はデュラハン。魔王軍の七名の災厄のデュラハン。君は今死ぬ」
デュラハンの圧倒的存在感。その場にいたスケルトンがかすれるほどの威圧感。
すぐに悟った。
「勝てない」と。
武士琉は思わず足を震わし、デュラハンの放つ殺気のようなオーラに圧倒され、ただただ足を後退させる。
残された選択肢はただ一つ。
「逃げさしてもらう」
「待て。それでも武士か」
デュラハンは黒刃の剣を武士琉へ向け、怒鳴るも武士琉は止まらない。
「子供がいないかさえ確認すればいいだけの話なんだよ」
「はっ?」
デュラハンは怒り狂う。
「お前を、逃がさねー」
「怖いねー」
実際俺は怖かった。だけど……だけど……
「自分より上の立場の者をバカにするのは、楽しいな」
「お前ええええええ。殺す」
デュラハンの怒りが頂点に達する。
デュラハンの首から上に出現していた青い炎は、怒ったせいか赤く染まっている。
「このデュラハンから、逃げられると思うなよ」




