新入部員
「これからもよろしくね!久保君!」
「はい、よろしくお願いします」
ここからぼっちな俺が古里先輩との部活の先輩から友達関係に。友達関係から恋人へと変わる俺の青春ラブコメが今始ま……
バン!という扉が開く音がしたので後ろを見てみると黒いマフラーを付け、髪が肩より下にまで長い黒髪の男の人がいた。
「ふはははは!師匠!俺は遂に何百年の時を経て、同士を探す事に成功したぞ!!」
え?師匠?何百年?
「ほんと!?やったね!カムイくん!!」
名前めちゃくちゃかっこいいよ!
「ちょ、この方誰ですか!?」
「この人?この人はカムイくん。ぼっち部の部員だよ」
「ふむ。お主も新入部員か?」
「あ、はい。久保千紘と言います今日から入部する事になりました。よろしくお願いします」
「あ、ご丁寧にどうも。我の名前はかむ……じゃなかった、僕の名前は片岡颯太といいます。よろしくお願いします」
おいおい、めちゃくちゃ丁寧じゃねーか。さっきの厨二病発言どこいったよ。しかも片岡颯太って……かむい全然関係ないじゃん。しかも古里先輩を師匠呼びって……この人何したんだ。
「カムイくん新入部員を連れて来たんだよね?」
「おぉ、そうでした師匠!この人が新入部員候補です!入ってどうぞー」
「し、失礼しますー」
小さな声で入って来たのは青髪で肩の下まで髪がある俺のクラスメイトの橘絵梨花さんだった。
「あれ?橘さんだよね?同じクラスの」
「あれ?同じクラス?良かったじゃん!」
「ど、どちら様でしょうか?」
「覚えられてないんかいー」
また……覚えられてないんだね。俺……。
俺は一筋の涙を流した。
これは中学校の俺のはな……こほんこほん!じゃなくって俺の知ってる人の話である。
その男は中学校3年生にして名前を呼ばれる度に
「え?久保千紘?誰そいつ?」
「そんな人いたっけ?」
という感じで言われていたのだ。って名前出しちゃったよ。
そう、何を隠そう……もうそのネタはいいか。俺の話である。みんなに覚えられていたのはキョド君って名前であり、久保千紘じゃない。
おかしい……俺は名前覚えているのに相手は覚えていない。ぼっちにはよくあることだ。よくあるのがおかしいな。俺だけかな?違う……よね?
「あの、なんで私の名前を?はっ!まさか!私の事がすきなんですかぁぁぁ!!いや、そんな、一目惚れとか!いくら同じクラスって言われても私名前知らないですし!!」
「いやいやいや!同じクラスだから覚えてるだけなんだけど……」
来た時と違ってテンション高いな……やっぱり名前覚えられてると嬉しいよな……。俺なら覚えてもらってたらその場で涙流すもん。今は覚えてもらえなくて涙流しそうだったけど。
「そ、そっか。そうだよね。ご、ごめんね?気持ち悪いよね……。」
「いやいや!俺も分かるよ。名前覚えて貰う事の嬉しさ」
「ほんと!やった!仲間だね!!」
そう言って橘さんは俺の手を取った。
やばいやばい!!近い近い!俺は顔を赤らめながら手を離した。おい、なんで手を離したんだ俺。
「あ、ごめんね?ちょっとテンション上がっちゃって」
「あ、いえいえ!むしろごめんなさい!」
「えっと……名前はなんだったっけ?」
「俺の名前は久保千紘です。よろしくね橘さん」
「うん!よろしくね!久保君!」
まぁ、最初名前覚えてもらって無かったけどクラスメイトに(しかも女子)覚えてもらえるのは嬉しい事だ。ぼっちじゃ無くなる。これが俺の高校生活の目標だ。
レベル低いな。
こんばんわです!
今回もTwitterからぼっちエピソードをまた頂くことが出来ました!ありがとうございます!
けんちゃんさん
放課中になにげなく座っていたら目の前にクラスメイトがきて大丈夫?友達いないのって言われたこと
ということでまた次回!よろしくお願いします!