あっち向いてホイ
俺と夢先輩は黙々と宿題をしていた。俺はこの無言の時間が凄く居心地が悪くなって夢先輩に話しかけた。
「あの、夢先輩」
「ん?なにかな?久保君」
「あ、暑いですね」
「そうだね〜」
「「……」」
か、会話が続かない……。流石にこれはやばいな。さっきのやり取りはどこへ行ったのか空気が重い。それにしてもこの状況で夢先輩は勉強出来てるんだろうか?気になって夢先輩の方を見ると一生懸命にノートに何か書いていた。
「夢先輩そんなに集中してなんの勉強してるんですか?」
「ふぁっ!?」
俺が夢先輩のノートを見ようとしたらノートを胸の前に持ってきて一生懸命書いてたページを隠した。
「え、なんで隠すんですか!?」
「なんでみるんですか!?」
「なんで急に敬語になるんですか!そこまで動揺してたら逆に気になるじゃないですか」
「久保君。世の中には知らなくていい事もあるんだよ」
夢先輩が遠い目をして言った。一体何があったんだろう……。それでも俺は諦めきれなくてある提案をした。
「じゃあ夢先輩、あっち向いてホイをして決めませんか?」
「あっち向いてホイ?」
そう。あっち向いてホイ。子供の時に皆がやっているであろうあのゲームだ。俺は小学生の時からぼっちだった為クラスの人がやっているのを遠目で見ているだけだった。俺はあっち向いてホイがやりたくてやりたくて仕方なかったが、友達がいない為これまで出来なかった。だからここでやれるんじゃないかとワクワクしている。
「はい!これで俺が買ったらそのノート見せてください」
「いやいや。勉強に集中しよ?ね?」
夢先輩が引き止めるように促す。そうか、そりゃそうだよな。俺は夢先輩があっち向いてホイを止める理由を俺は気づいた。
「わかりましたよ……」
「あ……やっと分かってくれた?もう、最初から……」
「俺が負けた時のペナルティが無いことに平等性が無くて文句が言いたいんですよね!」
「違うよ!?」
「俺も流石に女の子が相手に不公平な条件は嫌ですし」
「いや、だからね?」
夢先輩が何か言ってるが俺はあっち向いてホイがやりたくてしょうがないから全然耳に入ってこない。ゲームって平等でやるから楽しいって誰かが言ってた!決して持論では無い。
「もし負けたら夢先輩の言うことなんでも聞きますから!」
夢のあっち向いてホイが出来るならなんでも言うこと聞いちゃうレベル。そう言ったら夢先輩がごにょごにょと小さい声で何か言っているが何言ってるかは分からない。
「……分かった。やる」
「ありがとうございます!!」
俺はもうテンションが上がった。
「だけど久保君。負けたら分かってるんだよね?」
「勿論です。男に二言はありません」
そして俺と夢先輩のあっち向いてホイ対決が始まる。
どうもです!今回は早めに更新できました!
そして、合計PVが10000を超えました(*´ω`*ノノ☆パチパチ
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