ぼっち部への入部
「ぼっち部……ですか?」
なんだそれ聞き間違いかな?俺は恐る恐る聞いてみた。
「そうそう!ぼっち部!」
合ってたよ……。まじか。聞き間違いじゃないのか。
「えっと……何ですか?その不名誉以外何者でもないその部活は」
ぼっち部って入ってるだけでもう自分をぼっちって認めてるじゃん。いや、俺は認めてるけどさ。
「それはほら、私達の学校って部活強制でしょ?その中でつまらない部活生活送るなら、いっその事ぼっち部作ってみんなでわいわいしようかなーって!」
なるほど。確かにそれは嬉しい。確かに俺はどの部活も合わないと思っていたし……。
でも俺はある疑問を抱いた。
「先輩は部活に入ってたりしてなかったんですか?今の言い方だと先輩が作ったらしいですし……。先輩生徒会長もしてるからぼっちじゃないですよね?」
「あーいやー、ぼっち部を作ったのは私だけど、私も友達とかいないよ?」
いやいやいや。こんな美少女で生徒会長だぞ。絶対友達いるだろ。
「え?嘘ですよね?だって生徒会長もしてらっしゃいますし……」
「いやいやいや!生徒会執行部と友達になれないかなーって思って生徒会に入ったけど友達作れなかったし。生徒会の仕事で人と遊ぶとか出来ずにぼっちだったし。
生徒会は部活しなくていいからじゃあ作るか!ってなったの!生徒会長になっても結局生徒会執行部と友達になること無かったんだけどね……」
古里先輩はため息を着きながら話した。
まじか。生徒会執行部と友達になろうとした結果友達になれず、生徒会の仕事のせいでクラスの人とも遊べず友達になれず……。俺よりやばかったよ……。まず友達なれるかなって生徒会に入った所がもうやばい。
どんだけ友達欲しかったんだ……。
でも友達が欲しいのは分かる。クラス行事とかだとぼっちってきついんだよな……。
「はーい。では、文化祭の仕事の振り分けをしまーす」
そう。あれは中学のときの文化祭の時だった。仕事の振り分けは平等にクジで決められた。
「えぇー、久保君と?だって久保くんいつも静かだし仕事出来なさそうなんだけど!」
クジで同じ仕事になった女子がそう言ってきた。
おい、静かだからって仕事出来るのと出来ないのは関係無いだろ。まぁ、俺はそんな事思ってるだけで口では言えないんだけどね。俺ってば超おしとやかだから。違うか。
「これは決まった事だから文句を言わない!はい、これで決定ね。みんなで頑張るように!終わりまーす」
俺達はパンフレット作りの班になったのでとりあえず放課後にやろうと決めた。放課後になって、早速取り掛かろうと準備をした。
「ねぇ、久保君。私今日用事あるからお願いしてもいいかな?」
「あ、はい」
用事となれば仕方がない。俺は快く承諾した。それが毎日続き、結局俺だけで仕事をするようになった。
ほんと、毎回なんの用事があるんだよ……。実際はサボっているだけだと、それに気づいたのは終わった後に聞いた会話だった。
「あぁー超楽だったー。だって久保君が全部してくれるんだもん」
「いいなぁー。その時あんたの好きな人の部活見に行ってたんでしょ?」
「そうだよ!めちゃくちゃかっこよかった!!」
は?部活を見に行ってた?文化祭はあんなにはしゃいでたくせして?マジかよ……。俺は友達の重要さと共に、その人の怖さを知った。
おっと。自分の辛い思い出を思い出してしまった。みんなも気を付けてね。ほんと。
そうそう。ぼっち部への入部の話だったか。
俺に行く宛は無いし、答えは1つだった。
「古里先輩、ぼっち部への入部の話の件でしたよね。入部させてください。お願いします」
「ほんと!?やった!ありがとう!これからよろしくね?久保君!」
古里先輩は心の底から嬉しそうな顔をしていた。
布団の中から、もう呼び込みしなくていいんだ〜やったぁー。これでぐっすり寝られるーとか聞こえたけど知らない。知らないったら知らない。
どうもです!!
今回はTwitterからぼっちエピソードが届きました!ありがとうございます!!
十色さん
中学校の美術の時間、友達の顔をキャンバスに模写するという課題がありました。しかし、ぼっちの僕は鏡に写した自分の顔を模写していました……。セルフ似顔絵屋さん。
ということで、また次回もよろしくお願いします!!