席替え
俺達のクラスは学期が変わったら席替えが始まる。今日はその日だ。出来れば誰とも関わらなくていい後ろの隅っこが良いがくじで決めるのでなんとも言えない。後出来れば皆から人気の人は辞めて欲しい。人気の人とは前だろうと後ろだろうと皆見るのだ。前だったら先生から話を振られ、後ろだったら自分から行くか名前を出されて皆そっちの方を向く。人気者はどの席にいても人気者なのだ。その隣になれば分かる通り、視界に入る。
「隣が人気なら逆に空気みたいに薄くなるから良いじゃないか」
と思う人もいるだろう。しかし考えて欲しい。
その人気者は友達が少ない俺でも話しかけてくれるのだ。その人が話題にあげれば俺が嫌でもみんなの前に連れ出されるのだ。俺は友達が欲しいと言っていたが別にそこまで欲しいとは思ってない。数人で良いのだ。全員と友達になるなんて無理なんだから。俺は、後ろの席と隣の人があんまり人気じゃない人。この2つを願った。
※
「今日は席替えかぁー久保君の隣がいいなぁ……」
恥ずかしいけど好きな人の隣に行けるのは嬉しい。だって横見ても不自然じゃないしね!
隣が他の男の人だと私緊張するから嫌だなぁ……。隣が他の人なら話しかけて来る可能性が高い。女子は男子と違う存在で男子と女子が席の隣になって仲良くなって付き合う。というのがあるらしく、女子ならとりあえず話しかけよう!とか思ってる輩がいるかもしれない。あれ?これ使えば久保君と付き合えちゃうかも!?
「はわわ……最高じゃん!!」
「うるさいぞー橘」
「す、すみません」
あー恥ずかしかったー!!私は心の中で叫んだ。
「私ってテンション上がるとつい声に出しちゃうんだよなー」
久保君絶対変な人だと思ってるよ……。皆にも見られたし……。今日は厄日だ……。
「じゃあくじ引き始めるから前のやつから来てー」
先生からそう言われ、私はくじを引いたら1番後ろの24番ところだ。隣は25番か23番。このどちらかを久保が引けば隣になって仲良くなって付き合う所まで……はっ!駄目だ、またテンションが上がってきた。まだ決まってもないし付き合えるかも分からないのに。
私ってこういう所が駄目だ。自分では話しかける事もしないのに付き合って貰えるとか。まず久保君は私を助けた事を覚えてるのかすら分からない。きっと忘れられてる。でも、忘れられててもいい。私があの時の事を覚えてる。あの出来事でに私が前を向いて生きていこうという気持ちになったのも知ってる。しかも、あの時のお礼だってまだ言えてない。好きって気持ちも伝えてない。
もし、隣になれたのなら勇気が出るのに……。前よりも積極的になるのに……。
※
「俺の番か……」
頼む、後ろで窓側、後ろで窓側、後ろで窓側!!
ついでにあんまり話しかけてこない人!そう思いながら俺はくじを引いた
「25……やった1番後ろだ!」
後は隣の人だけだ……。場所を移動して誰が来るのかドキドキしてたら隣の人がきたみたいだ。俺はチラッとその人をみたらその人は笑顔で言った。
「これから1学期よろしくね!久保君!」
どうもです!やっとラブコメ的な展開が進んできたと思います!これからの2人のストーリーにきたいして頂けたら嬉しいです!
次回もよろしくお願いします(〃・д・) -д-))ペコリン