兄の優しさ
「はぁ……なんで暑い中外出ないと行けないんだよ……家でゴロゴロしたいー」
俺はグチグチ言いながら妹の千佳に頼まれた買い物に来ている。今日の夜はカレーらしく、じゃがいもとか、カレーのルーとか、人参がメモに書いてある。
「あいつ……」
メモの下に千佳が好きそうなお菓子って書いてある。俺は「好きそうなやつを買ってきて」と言われるのが嫌いだ。カレーみたいに指定されているのならまだ簡単だが、「俺が思う千佳の好きそうなやつ」だと話が違ってくる。
「買ってきたぞー」
「ありがとう……。これ私が好きなやつじゃないんだけど」
とか言われたら終わりだ。買ってきたのに好きじゃないとか言われたら俺泣くぞ。そう言うんだったら最初っから教えろやって言いたくなる。そんなことをグチグチ言ってたら近くのスーパーに着いてしまった。俺はとりあえずメモに書いてある物を全部買って、お菓子コーナーに行った。
「千佳が好きなもの……好きなもの……」
うーん。最近あいつが食べてるもの知らないしな。
あいつは俺と一緒で甘い物が好きだからチョコレートでも買っていくか。
俺はチョコレートを買い物カゴに入れて買い物を済ませた。
家に着いた後、俺は千佳のところに行った。
「千佳、ほい。お前が好きそうなやつチョコレートでいい?」
「ありがとう!でも、なんでチョコレートにしたの?」
千佳はニヤニヤしながら聞いてきた。
「それはあれだよ。俺が甘い物が好きだから、千佳も好きなんじゃないかと思ってチョコレートにしたんだよ」
「本当にー?」
千佳が信じてないかのように言ってきた。むっ、バレたか。妹には嘘が通じないようだ。
「最近元気無い様子だったから甘い物でも食べて元気出してもらおうと思って。ほら、人生苦くも辛いって言うから。食べるものくらいは甘い物が良いだろ?」
「お兄ちゃんはいつも考え方ひねくれてるけど、そういう優しい所は私は好きだよ?」
「お、おう」
「あ、何ー?照れてるの?」
「別に照れてねぇし」
俺は顔を赤くしながらそっぽを向いた。
「お兄ちゃんって本当にツンデレだよね」
「うるせぇ」
なんだかんだで千佳も俺の事好きでいてくれてることが嬉しかった。
どうもです!今回は兄と妹の兄弟愛的なのを書こうかなと思いました!少しでもホッコリして頂けたら嬉しいです!
次回もよろしくお願いします!