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バレンタインは苦くも辛く

今日は1部の男の子が心踊らせるバレンタインの日だ。そう、1部だ。全員じゃ無い。それは何故か。分かってる人もいるだろう。全員じゃない理由は「貰えない」と悟った人達がいるからだ。特に俺。だって友達いないんだぜ?友達いないやつが貰ったら、何?これに毒入ってんの?と思ってしまう。

仮にクラスの女子が


「クラスの皆に作ったんだよねー。だから君にもあげる!」


と言われたとしよう。言っておくがそれは「君」にじゃ無い。本当は渡したい人が居るけど皆に渡したって言っとけばバレないという理由で渡されただけなのだ。そのチョコレートに意味は無く、ただ利用されただけなのだ。本当にあの頃の俺は純粋だった……。その為に渡されたと知らずに喜んでいたんだから……あ、俺はそのチョコすら貰ったことありませんでした。

はい、ただのひがみです。貰っただけ有難いと思え!そんな事を思いながらぼっち部の部室に行った。


「こんにちわー」


俺が部屋にに入るともう全員集合しており、先輩達はそわそわしていた。


「ね、ねぇ皆!今日は何の日か……覚えてる?」


古里先輩が話を切り出してきた。


「な、なんの日ですかね?分かりませんね!ねぇ!夢さん?」


「そうですねーカムイ先輩。なんの日でしたっけ?ねぇ、久保君?」


「そうですね。今日はチョコレートがいつもより安くなる日ですね。チョコレート記念日かなんかですか?ま、俺はいくらチョコが安くなっても買いませんけど」


「違うよ!いや、チョコレート安くなるけど違うよ!今日はバレンタインでしょ!ねぇ、橘さん?」


「そうですよ!バレンタインですよ!」


「せっかく3人でバレンタインって言葉を出さずに回避してたのに……」


「ということで!作って来ました!バレンタイン!今年は夢ちゃんがさっぱり系が好きという事でレモンを入れて、カムイ君は辛いのが好きという事で唐辛子を入れてみました!ぱちぱち!ささ!久保君も橘さんも食べて食べて!」


先輩が出した袋の中身を見てみるとこれは本当にチョコレートか?と思う程の完成だった。チョコレートを型に入れてあるのはまだいい。けど、それに混ぜたのか唐辛子はそのまま、レモンは輪切りにしてあるのを入れて固めていた。


「これ、見えてるって言うか……隠してないですし調理もしてませんよね?」


素人目でみても、これ素材をぶっ込んだだけだと分かるレベルだった。


「え?だって味は同じでしょ?ほら!遠慮しないで食べて!」


そう言って、手に持たせられた。これは食べるしか無いのか……。俺は意を決して唐辛子入りチョコレートを食べた。その時夢先輩とカムイ先輩が両手を合わせていた。


「あむ。ごほっ!ごほっ!。あ、夢先輩水ありがとうございます。ごくごく。ふぅー」


夢先輩準備速いな……。いつ用意したんだ?

ていうかこの食べ物(笑)は何?チョコレートの甘さ皆無なんだけど。しょっぱいし辛いし。


「古里先輩……辛いのはまだ分かりますがなんでしょっぱいんですか?」


「え?そんなに不味かったかな?おかしいな……。ちゃんと味見したんだけど。しょっぱいのは多分砂糖と塩を間違えたからかも、てへ!」


てへ!じゃねぇ。え?味見して何も気づかなかったのかよ、この不味さに。


「まり先輩は味音痴だから。なんでも美味しいって言って食べるの。」


まじか。古里先輩の舌は壊れてんのか。


「あ、あの!久保君!私のも食べてくれない?」


「え?いいの?」


「もちろん!はい、どうぞ!」


俺は嬉しくなって袋を開けた。そこには黒焦げのクッキーの残骸があった。橘さんもか!と俺は思ってうわぁ……みたいな顔をした。

それを見た橘さんが


「そうだよね!美味しくなさそうだからやっぱりいいや!ごめんね?」


と言って袋をなおそうとして俺は止めた。


「バリボリ。うん、古里先輩のよりマシかな」


「久保君……!ありがとう。ありがとう!」


橘さんが急に泣き出した。こんなバレンタインだが貰ったということで良しとしよう。

後これから古里先輩が作るものには気をつけよう。

ハッピーバレンタイン!ということで、皆様バレンタインはどうでしたでしょうか?貰えましたかね?因みに私はゼロです!大丈夫です。ゼロの人がここに居るのだと、仲間がここに居るのだと思ってて下さい。

ということでバレンタインぼっちエピソード!


ぼっち党のこじーさん!

高校3年間、バレンタイン楽しみに待っていたのですが、義理チョコすらありませんでした。彼女も作れませんでした。


ということでまた次回よろしくお願いします!

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