古里真莉と体育祭
「今日こそ友達作るぞー!おー!」
私は今年こそ!とやる気を出していた。2年間仕事で友達出来なかったし、最後の体育祭だからここで皆と仲良くなるぞと意気込みはバッチリ!
「……なにこれ?」
私は心の中で叫んだ。だって、私は後ろで見てるだけなんだよ!?生徒会が仕事するから待機だって……。つーまーんーなーいーー!
私はうるさくすると迷惑だから心の中で騒いでいた。
「あ、久保君だ!頑張れ頑張れ!」
久保君は一生懸命走ってた。素人の私でも分かるくらい、精一杯頑張ってた。
「お疲れ様。久保君」
私は小さい声で呟いた。
「あ、橘さんだ!やっぱり可愛いなぁ……」
橘さんは技巧走をしててあわあわしてた。私が考えた技巧走は楽しんで貰ってるかな?と二人を見て少し元気になった。やっぱり2人にぼっち部に入って貰って良かった。そう思った。
「あ、夢ちゃんだ!やっぱり夢ちゃん速いなぁ……」
夢ちゃんは1500メートル走で1位で走っていた。いつも寝てたり、グダグダしてるけど運動出来る子だからなぁ……。
運動部に入ってれば友達沢山できたのに……。やっぱり悪い事しちゃったかな。
ううん。夢ちゃんがあの時この部活に入って良かったって言ってくれたんだからそれを否定するのは良くないね。カムイ君は見つけられなかったよ……ごめんね。
ぼっち部の人達を応援してたら昼になっていた。
「はぁ……今年も1人か……」
私は悲しくシートと弁当箱を置いた。友情なんだからせめてぼっち部の人達ぐらいは友達作って欲しいし……。
「今年も、友達作れないんだろうな……」
私は目に涙を浮かべた。
「結局、友達なんか出来ないじゃない……」
「古里先輩、1人ですか?」
私はまさかと思って涙を拭いて声のする方を見ると久保君がいた。
「え?久保君!?」
なんでこんな所に久保君が……。駄目だよ。せっかくの体育祭なんだから友達作らないと……。でも来てくれて嬉しい。このまま居て欲しい、そう思った。
「ちょうど俺も1人だったんですよ」
その言葉はぼっち部の部長として聞きたくなかった……。でも、1人の仲間がいた事が嬉しかった。目の前に久保君がいる事が嬉しかった。だけど、クラスには橘さんがいる。1人なはずが無い。だから、久保君が言ってしまう覚悟で言った。
「橘さんがいるでしょ?」
そしたら久保君が黙り込んだからこれは聞いてはいけないこと聞いたなと思ってとりあえず座らせた。私は元気を出させようと冗談を言ったが反応が鈍かったから全力で謝った。でも、こんな会話が出来ることが私には嬉しかった。久保君も中学校の時は1人だって聞いた時は仲間だと思った。これは私と久保君の2人が初めての事だ。初めての事は楽しまないでどうする!と思った。
「じゃあ精一杯楽しもう!おー!!」
「おー」
友達は出来なかったけど、久保君と距離が縮まった気がした。そして私にとって今までの体育祭で1番楽しい体育祭となった。
どうもです!今回は古里先輩と久保君の回です!
どうだったでしょうか?古里先輩の部長としての部員を思う優しさを持ちつつ、寂しい。という女の子としての1面を見せられたのではと思います。
今回は古里先輩の話なのでぼっちエピソードはありませんが、次回は書こうと思います!
という事で、次回もよろしくお願いします!