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『今までも、これからも。』  作者: 藤乃 澄乃
第1章 オレはずっと
3/110

普通に、穏やかに。

 いつも同じ夢を見る。

 そしていつも同じところで目が覚める。


 いつからだろう、僕はずっと……同じ夢を見ている。



* * *

 


 いつものように平穏な1日を過ごし、家に帰ると、妹とその友人2人が出迎えてくれた。何でもその2人の友人たちは僕のファンで、帰ってくるのを待っていたとか。身長こそ180センチはあるけど、クラスでもそんなに目立つ存在でもないし。まあ、性格は自分で言うのもなんだがそんなに悪くはないと思う。明るい方だと思うし、責任感もある。それから……そんなもんかな。


 でも、妹の友人が僕の性格まで知っているはずもなく。……こんな平凡な僕のファンって。明らかに不自然だ。きっと何かある。もっと違う理由はなかったものか。


 玄関先で大騒ぎしている3人を、『若いなぁー』と横目に見ながら、リビングにいる母にドアのところから「ただいま」とひと声かけて、2階の自室に向かう。


「ちゃんと、手を洗ってうがいしなさいよ」


 僕の背中に向かって、リビングから母の声が飛んでくる。


 全く僕をいくつだと思っているのだろうか。子供の頃から日課のようにそう言われるのも、そろそろ卒業したい。


「はーい」


 とはいうものの、結局文句のひとつも言わずに洗面所に向かい、手洗いとうがいをすませる。

 親の言いなりになって『おりこうちゃん』にしてる訳じゃないんだ。


 ただ面倒くさいだけ。


 ひと言「うるさい」とかなんとか、同年代の男子のセリフを言い返しでもしたらどうなる?

 それこそ、その何倍もの威力で言葉の嵐となって返ってくる。

 そんなことで無駄な労力は使いたくない。


 波風立てずに平穏な1日を過ごしたい。それが常日頃から僕が一番望んでいることだ。

 

 普通に、穏やかに。


 そう願っていても、思うようにいかないのが人生ってもんで。



お読み下さりありがとうございました。


次話「可愛い妹」は、明日朝7時台に更新します。


よろしくお願いします!

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