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カースト最底辺からの成り上がり  作者: けんもも
第三章 古代遺跡編
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古代遺跡進入

しばらく俺が黙って竜を見つめていたからだろう、彩達3人が寄ってヒソヒソ話をしている。気を使ってくれたのかな。


「よし、それじゃあ、こいつを収納して先に進もうか。また別の竜が出てくるかもしれないし、皆十分に警戒してね。」


そう言って、地竜をそのまま無限倉庫に収納して、皆を促して先に進んだ。竜の歩いてきた跡を辿って進むと、大きな洞窟があった。気配探知では生物の反応はない。俺達は十分に警戒しながら洞窟の中に入った。


「真っ暗だね。明りを点けるね。」


先頭は俺、アリス、ミミ、最後が彩の順。4人で気配探知しながら進んでいる。俺も超聴覚を働かせながら先に進む。


「あっちからかすかに明りが洩れてる感じがする。この深い谷は迂回出来そうもないから、あっちまで転移しよう。皆集まって。」


足元には、ぽっかりと暗い穴が開いている。明りで周囲を照らしても迂回出来そうなルートはない。対岸にある通路を視認して転移する。


「間違いないね。空気の流れがある。」


俺達はゆっくりと明りの方に進むと、人一人がやっと通れるぐらいの穴が開いていた。俺が注意して穴の先に進むと、その先には開けた土地が広がっていた。穴は山の中腹に開いたもののようだ。


「大丈夫そうだから、一人ずつこっちに来て。」


そう言って皆を外に出した後、土魔法で穴を完全に塞いだ。ここから別のやつが来ることはできないだろう。


「拓哉、あれは何?」


「多分あれが古代遺跡だと思う。この盆地全体を結界で覆っているんじゃないかな。ほら四隅に装置みたいなものがあるでしょう、多分あれだよ。」


「結界は今も活きてるの?って言うか拓哉には見えるの?」


「皆には見えない?」


「「「見えないよ。」」」


よしじゃあ、境目まで行ってみよう。そう言って結界の端まで転移で皆を運んだ。歩いてたら半日はかかりそうだ。道なんてないしね。


「ここから結界がある。通り抜けられるから働いてないのかな?」


「あっ、確かに見えない壁があるよ。アリスは通れない。」


「ミミもダメみたいです、旦那様。」


「彩は大丈夫みたい、拓哉。少し抵抗はあるけどほら通り抜けられる。」


「皆集まって、俺が転移魔法を使えば大丈夫じゃないかな。ダメなら亜空間領域経由で運ぶし、まずは掴って。」


塔の入り口と思われる場所まで転移した。無事に成功。アリスもミミも弾かれなかった。


「生物反応はないけど注意してね。入り口はここだろうな。どうやって開けるんだろう。カードキーみたいなもので認証する感じかな、水晶の窓みたいなところがある。冒険者カードを使ってみた。反応なしだな。おっ、そうか。ステイタスオープン。」


俺はステイタスを偽装なしで水晶部分に読みとらせた。スーッと音もなく開いた。ビンゴだ。念のため、彩とアリサ、ミミに認証させてみたけど、3人ともダメだった。何が違うのか。レベルか、クラスかな?もう一度俺が認証させて、皆を連れて中に入る。俺達が中に入ると、スーッと音もなくドアが閉まってどこがドアなのか解らない状態になった。通路はぼんやり明るく光っている。進める方向は一方向なのでそっちに進む。途中で認証できるような場所がないかを探したけどなかった。ぐるっと塔を一周した感じだ。もう一度よく確認しながら進むと、塔の中心部分に面した壁に淡く光っている場所がある。


「こっちが認証窓かなー。」

そう呟きながら壁を見ていると水晶の認証窓が浮かび上がってきた。音声か念で認証を促すのかもしれない。


もう一度ステイタスオープンを唱えて認証させると、壁の一部にぽっかり穴が開いた。


「取り敢えず入ってみよう。」


中に入ると壁が閉じる。これってエレベーターみたいなものか?でも階数のボタンとかないけど、あっ、認証か。


「認証オープン。」


ステイタスの認証をすると目の前にタッチパネル式の一覧表が出てくる。自動翻訳が働いて文字が認識できる。


「コントロールルーム」


念じると、小部屋全体が移動している感じが伝わってくる。ミミは俺の背中に掴って、彩とアリスも俺の両腕に掴っている。動いている感覚が止まり壁の一部が開くと、広い空間が広がっている。俺達は固まりながら広い空間の中を進む。何台か床から飛び出るような形で端末っぽいものがある。その一台に近づいて、


「認証オープン」


すると今度は頭の中に返答があった。


「認証を確認しました。クラスE。当施設の使用権限許可。」

・・・・

「現在、当施設使用許可者の最上位クラス者です。施設管理者権限を取得可能です。取得しますか?」


「はい」


「承認しました。現時点をもって当施設は待機モードから管理者モードへ移行します。管理者は、タクヤ・リュウザキ、上位人族、クラスEです。クラス上位者が現れた場合、自動的に管理者を移行しますか?」


「いいえ。」


「承認しました。当施設は現管理者のみの管理者権限を設定します。尚クラスEのため、当施設からの他施設の遠隔管理は行えません。当施設はスタンドアローン方式で運用を開始します。」


「彩、アリス、ミミ、もう安心だ。この施設は俺が完全に把握した。管理者になったみたい。この建物の中だと脅威はないよ。」


「ふーよかった。ドキドキしたよー。」


「お兄ちゃん、馬車を出して。」


馬車を出してやると、アリスとミミは走って馬車の中に入っていった。あっ、トイレかな?緊張してたのね。


「彩も中で少し休んでいて。俺はしばらくこの施設のことを把握してみる。」


「わかった、アリス達の様子をみてくるね。」


この場に俺だけが残って、さらに調査を進めることにした。


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