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カースト最底辺からの成り上がり  作者: けんもも
第二章 ガノ王国編
15/43

ドロップアイテムの換金

「旦那様、この小屋の後ろはいい場所です。周りに窓はないですし、木が陰になりますので誰にも見つかりません。それにこの場所に来る人はいないでしょうから便利ですよ。」


「あーアリスもここがいいって考えてたのに。」


「そうか、ミミとアリスお勧めならここがいいのかもな。今度からここに転移しようかな。」


「そうね、ここから出てきても不自然じゃないし、いい場所かも。」


そんな話をしながら冒険者ギルドの中に入った。今日は人が割と多くいた。夕方で報告に来ている冒険者が多いみたいだ。ざっと鑑定してみたけど特に変わったスキルを持っている人はいなかった。能力的にはアリスよりも下だ。これでどの程度のランクなんだろう。


「すみません。迷宮のドロップアイテムの換金をお願いしたいんですけど。」


目立ちたくないので普通のリュックにドロップアイテムを詰め込んで持ってきている。


「はい。では、こちらに冒険者カードと一緒にお出し下さい。あれ、昨日、登録された・・・」


「はい、お陰さまで今日迷宮に行ってきました。家の方も快適です。」


「そうですか。それで換金アイテムは?」


「この中に入っていますのでよろしくお願いします。」


そう言ってリュックごと4人のカードと一緒に渡した。


「お預かりします。ポイントはどうしますか?リーダー配分しますか?均等配分しますか?」


「えっと均等でお願いします。」


「承知しました。それではしばらくお待ちください。えっ、重い。」


そう言ってリュックを開いて初めて全部がドロップアイテムと理解できたようだ。


「これは今日一日で?前から貯めていたものですか?」


「今日は朝から潜っていたので一日分ですが、拙かったですか?」


「いえ、そんなことはありません。では少々お待ち下さい。」


受付のお姉さんは、リュックを引きずるようにして奥の部屋に運んで行った。10分ほど経った頃、


「タクヤさん、換金が終わりました。先に明細をご説明しますね。まず、E級素材の、ゴブリンの爪が221本、一角兎の肉が106個、D級素材の一角兎の角が52本、ボアーから猪の肉が26個、C級素材のボアーの牙15本、ボアーの皮6枚です。パーティー4人にポイントを均等割りにしましたので皆さんC級に昇格されました。尚C級素材を後19個提出されますと皆さんB級への昇格となります。換金はE級素材は単価銀貨1枚。D級素材は単価銀貨10枚。C級素材は単価金貨1枚となりますので、E級素材銀貨327枚、E級素材銀貨390枚、C級素材金貨21枚となりますので、合計金貨28枚と銀貨17枚になります。お確かめ下さい。こちらが冒険者カードになります、昇格おめでとうございます。」


「ありがとうございます。」


「えっとC級と言うとそんなに凄いランクなんでしょうか?」


「そうですね。C級は現在、当ギルドには30名ほどが在籍しています。B級ですと8名の2パーティーのみです。A級は現在別の迷宮への遠征に出ておりますが1パーティー4名が在籍しています。」


「えっとS級と言うのは?」


「現在この国にはS級冒険者はおりません。世界で2パーティーのみです。」


「なるほど、じゃあ俺達も頑張らないといけないですね。まずはA級を目指します。」


「はい、頑張って下さいね。」


幸い俺達の窓口に並んでいる人はいないのでお姉さんとの会話を聞かれることもなかったようだ。ただ、お金を受け取る時に横にいた冒険者のグループが金貨の量をみてちょっとだけ何か言いたそうだったけど、何も言わずギルド会館を出て行った。


俺達が馬車に向かって歩いている時に、さっき隣にいた冒険者のパーティーが近寄ってきた。俺はあらかじめ警戒していたし彩達にもその旨伝えていたので慌てることなく、


「えっと何か用でしょうか?」


「いや、用ってほどじゃないけど、お前さん方新人だろう?迷宮でレアアイテムでもゲットして大金を稼いだのかもしれないけど、一応注意しておこうかと思ってな。」


索敵ではグリーンだ。敵意や悪意はないと言うことだ。


「ありがとうございます。ラッキーだったと思っています。慢心しないように頑張りたいと思います。」


優等生的発言をしたけどさて、どうするか。


「まあ自覚で来ているんならいいけどな。特に大きなお金を持つと身に合わない武器や防具を買ったりして目立ってしまう奴もいるからな。迷宮の中じゃ何が起きるか解らねえからな。十分に気を配ることだ。」


「御忠告ありがとうございます。」


新人冒険者を心配してくれた心優しい先輩だったのかもしれない。スキルレベルがLV2までしかなかったけど、大丈夫かな。こっちの方が心配になっちゃうけどって思ったけど、波風立ててもいけないので頭だけ下げて馬車に乗って市場に向かった。


「ねえ、拓哉。私達ってそれなりに強いみたいだね。」


「それはそうですよ、お姉ちゃん。大体魔法を習得するのも普通は何年も修行してやっと身に着くんですよ。特に聖魔法なんか、このせいで私は村に監禁されて生活してたのに。巫女の修行とかなんなのって感じだよ。お兄ちゃんが全員と繋がったら一挙に解決だよ。」


「俺は種馬かよ。」


「そうですよ。旦那様はミミの大切な旦那様ですからね。他と繋がるぐらいならミミが繋がりますよ、勿体ない。」


「ミミ専用でもないからな。」


駐馬場みたいな所に馬車を止めて市場に向かって歩いている時に、


「あーお兄ちゃん、この場所いいよ。ほら空白地みたいにどこからも見られない場所だよ。」


「ミミも気付いてましたから。」


「なるほどな。上手く周囲の陰に隠れてるんだな。ここからなら市場も近いしな。アリスお手柄だな。」


「へへへ、当然だよ。お兄ちゃんのためなら、妹として当然だよ。」


アリスがスリスリしてきたので頭を撫でてやった。後ろから歩いていた彩の腰を抱いてイチャラブしてやったら、彩もスリスリしてきた。最近、奴隷(?)、妹(?)にかまけて彩とイチャラブしてなかったからな。歩きながらチュッとしたら照れてた。相変わらず可愛いなぁ彩は。


その日は酪と呼ばれる生クリームみたいなものと、果物、木の実などを購入した。武器屋ものぞいてみたけど空欄持ちの武器がなかったので購入はパスした。ただ、ミミのブーツは買っておいた方がいいかと思って防具屋を何軒か回ってみた。いいのがなくて防具屋の親父さんに、いいブーツの素材はどんなのがあるかを聞いたらピンキリだけど、レアではあるけどボアーの皮で作ったブーツは耐久性、防御性、撥水効果もあっていいと言う話を聞けた。あのボアーの皮を残しておけばよかったな。後で取りに行こうかな。


その後昨日のオーダーメイドの服屋に立ち寄ってみた。靴下とかないか聞いてみたら奥から長い靴下を持ちだしてきた。ニーソックスだ。ただ人気がなかったみたいで展示から外したらしい。これを流行らせるならガーターベルトとか作らないとって思ったけどそれはいずれ彩達に自作させよう。

ニーソックスのうち黒いニーソックスに2つ、白いニーソックスに1つ、普通の靴下に1つだけ空欄持ちのソックスがあったので、御試しで使ってみるということで4つとも買うことにした。銀貨10枚に負けてくれた。素材的に高価なものだと思うけど死蔵品だしね。


その後馬車に戻って、のんびり家に戻った。ミミは夕食の準備―とかいいながらキッチンに向かっている。彩とアリスは昨夜受けた裁縫スキルの練習をするそうだ。俺はニーソックスに物理攻撃耐性を付加して彩に渡しておいた。これで足元の防御がよくなると思う。その後、迷宮の地下二階に飛んでボアーを探して狩って皮を3枚ゲットした。レアとか言ってたけどサクサク出たけどな。別にレアでもないんじゃねぇって感じだ。


家に戻ってブーツ作りだ。出来れば3人に作ってやりたいと思う。どうせなら足形をきちんと取ってオーダーメードで作ってやろうと考えて、彩から順番に採寸した。横になって貰うのに床の上じゃ可哀想なのでベッドの上での採寸だ。戦闘の時には付けることになるニーソックスを履いて貰って立体的な採寸を行った。採寸の途中で盛り上がって一戦してしまったのは若いから仕方ない。お陰でじっくり採寸出来たしね。ブーツのデザインもそれぞれの好きな形にして上げた。基本は皆ひざ下までのロング編み上げブーツだ。ただ編み上げの位置が少しずつ違っていて、特にアリスは脛とつま先、踵を固くして打撃効果を与えられるようにした。ミミは靴の下部分の強化を願った。踏みつけ願望でもあるんだろうか。

彩のアイデアでレッグプロテクターとしてブーツの上から巻けるようなものをつけると別の魔法付与をできるのでより実戦で有効な装備になった。

ボアーの皮一枚からブーツ2足分を余裕でとれたので、余った皮で剣帯やバッグ、籠手などを作ってみた。生成スキルがLV4まで上がりいよいよ俺の制作品が伝説級の一品に近づいてる感じだ。彫金スキルも併用してかなり凝ったデザインのものもできるようになった。


途中採寸とベッドでの一戦を交えてミミの夕食の準備もいつもより時間がかかったけど、おいしそうな匂いが漂ってきた。兎肉のシチューとか言ってたけど、何作ったんだろう?


「さあ、旦那様夕食ですよ。今夜は新しいメニューに挑戦してみました。」


「これは、とんかつか?いや、うさかつか?」


「お肉をパン粉でくるんで上げてみました。下味を付けてますのでこのままでも、少し冷めてもおいしいですぞ。」


「すごいな、ミミ。これ自分で考えたのか?」


「はい、この肉を美味しく食べるために肉のうまみをを閉じ込めてみようかと。」


「ミミはお料理の天才ね。」


「ミミは凄ーい。ミミお茶を頂戴。」


「はいはいただいまー。もうアリスもこれくらい出来るようになって下さいねー。一番奴隷なんですから。」


「わかったー。ミミに教えてもらおうかな、アリスが暇な時に。」


「いいですよー。」


ミミ騙されてるぞ、アリスに。アリスが暇な時っていつだよ。


そんなこんなで今日も楽しい夕食を取って、もう一度お風呂に入ってベッドに入った。


「明日も今日と同じ感じで行こうな。一応、一日1階層探索を目標な。余裕があれば2階層ぐらいできそうだけど。」


「そうだね。ドロップアイテムも下に行くといろいろいいものが出るみたいだよ。」


「だな、イムタランチュアとか、ブラックタランチュアの糸は欲しいな。そしたら自分で生地が作れてインナー関係は好きなだけ作れそうだし。」


「お兄ちゃん、裁縫面白いよ。アリスも一杯練習するね。」


その夜も皆で燃えた。彩とアリスは裁縫のレベルアップを目指して裁縫スキルを、ミミは近接攻撃として槍術スキルを希望した。ちなみに今日一番レベルアップしたのはミミだ。能力値がLV1の時の倍以上に伸びてる。身体も随分軽く感じるそうだ。能力値で魔力が突出して伸びているのはもしかしたら魔法のみで戦ったからなのかもしれない。その辺りの影響も出るんだろうか。サンプル数が少なくて検討ができないけど、傾向としてはありそうなので、今後戦闘の際に気を付けておこうと思う


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