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クール・エール  作者: 砂押 司
第1部 水の大精霊
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湖の底

・初めて読まれる方へ……

1部アナザーまで読んでいただければ、この物語の真価をわかっていただけるかと思います。

尚、完結済み作品につき感想欄や過去の活動報告はネタバレの宝庫となっていますので、ご注意ください。


・書籍版からお越しの方へ……

オリジナル版は、実はこういうテイストで始まりました。

書籍版に至る前の原作を、どうぞ最後までお楽しみください。


・再読される方へ……

表記や話順の修正が終わりました。

他、細かいところにもかなりの修正を入れています。

あらためて、そしてできれば何度もお楽しみいただければ幸いです。

異世界に召喚された瞬間縛り上げられ、舟から石をくくりつけられた状態で湖に放り込まれようとしている……。


俺、中畑蒼馬なかはたそうまの現状を端的に表すとこういう状態になる。


水の透明度はとても高く、水面には殴られて腫れ上がった俺の顔が映っていた。

まだほぼ全身に痛みが残っているし血の味で口の中が切れているのはわかっていたが、頬が紫色になっている自分の顔を初めて見て、あらためて一切遠慮のない暴力をふるわれたことがわかる。

「生贄」というからには生きていなければならないと思うのだが、舟のへりで全力の背筋で抵抗している俺を左右から必死に押しているこいつらが、その辺をきちんと考えていたのかどうかはかなり疑問だった。


「許してくれ、許してくれ」


「許してくれ、許してくれ」


ひたすらそう喚きながら俺の両肩を下へ下へと押す2人の男と、後ろでその様子を見ているのであろう老人。


許せるわけが、ないだろうが!!


異世界に召喚されたとなったら普通は桁外れの能力を活かして英雄になるか、現代文明の知識で賢者になるか、隠された真の姿を発揮して魔神になるか、そういう展開になるものじゃないのか!?


……ふざけるな!


全力で抵抗しながら、ふりかえって叫ぼうとした瞬間だった。


「許せ」


そう静かな声が聞こえた瞬間に頭に凄まじい衝撃を受け、力が抜けてそのまま前に倒れ水冷たい下暗い沈む水……水……冷たい……水……暗い…………

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― 新着の感想 ―
やっと見つけた…昔読んですごく好きだったんですけど、ようやくまた出会うことができました。また一から読み直そうと思います。ありがとうございます。
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