もしも射命丸文がただの変態だったら?
この小説は後悔6:妄想2:決意1で出来ています
幻想郷:妖怪の山
妖怪の中でも仲間意識が強い天狗が住むこの山ではある問題が発生している。
「もおおおみじいいいい!その無駄に大きな胸のさわらせてぇぇええええ!」
変態が出没するのだ。変態の名前は射命丸 文。妖怪の山では古参な方で相当な実力者である。しかし、根っからの女好きで、気に入った女性を見つければ所構わずセクハラと口説きに掛かる筋金入りだ。
現に涎を撒き散らし、鼻息を荒くし、対象に飛びかかっている。
「視界から失せろ。色情魔」
ーガゴンッ!ー
だが、対象は朝起きたら顔を洗うが如く慣れた手つきで背負っている盾で叩き落とした。
彼女は犬走椛。白狼天狗で山の見回りを任せられている。少し男口調で無愛想だが同僚との付き合いは良い。
彼女が変態の被害を受けるようになったのは、ちょうど1ヶ月前のこと。運悪く文の獲物になった彼女だが持ち前の直感で魔の手から逃れ簀巻きにして上司に突き出した。それが文やる気に火がつき、現在まで100近いセクハラを仕掛けたが失敗に終わった。
「いい加減にしろ。このド変態。一度頭かっさばなきゃ私の言ったこと理解できないのか。次やったら首と胴体をお別れにするぞ」
「フフフフフフ、その程度の脅しで私が屈すると思ったら大間違いです。この射命丸文に!逃走と降参と後悔の二文字は無い!」
格好いいこと言っているが、頭は地面にすっぽり埋まっていて、足は180度開脚して逆三角形を作っている。いろいろ台無しだ。
椛はゴミを見るような目で文を睨んでいる。その視線を感じ取ったのか文はそのままの状態で体をくねらせている。正直触手が蠢いているようでキモイ。
「そんなに見つめないでください。感じちゃうじゃありませんか」
「一回死ね。そしてそのままこの世から消えろ」
椛の暴言は益々ヒートアップしていき、そのたび変態は体をビクンッビクンさせている。
とりあえず、この山は椛のおかげで被害は無くなり平和であった。