【出場停止処分】バウアー投手の所属球団が決まらない理由【従属国日本】
筆者:
本エッセイを選んでいただいて誠に光栄です。
本日は昨季日本で10勝4敗、防御率2・76と活躍したバウアー投手がいまだに日米で契約が決まらないことについてみていこうと思います。
質問者:
調べてみたらアメリカでもっとも投手で栄誉のある「サイヤング賞」を2020年に獲得したこともある大投手みたいですね。
そんな投手がどうしていつまでも所属先が決まらないんでしょうか?
筆者:
日米で理由が異なるので、それぞれ見ていこうと思います。
◇アメリカでの暴行疑惑
筆者:
バウアー投手がそもそも日本に来た理由としまして2021年の性暴力疑惑があるんですね。
疑惑が報じられてからバウアー投手は「制限リスト」入りしています。
この「制限リスト」というのに入ってしまうと他のMLB球団と契約できなくなり、
給料なども支払われなくなります。
2022年2月8日に証拠不十分として不起訴となることが発表されたのですが、
MLBによる調査及び制限リスト入りの処分は続き、22年4月29日に同日より2シーズンに相当する324試合の出場停止処分(のちに194試合に軽減)を科されたのです。
現在は出場停止処分の解除はされたもののアメリカの報道機関相手に“事実無根だ”と訴訟を起こしているんですね。
このように訴訟問題が解決するまでは“問題児”とされアメリカでは獲りにくいという状況にあるのです。
質問者:
なるほど、コンプライアンスの問題もありますからアメリカでは厳しいんですね。
筆者:
それに対して日本では“不起訴処分”ということもあってベイスターズが獲得したようです。
質問者:
ですが今年はどうして日本でもダメなんでしょうか?
◇バウアー投手の日本での失墜は受刑者を政治的圧力で帰国させたことに歓迎したこと
筆者:
まず、バウアー投手にメジャー意識が高い事からメジャーとの契約を優先していることが一つ目の理由としてあります。
そして日本でも物議を醸すことをバウアー投手がSNSで起こしてしまったのです。
質問者:
具体的にはどういうことなんでしょうか?
筆者:
リッジ・アルコニス米海軍大尉が2021年5月に静岡県で日本人2人を死傷させたという事故を起こしました。
22年7月には禁固3年の実刑判決が確定し、横須賀刑務所に収容されました。
しかし、共和党の20人の議員などが裁判などの進め方で日米地位協定の違反があったとも指摘しました。
また彼らの言い分では日米地位協定に基づいて外国で有罪判決を受けた受刑者を母国に移送し、残りの刑期を務めさせることが可能だと主張しました。
23年12月にバイデン大統領、ハリス副大統領、サリバン大統領補佐官などの要請に岸田政権は応じて、リッジ・アルコニス米海軍大尉をアメリカに移送、そして今年1月12日に仮釈放されました。
当然日本では本来刑期中です。
しかも、共和党のマイク・リー上院議員はSNSの24年1月16日投稿で、この自動車事故の原因について、「過失ではなく病気によるもの」と主張し、日本に謝罪まで求めたというとんでもないことにまでなっています。
質問者:
また、「日米地位協定」ですか……。
日本がアメリカに従属している事実上の根拠だと筆者さんがかねがね指摘されていますよね。
特に米軍兵士は優遇されていると……。
この一件とバウアー投手は何の関係があるのでしょうか?
筆者:
リッジ・アルコニス海軍大尉が幸せそうな家族写真をアップしているのに対してバウアー投手が「おかえり」といって祝福したのです。
バウアー投手はアルコニス氏と個人的な繋がりがあると弁明していますが、
一方で日本人は2人死去したにもかかわらず、たった禁固3年。
しかも刑期が全て終わることなく政治的圧力でもって帰国しているという有様です。
質問者:
なるほどそれは顰蹙を買っても仕方ないですね……。
筆者:
個人的な知り合いだったとしても、誰もが見ることができるSNSにアップするべきではなかったと思います。
特に日本でプレーする可能性がまだあるにも関わらず、このような投稿は配慮にあまりにも欠ける行為と言わざるを得ません。
せめて、外部から見えないところで連絡を取り合うべきだったと思います。
質問者:
もしかすると、バウアー投手に性的暴力は無かったとしてもこういった配慮の無い発言や行動があったのかもしれませんね。
筆者:
分かりませんが、その可能性はあるでしょうね。
いずれにせよ、バウアー投手のガッツ溢れるプレイや、YOUTUBEなどでの配信を僕も見ていたので大変残念な気持ちになりましたね。
多くの日本のファンでも同じようなことを思っていることが多いことから、
日本球団が獲得するにも相当勇気がいることでしょう。
ソフトバンクが資金もあることから候補だと言われていますがね……。
質問者:
しかし、そんなにこのことって話題になっていなくないですか?
筆者:
僕も実を言うと事件の全貌を知ったのは最近です(笑)。
特に、ホワイトハウスからの圧力や日米地位協定に基づく受刑者の返還といった実を言うと最も重要なところを報道してくれているところは少ないです。
“国際問題に発展して欲しくない”というマスコミの意図が窺えてしまいますね。
◇日米地位協定の3大問題
質問者:
この問題の根幹とも言っていい、日米地位協定の問題点について改めて教えていただけますか?
筆者:
まず米兵は基地を経由すればパスポート、検疫の審査を経る必要がありません。
一説によると新型コロナ(COVID19)が広がったのも米兵からと言われており、この日米地位協定による悪癖と言えると思います。
質問者:
モロに弊害が出てるじゃないですか……。
筆者:
次に、米軍機は日本の空港への事前通告なしでの使用が事実上認められ、
民間機よりも優先的な空港使用が認められているんですね。
米軍機が民間空港に着陸した回数は2021年では314回にのぼり、民間機が空港に降りられない問題も頻発しているようです。
「横田空域」と呼ばれる民間機が禁止されている場所なども事実上認められており、
米軍基地は完全なる治外法権状態となっています。
また、普通の飛行機では禁止されている低空飛行に対しては住民の不安も多く募られています。
質問者:
飛行しているだけで不安になるって凄い話ですよね……。
筆者:
今回のことで一番関係する条項としては、
公務中の米軍関係者が刑事犯罪を起こした場合、米国の軍法裁判で裁かれると規定しています。
日本の捜査機関や司法が扱えるのは、米軍が身柄引き渡しを認めた場合に限られています。
リッジ・アルコニス海軍大尉の自動車事故に関しても、業務中による事故だった場合には恐ろしいことに逮捕すらされなかった可能性があります。
今回の“圧力“によって公務中でなくても米兵は「特別待遇」を受けられることが確定しましたしね……。
質問者:
司法や行政が及ばないだなんて「日本じゃやりたい放題」ってことじゃないですか……。
筆者:
もちろん全ての米兵の方がそんなモラルが欠如しているとは思いませんが、
“本国が守ってくれる”と思うだけで強気に振舞えることは間違いないです。
米軍が中露に対する抑止力になっていることは間違いないですが、
それにしたってこの日米地位協定が令和まで続く不平等条約と言っても過言ではありません。
見直していかなければ恒久的に日本は従属国でしょう。
トランプ氏が大統領になれば“アメリカ第一主義”を良い感じに活用して従属国から脱却していける可能性があると思うので何とかして欲しいと思います。
質問者:
今の政府がそこまで見えているか本当に怪しいですけどね……。
筆者:
そのためには国民の側から声を上げていく必要があるでしょう。
この一件を機会に皆さんにもっと「日米地位協定の問題」知って欲しいなと思いました。
ということでここまでご覧いただきありがとうございました。
今後も時事問題や政治経済、マスコミの問題などについて個人的な考察を行ってきます。