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僕たちの英雄伝説  作者: 鬼龍院 天音
1年生編 第二章
38/40

これからのこと

銭湯で疲れを取るどころか大きなダメージを受けたアークは寝る前に女子寮に向かっていた。


「あれ〜アークくんまた、覗き?」


「またってなんですか...僕は一回も覗きなんてしたことはないですよ。」


「あはは、そうだね。

女子風呂を覗きに来る常習犯はカイトくんとロイドくんだけだからね。」


あいつらもう、常習犯扱いされてるのか...まあ、それでもあの二人は懲りずに覗きを繰り返すだろうな。


「でも、女子寮に忍び込むのはアークくんの方が常習犯かな。」


「忍び込んでません! ちゃんと許可をもらってます!」


「あはは、ほんと面白い反応するわね。

アークのそういうところかわ〜いい。」


「からかわないでくださいよぉ、もうぉ。」


アークは大きなため息をついた。


全く、マキ先生と話していると調子が狂う。

トウヤ先生の気持ちが少しわかった気がする。


「で、レミさんのところでいいの?」


「はい、お願いします。」


俺はマキ先生にレミの部屋まで案内してもらった。


「時間は一時間ぐらいでいい?」


「いや、30分で大丈夫です。」


「わかったわ。 じゃあ、30分後に迎えに来るね。」


そう言ってマキ先生は立ち去った。


さて、入るか。

レミはおそらく今日のことについて話そうと俺を呼んだのだろう。

俺も正直、話したいことがたくさんある。


「ふ〜う...よし。」


俺はレミの部屋の扉を2回、コンコンとノックした。


「レミさん...アークです。」


反応がない。

留守か?


「きゃぁぁ!」


レミの部屋から悲鳴らしき声が聞こえた。


レミさんの声!

俺は慌てて、ドアノブを掴み、扉を開けた。


「レミさん大丈夫ですか?」


「うん?」


「あら?」


「え?」


部屋にはレミさんとミラさんがいた。

何故か、裸で。

そして、ミラさんはレミさんの立派に実った果実を後ろから優しく揉んでいた。


「しっ...失礼しました!」


俺は慌てて扉を閉めた。


やばい、見ちゃいけないものを見てしまったよォ! というかどういう状況だ、あれ。

ミラさんがレミさんの胸を鷲掴みしていた。

カイトとロイドと言い、ここ変態しかいないのか? いや、何かの間違いかもしれない。

カイトとロイドの時もそうだったのだから。


「よし、もう一回開けよう...ってバカか俺は!

何がもう一回開けようだ。

普通にアウトだよ!」


アークは自分のボケらしきものに自分でツッコミ入れた。


「アークくん、入ってきていいよ。」


アークに入っていいと許可したのはミラだった。


「はっはい!」


ここレミさんの部屋だよな、なんでミラさんが許可してるんだ?


俺は扉を開け、レミさんの部屋に入った。


「いやぁ〜ごめんね、アークくん。

今日、レミと二人きりで雑談したかったからレミの部屋でゆっくり話してたのよ。」


「それで、胸を鷲掴みし合ってたと...」


「ブッ! アハハハ! アークくん面白いね!」


ミラは大爆笑した。

そんなに面白かったのか?


「まあ、正解のようで不正解って感じだね。」


「いや、不正解よ!」


少し慌てて口調で反対するレミ。


「アークくん、これは誤解なの。

女のじゃれ合いみたいな感じで...そのぉ......えっとぉ...」


「女のじゃれ合いは胸を揉み合うのですね。」


「そう、って違うよ!」


おぉ、いいツッコミ。

アークは少し楽しんでいた。


まあ、カイトとロイド達みたいなじゃれ合いだろ。

多分、そんな感じだろ。


「まあ、ただ、風呂に入ったあとだから服を来てなかっただけよ。

さて、私の話は終わったことだし、後は若い男女で楽しみなさい。」


「それ、どういう意味ですか?」


「ミラ、あんたほんとおっさんみたいだね。」


「じゃあ、私はここら辺でおさらばするよ。

レミ、アークくんお互い頑張ってね。」


「ミラさん、なんか、すごい勘違いしてるような気がするんですけど。」


「あぁ、それと私からのプレゼントをちゃんと使ってね。」


ミラは最後にそう言ってレミの部屋を立ち去った。


「プレゼントってこれのことかしら?」


レミは机の下に置いてあったミラからのプレゼントボックスを取った。


「中身は何ですか?」


「今、開けるわ。」


レミは自分の太ももにプレゼントボックスを置いて、開けた。

中身は...


「うん、これは?」


プレゼントボックスの中には1つの紙とある物が入っていた。

紙に書かれていたことは...


(頑張りなさい!)と一言だけ、書いてあった。

そして、プレゼントの正体はなんとゴムだった。


「.........」


レミは固まってしまった。

そして、数秒後...氷魔法で凍らせた。

そして、パリンと割れる音がした。


「えっとぉ...レミさん何を?」


「うん?何もしていないわ。

気にしないでアーク。

それと二人きりの時は敬語は無しって言ったじゃない。」


「そうでしたね。 いや、そうだな。」


明らかに今、ミラさんのプレゼントを抹消したよな...まあ、余計な物だったのだろう。


(ミラの奴、なんてものをプレゼントしてくれたのぉぉぉぉぉぉ!

それと何よこの笑顔...クソ腹立つ。

あの子の勘違いも何とかしないと。)


「それで、レミ...今日はなんの目的で俺を呼んだんだ?」


レミは俺の一言を聞いて、我に返ったような顔をして、話しかけてきた。


「ごめんなさい、それじゃあ本題に入りましょう。」


そう言ってレミは用意していたお菓子と紅茶を台所から持ってきた。


「まあ、今日呼んだのは...まあ、アークの予想通りだと思うけど、今日の戦いのことついてだわ。」


「まあ、そうだろうな。」


俺の予想通り、やはり今日の戦いのことか。


「まずはそうだね...正直話したいことがありすぎて、何から言えばいいのか...」


俺も全く同じことを思っていた。

正直、今日でいろんなことがありすぎた。


「まあ、神魔会のことについて話せばいいと思うよ。」


俺はとりあえず、神魔会のことについて話そうともちかけた。


「そうね...じゃあ単刀直入に言うけど...アークはどう思う?」


「う〜ん...まあ、明確に分かることは敵だろうな。」


「まあ、そうね...味方では無さそうね。」


「人類の目的は神を殺すことだ。

だが、神魔会の目的はそれとは真逆の神の復活。

まあ、軍の人達とは敵対するだろうな。 」


「まあ、私達も神魔会の幹部の一人、ラースに襲われてるから学園側も敵として見るつもりで考えているでしょうね。」


俺もレミと全く同じ考えだな。

まあ、俺も神魔会のことは敵だと思っている。


「ラースは子供、大人関係無しに容赦なく殺すような奴だった。

神魔会のほとんどがそういう奴なら俺も神魔会を敵として見る。」


「私も同意見だわ。 なんの躊躇いもなく人を殺し、まるで神と同じようようなことをするなら私は神魔会を潰すわ。」


おぉ、怖い...でも、心強い。


「まあ、神魔会のことはこれくらいにして次のことを話しましょう。」


「次のこととは?」


「理事長のことよ。 正直、私は理事長のことについて一番、話したかった。」


「奇遇だな、俺も理事長のことについてレミと一番話したかった。」


「まあ、私が言いたいのは理事長のあのオーラのことだわ。」


やっぱりそうだよな。 俺もあの禍々しすぎるオーラについて話したかった。


「正直、私は理事長をいい人とは思えないわ。

あんな禍々しくて、恐ろしいまでの殺意。

一瞬、敵だと思ったわ。」


「俺も最初は敵だと思ったよ。

あれだけの殺意とオーラを放っていれば、敵だと勘違いしてもしょうがない。」


「やっぱりアークもそう思うのね。」


「でも、俺はあの人から温かさも感じた。」


「それはどういうこと?」


レミは不思議そうに訊いた。

どうやらレミは感じなかったのか。

まあ、理事長の手の温かさよりも禍々しいオーラの方が強かったからな。


「俺はあの人に頭を撫でられた時、温かくて、優しいオーラを感じた。」


「そうだったの。 ごめんなさい...私は禍々しいオーラの方しか感じ取れなくて...」


「謝ることじゃないよ。 あの状況じゃあ、優しいオーラを感じ取るのは難しいよ。

なんなら、俺の勘違いって可能性もあるからな。」


「でも、理事長も神魔会を敵だと考えているから

味方だと考えていいと思うわ。」


「俺も少なくとも理事長は味方だと思っている。

神魔会について明日、情報屋に公表するらしいしな。」


問題は公表した後の神魔会の行動だな。

世間に公表されたら奴らはどう動くのだ?

それも少しは考えといた方が良さそうだな。


「まあ、理事長のことも神魔会のこともまだ、謎だらけだけど、それもこれから色々と調べていけばいいわ。」


「そうだな。」


分からないことは調べていけばいい。

そのために俺とレミはパートナーになったのだから。


「アーク、これからもパートナーとしてよろしく。」


レミはかしこまった感じでそう言った。


「何を今更、言うと思えば...当たり前だろ。

これからもよろしく頼むぜ、相棒。」


「アークくん、迎えに来たよ。」


どうやら、マキ先生が迎えに来たようだ。

グッドタイミングだ。


「じゃあ、明日学園で。」


俺はそう言ってレミに手を振って、部屋を立ち去ろうとした。


「また、明日。」


レミも手を振って、アークを見送った。


「はぁ...」


レミはため息をついて、ゆっくりと腰をおろした。


「ため息なんてついて、どうしたの?」


「うわっミラ!」


レミの部屋の窓を外から開けて、話しかけてきたのはミラだった。


「うわって、めっちゃ酷いわね。」


「あなた、いつから。」


「丁度、今来たところだよ。」


「なら、いいけど。」


もし、今の話が訊かれていたなら大問題だわ。


「何、訊かれたらまずい、話だったの?」


「別に、大した話はしてないわよ!」


「あら、実に可愛いらしい反応ですこと。」


「もう、うるさいぃー!」


「それで、アークくんとは上手くいったの?」


「それどういう意味?」


「それはもちろん、エッチなことですよ。」


「してないわよ!」


「あら、それは残念。 せっかく、二人の雰囲気に水を差さないように離れたのに。」


「別に、アークくんとはそんなやましい関係ではありません。」


「でも、好きなんでしょう。」


「ち、違うわよ。」


「もう、自分の気持ちに正直になればいいのに。

そっちの方が楽しいよ。」


「だから、違うって。」


「まあ、からかうのはここまでにしとくわ。

おやすみ、レミ。」


ミラはそう言って立ち去った。


「違うもん、絶対に違うもん。

でも、だったらこの胸の高鳴りはいったい、なんなの?

アークと話していると... もう...調子が狂うわ。」


レミはそのまま、ベットに寝っ転がった。

第二章はこれで最終話です。

次回は番外編を書きます。

そして、三章に入ります。

これからも頑張っていきます。

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