人の恋はそれぞれ
治療を受けていたアーク、ジン、キラ、ローズベルト達はサナ先生の治療を終え、食堂に向かっていた。
「おっ...やっと来たか。」
「遅いぞ、四人とも。」
待っていたのはカイトとロイドだった。
「おい、ガラードは?」
ジンはガラードがどこにいるか訊いた。
「ガラードなら先に飯をすませて、自分の部屋に戻ったぞ。」
「そうか。」
「どうかしたのか?」
カイトはジンがガラードに何か用でもあったのかと思い訊いた。
「いや、今日の戦いのことについて色々、訊きたいことがあっただけだ。」
「そういえば、みんなは何と戦ってたんだ?」
ジンとローズベルトが魔力を使い切る程の相手。
まさか...ジン達も神魔会の幹部と...
「聞いて驚けよ...俺たちはドラゴンと戦った!」
「ドラゴンだと?!」
俺はカイトがドラゴンと戦ったと言った時、驚くと同時にラースとの戦闘が頭によぎった。
ーさぁ、来い! ドラゴン!ー
まさか、ラースが召喚しようとしていたドラゴンを倒したのはジン達か?!
「それで、ドラゴンに勝てたのか?」
「あぁ、二体とも倒したぜ!」
二体も倒しただと!
俺が戦ったドラゴンの複製体を二体も倒したのか!
凄すぎる...
「なに、自分が倒したみたいな言い方してんだよ...あの時、ガラードが助けに来てなかったら俺らは詰んでたぞ。」
どうやら、ガラードが途中で助けに来たようだ。
「でも、ジンも凄かったぞ!
あの、二体のドラゴンを一瞬で消し飛ばしたんだからな!」
カイトはまるで自分がやったかのように自慢げにドヤ顔で語る。
「ローズベルトも凄かったよな...100体近くいたAランクモンスターを一人で片付けてしまうんだからな。」
「僕はそんな大したことはしてないよ。
ジンの魔力弾の方が凄かったよ。」
「でも、その後、再生されて俺のフルパワー攻撃は全て無駄になったけどな。」
SSランクモンスター二体を消し飛ばず程の攻撃って...ジンもとんでもねぇな。
ローズベルトも100体近くもいたAランクモンスターを一人で片付けるなんて...
「それに俺のフルパワーの攻撃よりガラードの攻撃の方が圧倒的に凄かったよ。
俺はあいつに体術についていろいろ訊きたかったんだけどなぁ...」
「俺もガラードくんの体術は凄いと思うよ。
俺は初めての実践訓練でガラードくんの戦闘を見たけどあれはとんでもねぇわ。」
ガラードは素手でモンスターを殺すほどの力と速さを持っている。
身体強化でもあそこまでの威力とスピードは中々出せない。
元の身体能力が高くないと不可能なことだろう。
「それとドラゴンと戦っている時、ガラードから身体強化のオーラが感じられなかった。」
「おい、まじかよそれ...身体強化無しで倒したのか?」
アークは落ち着いた声で喋っているが、内心はかなり驚いている。
身体強化無しで自分が苦戦したドラゴンを倒したのだから驚くに決まっている。
「だと思う...ガラードは拳でドラゴンの頭蓋を砕き割っていた。
それに手刀でドラゴンの体を貫いてた。」
いや、とんでもねぇな!
ガラードどんな怪力してんだよ!
「アーク、正直なことを言うと...多分ガラードは体術ならお前より強いと思う。」
「あぁ、今の話を訊く限り俺がガラードくんに勝てるわけが無い。」
俺はまるで悟りを開いたかのような顔をして言った。
「それと最後の攻撃...あれは多分、闘気だな。」
「ガラードくん、闘気術が使えるの?!」
「おそらくな。」
「武道の天才だな。」
「それと洞察力もすごいな。
一瞬でドラゴンの核を見つけた。」
やっぱり、核があったのか。
俺も薄々気づいていたがラースが創ったモンスターには必ず核がある。
それさえ、破壊すれば倒せる。
「それで、話は変わるんだけど...」
ローズベルトは話題を変えようとした。
そして、俺とキラの方に視線を向けた。
「アークくんとキラくんは今日、何をしていたの?」
これは言うべきなのか。
学園の内通者と戦ったということを...いや、そんなことを軽んじて言うべきではないだろう。
「実は今日、学園の内通者の人と戦ったんだよね。」
いや、言っちゃんかよォ!
「えっ、それはどういうこと?!」
「おい、アーク、キラ! 詳しく教えてくれ!」
(おい、どうするんだよ!)
アークはキラに視線を向ける。
(まあ、何とかするから。)
「実はトウヤ先生に魔法陣のことを教えてもらおうと職員室に行ったんだよ。
そしたら、トウヤ先生が魔法陣のことならラース先生に訊くといいよって言ったからラース先生のところに行ったらラース先生が誰かと会話しててそれを聞かれたからか僕たちを襲ってきたんだよね。」
キラはそれっぽいことを言った。
「そん時にたまたま、アークも通りかかったということか。」
「そういうこと。
流石、ジンくん。 察しがいい。」
ほんと察しがいい。
ジンには全てを説明してある。
俺たちの事情も知っている。
だから、キラの話が嘘であることに気づき、あえてキラの話に合わせてくれたのだ。
「それで、そのラース先生がどこの内通者かは多分、明日、学園側から詳しく教えられるはずだよ。」
「なるほど...お前らも戦っていたのか。」
「お互い大変だったな。」
カイトとロイドは頷きながらそう言った。
「はい、醤油ラーメン二人前とカレー二人前とオムライス一人前とナポリタン一人前だよ。」
そうこう言ってる間に食堂のおばちゃんが頼んでいた料理を届けに来てくれた。
「あんた達、今日は大盛りにしといたよ!
疲れている時はいっぱい食べることが大事よ!」
「ありがとうな、ばっちゃん!」
「ありがとう、ばっちゃん!」
「「「いつもありがとうございます。」」」
俺たちは作ってくれた食堂のおばちゃんに感謝の気持ちを伝えた。
「おう、たくさん食べな!」
食堂のおばちゃんは笑顔で親指を立て、立ち去った。
◇◇◇
俺たちは食事を済ませ、銭湯に向かっている。
カイトとロイドだけは爆速でラーメンを食べて、速攻で銭湯に向かった。
「あいつら、速いな。」
「何を急いでるのかね?」
アークとジンとローズベルトとキラは軽い会話をしながら、ゆっくりと向かった。
「あ...アーク、それにジンとローズベルトじゃねぇか。 それと...キラだっけ?」
「合ってますよ、キルトくん。」
「あー! アーク師匠だ!」
「うん?」
俺たちに話しかけてきたのはキルトとフィルだった。
フィル...今、俺のことを師匠と呼んだか?
どういうこと?
「あのフィルくん...」
「どうしましたか、アーク師匠!」
きょとんとした顔でアークの顔を見つめるフィル。
この子、本当に男なのか?
どっからどう見ても女にしか見えないぐらい可愛い顔をしてるんだが...まあ、そんな事よりも...
「フィルくん、なんで俺のことを師匠って呼ぶの?」
フィルは俺の言ったことを聞いた瞬間、目を輝かせ言った。
「アーク師匠、今日のことを訊きましたよ!
また、大活躍だったらしいですね!
それで僕が師匠と言う理由はアーク師匠が凄すぎるからです!
今日から自分は弟子になります!」
いや、急展開すぎぃぃぃぃ!
おい、待て待て!
弟子だと!
嘘、こんな俺が師匠でいいの?!
というか、どっから今日の情報を手に入れたんだ?
俺は顔を背け、目元からウルっと出てきそうになった涙を指で抑えた。
「どうしたんですか、師匠?」
上目遣いで俺を見つめるフィル。
いや、その上目遣いは反則だろ!
全く可愛い弟子だぜ!
「おーい、フィル、キルト〜!」
手を振ってこちらに向かってくるのは身長190センチ以上ある大男のタルトールだ。
「あ〜タルトールくん、やっと来た!」
「遅かったなタルトール。」
「すまない、着替えを探すのに思ったよりも時間がかかってしまってな。」
どうやら、この三人も銭湯に向かっているようだ。
「おや、ジン殿にローズベルト殿にキラ殿にアーク殿ではないか。」
「よっタルトール。
お前らも今から風呂か?」
「その通りだ。
良かったら一緒に入らないか?
色々、話を聞きたいのでな。
特にアーク殿に。」
「俺に?」
「うむ! 今日の出来事について色々と。」
「あ〜なるほど。
じゃあ、とりあえず風呂に浸かりながらゆっくりと話そう。」
こうして、俺らは七人で風呂に入ることになった。
俺たちは銭湯に到着し、服を脱ぎ始めた。
「うん? アーク師匠、どうしたんですか?」
フィルは不思議そうな顔で俺を見る。
そして、俺はフィルの下半身を見ていた。
(良かった、ちゃんと付いている。)
俺はフィルがちゃんと男であることに少し安心した。
「さて、今日の疲れを流すか。」
「そうだね。」
はぁ〜これでゆっくりと休める。
今日は本当に疲れた。
ラースとの戦いもそうだが、何よりも理事長のことや神魔会のことで考えることが多くて大変だった。
今日はもう、ゆっくりと休もう。
アークは扉を開けた。
その瞬間。
「あ〜そこそこ!」
「どうだ? 気持ちいいか?」
「あ〜こりゃあ〜いい〜わぁ。
なんか、新世界の扉が開きそうだ。」
「だろ? 気持ちよすぎて目覚めちまいそうだろ?」
俺は扉を開けた瞬間、視界にはカイトとロイドが映った。
カイトはうつ伏せに寝転がっていた。
そして、ロイドはカイトのおしりの上に乗っかって腰を動かしていた。
何度も何度も何度もだ。
「う〜ん...」
俺は一度落ち着いて、扉を閉めた。
「うん? アークどうした?」
「アーク師匠どうしたのですか?」
「アーク殿、どうした?」
うん、これはきっと何かの間違えだ。
そうに違いない、というか絶対に違う。
よし、もう一度開けよう。
俺はもう一度扉をスライドさせ、開けた。
「あっ俺、もうダメだ。」
「ほら、ここがいいんだろ?」
「やべぇ、そこは気持ちよすぎる!」
・・・ アークは考えるのをやめた。
そして、次の瞬間。
(ズドーン!)
俺は壁に頭を叩きつけた。
頭から真っ赤な液体が流れた。
「アーク?!」
「アークくん?!」
「アーク殿?!」
「アーク師匠?!」
「おい、何やってんだよ?!
アーク?!」
「どうしたのアーク?
変なものでも見たか?!
さすがに今のは驚いたぞ。」
その場にいる全員が驚いてた。
そして、何やってるんだコイツと思ったことだろう。
ちなみに俺も何をやってるのかいまいち理解してない。
というか理解もしたくない。
「いや〜足がすべちゃって...あはは。」
「いや、足が滑るとかじゃなかったよね。
完全に頭からいってたよね!
頭の方が滑ってたよね!」
タルトールがアークの誤魔化しにツッコミを入れた。
「いや、足が滑ったんだよ。
頭からじゃない。
俺の足が身勝手に行動しただけだよ。」
「それはそれで重症だろ!」
「とりあえず、俺は保健室に行ってくるよ。
治療が終わったら戻るよ。」
俺は痛い思いをしながら、保健室に向かった。
「アークの奴、何してんだよ。
まあ、とっと入ろぜ。」
ジンは銭湯の扉を開け、入ろうとした。
その瞬間。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛。」
「おら、お前も目覚めそうになるだろ。」
「これは腰に効くわぁ...」
この時、ジンの視界にはロイドが腰を曲げ、カイトはその腰を掴み、腰を動かしているように見えた。
「う〜ん...」
俺は黙って静かに扉を閉めた。
「ジン、どうした?」
「ジン殿、どうした?」
「ジンさん、どうしたのですか?」
「なんか、この流れ、さっき見たな。」
キラはこの後の展開が読めた。
(どういうことだよ!
まさか、さっきアークがおかしくなったのはこれが原因か?
いや、有り得ない。
カイトとロイドがあんなことをする訳がない。
あいつらは女に飢えた変態だぞ。
男に興味を持つわけがない!
そうだ、そうだよ。 何かの見間違えだ。)
ジンはもう一度、扉を開けた。
「あ〜最高。」
「このまま、やっちゃうぜ!」
「あ〜頼むぜぇ。」
「オラ、オラ、オラァ。」
・・・ ズドーン!
ジンは次の瞬間、壁に頭を叩きつけた。
「ジン?!」
「ジンくん?!」
「ジン殿?!」
「ジンさん?!」
「うん、こうなると思った。」
「いや〜足が折れちゃった。」
「いや、足じゃなくて頭でしょう!
頭のしん折れちゃったよ!」
再びツッコミをするタルトール。
「いや、やられたのは俺の左腕だ。」
「頭叩きつけて、頭おかしくなちゃってるよ!
ジンくんおかしくなっちゃってるよ。」
「とりあえず、俺も保健室で治療してくるよ。
終わったら戻るよ。」
ジンは保健室に向かった。
「あ〜終わった! 中々良かったわ。
うん? あれは...タルトール達じゃねぇか!
それにローズベルトとキラも居るじゃねぇか。」
ロイドはみんな呼んだ。
「おっみんなも入ろうぜ。」
カイトはみんなのところに行って手を引っ張った。
みんなで湯船に浸かった。
「いや〜疲れが取れるわぁ〜。」
「いい湯だね。」
「ところで、ジンとアークは?」
カイトはジンとアークがどこに居るか聞いてみた。
「あっさっきまで一緒にいたよ。」
「でも...」
「「でも?」」
カイトとロイドは聞き返した。
「あいつら、頭を壁に叩きつけて怪我して保健室に行ったぞ。」
「は? 何してるんだよあいつら。」
「バカかよ。」
「多分、あいつらはお前らだけには言われたくないと思ってるぞ。」
キルトはやれやれとした顔でそう言った。
「ちなみにさっき何をしてたの?」
キラは咄嗟にカイトとロイドに訊いた。
「マッサージだ!」
「マッサージ?」
5人は声を揃えて言った。
「ジンとローズベルトには隠しときたかったんだよ。」
「実は俺達、あの戦いで無理に身体強化を底上げしてたんだ。」
「そのせいで体があちこち痛いし、重いんだよ。」
「カイトとロイドも無理をしてたのか...」
「まあ、ジンやローズベルトに比べたら大したことないよ。」
「あぁ、こんなの全然大したことないぜ!」
カイトとロイドは笑いって受け流した。
「まあ、それで、昔、ジンのお父さんにしてもらったことがあったマッサージを試してみたんだ。」
「マッサージ?」
5人は首を傾げる。
「マッサージでどうこうなるもんなのか?」
「これがどうこうなっちゃうんですよねぇ...」
「ジンのお父さんは銃だけじゃなくて他のことも優れていたんだよ。
体術、医療、家事とか。」
「すごいな...ジンのお父さん。」
五人は感心したような顔をする。
「ジンのお父さんは優しくて、俺やカイトも家族のように大切にしてくれた。」
「そう、だから俺とロイドとジンは兄弟みたいなもんなんだよ。」
「俺とカイトにとってはジンの家が俺たちの居場所だった...」
この時、五人は違和感を感じていた。
カイトとロイドはいつもテンションが高く、楽しい感じで話していた。
だが、今のカイトとロイドからはそれが全く感じられない。
どちらかと言えば、悲しくて、寂しいような感じがした。
(バッン!)
銭湯の入口の方で大きな音がした。
誰かがかなりに強めに扉をスライドさせて開けたのだ。
「あっなんでおめぇらがいんだぁ...」
「ガラード!」
強めに扉をスライドさせ入ってきたのはガラードだった。
「お前も風呂か?」
「当たりめぇだろ!
汗流さねぇと気持ち悪いだろ!」
「何、当たり前なこと言ってんだ。」
「とりあえず、みんなで入ろうよ。
今日はみんな疲れてると思うし。」
「そうだな! みんなで疲れを取ろう!」
ロイドはカイトの意見に賛成した。
「よし、あっちの大浴場に入るぞ!」
「おう!」
「行くぞぉぉぉぉぉ!」
「ひゃっほー!」
カイトとロイドは大浴場に頭から突っ込んだ。
「僕たちも入りますか。」
「そうだな、移動しよう。」
タルトールたちも大浴場の方に移動し、湯船に浸かった。
カイトとロイドとは違ってちゃんと足からゆっくりと浸かった。
「俺は一人で露天風呂の方に入る。」
そう言って、露天風呂の方に向かって歩こうとした瞬間。
「まあまあ、露天風呂は最後でもいいだろう。
一緒に入るぞ、ガラードも!」
「だから、俺は1人で...」
「まあまあ、そんなこと言わずにみんなと入ろうや。」
「なっ! お前いつそこに!」
ガラードはキラが懐に入っていることに気づかなかった。
「いつって...今だけど。」
(こいつ、一瞬で懐に入ったのか。
気配の消し方が上手い。 俺が気づけないほどに。
ただ者じゃねぇな。)
「おら、行くぞ、ガラード。」
ガラードの手を引っ張ったのはカイトだ。
「お前も、いつの間に来たんだよォ!」
「いや、考え事してたから今なら簡単に捕まえれるかなぁ〜と思って。」
(こいつもこいつでとんでもねぇな。)
「ほら、行くぞ。」
カイトはキラとガラードを引っ張って走った。
「おめぇ、風呂場で走るんじゃねぇよ!
マナーぐらい守れや!」
「意外と真面目なことを言っている。」
カイトたちは湯船に浸かりながら、楽しく雑談をしたのであった。
◇◇◇
カイト達が楽しく湯船に浸かっている頃、アークは保健室で本日二度目の治療を受けていた。
「なんで、次は頭を怪我してるのよ。」
「すいません、何度も何度も。」
俺は心から申し訳ないと思いながら謝罪した。
「まあ、これが私の仕事だから別にいいんだけど、こう一日に何回も怪我されると困るし、心配しちゃうよ。」
「はい...返す言葉もありません。」
「よし、これで大丈夫っと!」
サナ先生は俺の頭の傷口に少し、大きめのばんそうこうを張った。
「治療魔法をかけているから30分も経てば完全に治っているよ。」
「ありがとうございます。」
「お大事にね。」
サナ先生は優しい顔でそう言った。
「失礼します。」
ガラガラという扉が開く音がした。
「ジン?!」
「よぉ〜アーク。」
俺は驚いた。
それもそうだ、ジンは俺と全く同じところ怪我していたのだから。
「ちょっと大丈夫?!
とりあえずそこ、座って!」
サナ先生は慌てて、椅子を持ってきて、ジンを座らせた。
「どうしたんだ、ジン?」
俺はとりあえず何があったか訊くことにした。
まあ、凡そ予想がつくけどな。
「まあ、見てはいけないものを見てしまって。」
うんうん、そういう顔してる。
多分、俺と全く同じものを見てる。
「アーク、お前も見たんだろ?」
「ウンウンミタミタ。」
「カイトとロイドがまさかあんな関係だったとは...」
「俺も思わなかったよ。
というか思いたくなかったよ。」
「あいつら、女にモテないからって、まさかそんなに思い詰めてたとは...」
「まあ、人の恋愛なんて、それぞれだよ。」
「そうだよな、あいつらが選んだ道なら俺たちが横から言うべきではないよな。」
「とりあえず、そっと見守ろう。」
「俺もあいつらが結ばれるようにサポートするよ。」
アークとジンはロイドとカイトの関係が別の意味で上手くいくように頑張ることを心に決めたのであった。
(なんか...話に全然ついていけない。)
サナ先生はジンとアークの会話の内容が全く理解出来なかった。
ジンの治療を済ませた後、結局ジンとアーク銭湯に戻ることにした。
カイトたちと再開して、なんとか誤解が解けたのであった。
2週間ぶりです。
最近、忙しくて中々投稿出来ませんでした。
2章は残り1話と番外編で終わります。