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僕たちの英雄伝説  作者: 鬼龍院 天音
1年生編 第二章
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実験の始まり

アークとレミとキラの三人は誰も居ない一年A組の教室に集合した。


「それじゃあ、行きましょう。」


レミがそう言うと俺とキラは教室を出て、実験室に向かった。


「俺が本を置いたら始めろ。」


レミとアークは頷いた。

キラはそれを確認し実験室の扉を開けた。


「また、君達か。 今日は休みのはずだぞ。」


そこには実験室の隅で魔法陣を書いているラース先生がいた。


「今日は昨日借りた本を返しに来ました。」


「そうか、じゃあそれを置いたら帰りなさい。 私はやることがあるのだから。」


ラース先生の発言を聞きキラは本を置いた。 よし、始めるか。


「ラース先生、トウヤ先生と僕達、生徒からのお願いがあります。」


ラース先生は魔法陣を書くのをやめて、アークの方に振り向いた。


「何のお願いだ?」


「僕達、一年生に授業をしてもらいたいです。さらにもう一つこれは理事長からの伝言です。」


理事長という言葉を聞いた瞬間、ラース先生の目の色が変わった。


「理事長はラース先生が生徒達に魔法陣の創り方を教えるように言ってました。」


さぁ、どうでる。


「分かった授業に出てやる。 じゃないと理事長にここを追い出されるからな。」


よし、トウヤ先生の言った通りだ。


◇◇◇


俺は昨日寝る前、トウヤ先生の部屋を訪ねた。


「どうしたアーク。」


「ラース先生ってトウヤ先生や他の先生の頼みって訊いたりします?」


「いきなりだな。 まあ、訊かないだろうな。ラース先生は理事長の言う事しか訊かない。」


「何故、理事長の言うことは訊くんですか?」


「ラース先生は理事長に逆らえない。

まず、ラース先生がどうしてずっと実験室に引き込もれるかと言うと、理事長に特別な許可を貰っているからだ。」


「特別な許可とは?」


「魔法陣の実験を自由にしていい代わりに時々、生徒達に魔法陣の創り方を教えること。

それが実験室を自由に使っていい許可らしい。

他にも理事長からの命令には従うという条件もあるらしい。

後、生徒の意見やお願いを出来る範囲で訊くようにすることとか。」


「なるほど、ラース先生は魔法陣の実験をずっとしていたいから理事長にそれをお願いしたのか。

そして、条件付きで許可を貰ったと。」


「まあ、だからラース先生は理事長に逆らうことが出来ない。 逆らえば実験室から追い出されるからな。」


「じゃあ、理事長のお願いなら何でも訊くと。」


「まあ、そういうことになるな。」


「ありがとうございます。」


「話はそれだけか?」


「はい!」


「じゃあ、明日は休みだ。 体をゆっくり休めろよ。」


「お気遣いありがとうございます。 それでは失礼しました。」


俺は踵を返してトウヤ先生の部屋を立ち去った。


「アークのやつ、何を企んでるんだ?」


◇◇◇


「それで、固有スキルを教えて欲しいです。授業に関係するので。」


俺は固有スキルのことを聞き出そうとした。


「はぁ〜仕方ない、嫌だと言ってもどうせ訊かないのだろ?

それに生徒のお願いを聞かなかったなど理事長にバレれば理事長に怒られるしな...教えてやるよ。

でも、先に言っとくが俺の固有スキルは授業に一切関係ないぞ。」


「それでもいいです。僕達はラース先生の固有スキルが知りたいのです。」


「じゃあ、教えてやるよ。 俺の固有スキルは気配を消すスキルだ。」


よし、作戦成功だ。 ここで攻める。


「ラース先生、何故、嘘をつくのですか?」


アークの発言にラース先生は驚いた。


「どういうことかね? 私は嘘などついていないぞ。」


「ラース先生、キラ君のスキルを知っていますか?」


アークの発言を訊いたラース先生は少し鋭い目付きになった。


「どんなスキルを持っているのかね?」


「キラ君の固有スキルは真眼。 真実を見る眼です。」


ラース先生の顔色が変わった。

まるで俺ら三人を敵として見ている顔だ。


「ラース先生、あなたの固有スキルは気配を消すスキルじゃない。 あなたのスキルは...」


俺はキラからラース先生の固有スキルを訊いた時驚いた。

ラース先生のスキルは気配を消すスキルでも瞬間移動をするスキルでもない。

そうラース先生の固有スキルは...


「モンスターを呼び寄せるスキル。 そして、モンスターを自分の体に取り込むスキル。

それがラース先生、あなたの固有スキルです。」


ラース先生は固有スキルを二つ持っている。

普通、固有スキルは一つしか持てないはず。

なのにラース先生は二つ持っていた。

それもおかしな点だが、何よりもスキルの内容だ。


ラース先生は険しい顔をしていた。

そして、その顔がどんどん狂気じみた笑顔に変わっていった。


「クックック、ハッハッハッハッハッハッハ!」


ラース先生は高々と笑った。 まるで開き直るかのようだ。


「ラース先生、あなたですよね。

モンスター襲撃事件の時、イーストシティに現れたSSランクモンスターのドラゴンを森に転移して、結界を貼ったバラムの仲間は!」


そう、ラース先生。

いや、ラースこそバラムの仲間であり学園の内通者だったのだ。


「正解だよ、アーク君。 実に素晴らしかったよ。 授業のことは全て嘘だったのか。」


「あんたは知らなかっただろう...理事長が不在なことを。」


「あぁ、全く知らなかったさ。」


ラースは入学式の時からいなかった。そして、トウヤ先生が1ヶ月も顔は見てないと言っていた。 つまりラースは今の学園の状況について何も知らないのだ。

俺らは最初、ラースのスキルが気配を消すスキルだと思っていた。 気配を消しながらなら簡単に学園の情報を引き出せるからな。 そして、教員全員が実験室にラースは引きこもっていると思うから疑うこともない。

要するに気配を消すスキルだと辻褄が合っていた。だけど、違った。 ラースのスキルはモンスターを呼び寄せるスキルとモンスターを取り込むスキルだった。 このことから一つの疑問が生まれた。


「お前の目的は何だ?内通者なら普通学園の情報を盗むだろ。 だけど、お前はそんなことをせずに実験に没頭していた。 何故だ?」


「簡単な話さ。私は入学してくる生徒を実験に使いたかったのさ。 この際だから、教えてあげるよ。 私は神魔会という組織に入っている。」


俺とレミはラースの言ったことに驚いた。


(やはり、何らかの組織が存在していたのか。)


(アークと私の予想通り、組織があった。)


「私は研究者だ。 魔法陣を創ることよりも、もっと好きなことがある。それはね...」


ラースは笑みを浮かべながら言った。


「モンスターを創り出すことさ。」


三人は鳥肌が立った。 狂気じみた笑顔が三人を震わせた。


「私が創ったモンスターの力を試す為に私は英雄学園の生徒達に戦わせ、実験したかった。 その為に私はこの学園に来た。」


そうか、ラースの目的は実験だったのか。

学園の潜入はあくまでおまけなのだ。


「その為だけにあなたは学園に来たというの?!」


レミがラースに問いかけた。


「その通りさ生徒達を使って私はモンスター達の力を確かめた。

そして、私は二人の少年と少女に興味を持った。そうそれが君達二人さ! レミ君、アーク君!」


俺とレミはそれを訊いて身構えた。


「二人は私の最高傑作のドラゴンと戦って勝利した。

そしてアーク君とレミ君の力は実に素晴らしかった。

学生とは思えない強さだった。私は二人にとても興味が湧いている。」


「全く嬉しくないな。」


「まあ、ドラゴンを失ったことは少々痛かった。あれは私の一番のお気に入りだったから。まあ、それももういい。

新しい、実験体が今から手に入るのだから。」


「俺とレミを実験体にしようってか?

そうはいかねぇぞ。」


アークの発言と同時に三人は戦闘態勢に入った。


「いや、実験体はレミ君だけさ。アーク君、君はボスの命令で殺せと言われている。 私は君を実験体として欲しかったのだけどね。」


こいつ、最初から俺を殺すつもりだったのか。


「残念だけど、レミ君だけを貰っていくよ。 そして、レミ君を実験体としてたくさん使ってあげるよあぁ、早くその美しい肌に触りたい。 そしてレミ君はどんな悲鳴を上げてくれるのかな? ゾクゾクしてきたよ。 あぁ、その美しい体を研究したい。」


「何だこの気持ち悪い変態は!」


キラが咄嗟にそう言った。


「流石に俺も今のは引いた。」


「アーク、私こいつを今すぐ殺したい。」


俺もレミもキラもこのイカれた研究者の変態発言にドン引きした。


「さて、もうそろそろ目的を果たすとしようか。

レミ君はいただき、君達、二人は僕のお気に入りで殺すとしよう。それじゃあ、移動しようか。」


ラースがそう言うと同時に実験室全体が光始めた。


「これはまさか。」


「転移魔法陣!」


まさか、さっき実験室の隅で書いていた魔法陣は転移魔法陣だったのか!

あれは書くのをやめたのではなく書ききったのだ。

この大きさ、何日も前から書いていた感じだ。

まさか、最初から俺達が攻めてくることに気づいていた。

完全に誘われていたんだ。


「それじゃあ、実験を始めよう。」

こんにちは天音です。

次回から戦闘が入るかも(多分)

やばい、書くことがない。

後書き何書こう?

これで行埋めよう。

では、次回の話で。

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