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僕たちの英雄伝説  作者: 鬼龍院 天音
1年生編 第二章
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決戦前の夜

俺は訓練が終わった後、いつもの待ち合わせ場所の教室に向かった。

教室に入るとそこにはレミが待っていた。


「いつも、速くないか?」


「別にそうでもないわ。

私は訓練が終わった後、すぐに来ているだけだから。」


「そうか。」


俺は訓練が終わった後、いつもカイトとロイドに絡まれるからな。

次からはレミより速く来るようにしよう。

毎回、待たせるのも良くないからな。


「お熱いところ失礼します。」


「来たかキラ。」


「さて、キラ君も来たことだし行きましょう。」


今日、俺たちが行くところは実験室だ。


◇◇◇


数日前、俺はトウヤ先生の部屋を訪ねた。


「どうした、アーク。」


「先生に一つ聞きたいことがあります。」


トウヤ先生はアークの顔を見て目を鋭くし真剣な顔をした。


「結構大事な話か?」


「まあ、大事と言ったら大事ですね。」


「言ってみろ。」


トウヤ先生はソファに座って俺に訊いた。


「ラース先生のことです。」


「あぁ、実験室にこもっている先生か。」


「あの先生がどんな人か分かりますか?」


俺がそう言うとトウヤ先生は少し困った顔をした。


「悪いな、俺もこの学園には最近来たばっかなんだ。

あまり詳しいことは知らない。

知っていることと言ったらもう1ヶ月ぐらいは顔を出してないことぐらいだ。」


1ヶ月も出てないのか。

実験室で一体何をしているんだ?


「そうですか。

じゃあ、どんな魔法を使うか分かりますか?」


「実際に見たことはないが魔法陣を創ることが得意らしい。

後、オリジナルの魔法をたくさん持っているとか言ってたな。

でも、どれも戦闘向きではないらしい。」


「固有スキルは持っていますか?」


「それは分からない。 まだ、訊いていないからな。」


「なるほど。ありがとうございます。 訊きたかったことはそれだけです。 失礼します。」


「夜遅くまで自主トレーニングするなよ。」


「知ってたんですね。」


「まあな、夜になるといつも訓練場に魔力の反応があるからな。 それじゃあ、自分の部屋に戻りな。」


「はい、失礼しました。」


俺は踵を返してトウヤ先生の部屋を出た。


ラース先生は謎が多いな。 もう少し情報が必要だ。


◇◇◇


実験室に向かっている間に俺はレミにキラのスキルを説明した。


「それで僕の真眼でラース先生のことを見て欲しいと。」


俺はキラとレミに数日前のトウヤ先生との会話の内容について教えた。


「そういうことだ。 俺とレミの予想では瞬間移動、または気配を消すスキルを持っていると考えている。」


「なるほどね。 じゃあ、とりあえず見てみるか。」


「頼む。」


「アーク、キラ君、着いたよ。」


俺達、3人は目的の実験室に到着した。


「開けるわよ。」


レミの言葉にアークとキラは頷いた。

開けていいという合図を確認してレミは実験室の扉を開けた。


「また、君達か。」


そこには予想通りラース先生がいた。 白衣を纏い魔法陣を書いていた。


「今度は何の用かね?」


ラースは問いかけた。俺はそれに応えようとした。

が。


「トウヤ先生から聞きました。 ラース先生は魔法陣を創るのが得意だと。

それで、まあ〜魔法陣について、そのなんというか...教えて欲しいと思いました!」


(話し方下手か!)


キラとレミの考えていることが一致した。

アークはここでもコミュ障を発動してしまったのだ。


(やべぇ〜やらかしたかも。)


アークは冷や汗をかきながら次はどうするべきか考えた。

だが、その必要は無かったようだ。


「悪いが私は今、忙しいのだ。

私の創る魔法陣について知りたかったらそこの山積みになっている本を一つ持っていきなさい。」


明らかに警戒している。

俺達の顔すら見ないようにしている。

というか視界に映らないようにしている。

そんなに俺たちに魔法陣を教えたくないのか?

それとも本当に実験に集中したいだけか?

だとしても明らかに俺たちを速く帰らせようとしている。


「分かりました。」


ラース先生の言ったことに応答したのはキラだった。

キラは俺とレミに指で丸の形を作り合図した。


もう分かったのか。 流石だな。


「アーク、キラ君、そこの本を一冊借りたら行きましょう。」


レミもキラの合図に気付き、踵を返して実験室を立ち去ろうとした。 三人は実験室を出た。


◇◇◇


明日から土日だから学園は休みだ。

三人は明日の予定について話した後、各自の部屋に戻った。


「明日の為にも今からトレーニングをするか。」


俺は部屋に戻った後、食事を済ませ訓練場に向かった。

訓練場にはいつも通りジンがいた。


「ジン、頼みがある。」


「どうしたアーク? そんなかしこまって。」


「俺に全力で攻撃をしてくれ。」


ジンはアークの唐突な。お願いに驚いた。


「いきなりどうした?」


「まあ、簡単に言ったらジンの銃の攻撃で俺を狙って欲しい。 固有スキルのホーミングも使っていい。

俺がそれを全部斬る。」


アークは剣を取り出した。


「そいつはお前の剣。」


「これは俺のお気に入りの剣だ。 龍剣みたいなすごい剣ではないけど、使い勝手はかなりいい。」


「ちょっと持たしてくれないか?」


ジンがそう言うと同時にアークはジンに剣を渡した。


「軽い。 普通の剣より剣身が少し長いな。

それにしても全く重さが感じない。」


「この剣の名は迅龍剣。名前の由来は知らない。

創った人が決めた名前だからな。」


ジンは俺に剣を返した。


「それで俺はお前に攻撃すればいいんだな。」


「俺からは攻撃をしない。 俺はただ、ジンの攻撃を斬るだけだ。」


「分かった。 要するにお前の修行に手伝えということだろ。」


「頼むぜ。」


「じゃあ、早速行くぞ。」


ジンは二丁拳銃を構える。


「手加減無しで頼む!」


アークは剣の柄を握った。


「行くぞ!」


「来い!」


◇◇◇


「マキ先生。」


「どうしたのレミちゃん?」


私はマキ先生を訓練の時に使っている方とは違うもう一つの訓練場に呼び出した。


「トレーニングに付き合って貰えますか?」


「いいけど、具体的に何をするの?」


マキ先生は首を傾げ訊いてきた。


「勝負して貰えますか。」


マキ先生はレミの発言に驚いた。


「私に勝負をお願いしてきた生徒は初めてだよ。

手加減してあげるから全力で来なさい。」


「お願いします。

それでは行きます。」


レミは地面を蹴ると同時に氷の剣を創り、マキ先生に飛びかかった。


マキ先生は腰に添えていた鞘に収まったままの刀の柄を握り構えた。


◇◇◇


トレーニングを終えた後、俺は風呂に入って、トウヤ先生の部屋を訪ねてからすぐに寝た。

明日、万全な状態にする為に。

そして夜が開けた。


俺はキラとレミと待ち合わせ場所である学園に向かった。

今日勝負をしかける。

全ての真相を暴いてみせる。

こんにちは天音です。

まず、一言。

サブタイトルが思いつかなかったから適当にしました。

許してください。

そして、最後に1つ。

秋アニメめっちゃ楽しみ

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