番外編
これはカイト率いる男軍団が女風呂に突入してそれが見つかり、レミによって氷漬けにされた後の話である。
「あいつらどうなったのだ。」
俺はカイト率いる男軍団がどうなったのか気になったが風呂に入り行こうとしなかった。
「というか、寒いな。
ここ銭湯だよな。
なんでこんなに寒いんだ。」
寒いし、先に入るか。
あいつらは無事だと言うことを祈ろう。
「おい、アーク。」
俺の名前を呼んだのはジンだった。
「ジン君、こんにちは。」
ジンは少し汗をかいていて、ダークブルー色の髪が少しくしゃくしゃになっていて何か体を動かした後のように見える。
「よお、ていうかここ寒くないか?」
「寒いから風呂に入ろう。」
俺が風呂に入るよう言ったその瞬間、人一人分の大きさの氷のクリスタルが複数飛んできた。
「おい、これって。」
「間違いなく、カイト君達だね。」
寒さの正体はこれだったのか。
男達が氷漬けにされていたことで寒くなっていたのだろう。
「これ、どうする?」
「とりあえずぶっ壊すか?」
「救出するっていうことね。」
「いや、ぶっ壊すけど?」
「え?」
「え?」
もしかして粉々砕くっていうこと?
えっ、死んじゃわない?
「まあ、とりあえずトウヤ先生に渡しとくか。」
「そうしよう。」
そして俺らはトウヤ先生に氷漬けになった男達を渡した後、ゆっくりお風呂に入り、疲れを取りました。
覗きをした男達はトウヤ先生にめちゃくちゃ怒られたとさ。
◇◇◇
レミとアークが共闘することを決めて、アークがレミの部屋を立ち去った後。
「アーク君、帰ったわね。
さて、片付けますか。」
レミはコーヒーカップとお菓子を入れていた皿を綺麗に洗った。
「さて、今日はシャワーだけでいいかな。」
レミはシャワールームに入った。
そしてシャワールームにある鏡で自分の姿を見つめた。
「ちょっと露出が多かったかな?
よく見ると結構恥ずかしいわね。」
レミはパジャマのワンピースとカーディガンを脱いでシャワーを浴びる。
アーク君、クッキー美味しそうに食べてくれて良かった。
もし口に合わなかったらとずっと心配してたけどほんと良かった。
レミはシャワーを済ませ、洗面台で体を拭いた。
レミは今日の会話の内容を振り返った。
(私を助けてくれてありがとう。)
「うーん、バカバカ!
私、なんであんなこと言ったんだろ。
あの状況で言ったら私、アーク君が好きみたいじゃない。
でも、感謝の気持ちを伝えただけだから別に大丈夫か。」
次の瞬間もう一つの言葉がレミの頭を過った。
(なら、私を守って。私の英雄さん。)
「ああああああああああ!
あれは完全にアウトでしょ!
ほんと今日の私はどうかしてたわ。
あんな恥ずかしいことを言ってしまった。」
(君の英雄さ!)
「でも、あんなこと言われたら私。」
レミはため息をついた。
「やっぱり私、アーク君のことが...」
レミは下着を取りに行こうとした。
その瞬間
「痛!」
レミは何もない場所で転んでしまった。
ダメだわ私。
今日はすごく疲れている。
早く寝よ。
◇◇◇
俺はレミさんとの話し合いを終わらせ銭湯に向かっていた。
「よお、アーク。」
「トウヤ先生も今からお風呂ですか?」
「そうだぜ。
せっかくだから話し合うか。」
今日はいろんなことがあるな。
カイト達に殺されそうになったり、レミさんに話し合いに誘われたりと。
俺とトウヤ先生は湯船に入る前に先に体を洗ってから湯船に入った。
「お前あの後、龍剣のことをバレてないよな?」
「はい、生徒にも情報屋にも話してません。」
「まあ、今のところ感づいているのはあの男四人組とレミだろうな。」
「レミさんに関しては気づいていると思いますよ。
でも、彼女は他の人に言いふらすような人ではないですから別に警戒する必要はないと思いますよ。」
「そうか、なら良かった。」
俺とトウヤ先生は少し黙り込み、天井を見上げてゆっくりと疲れを取った。
「なあ、アーク。」
「なんでしょう。」
「アルティメットドラゴンバスターって何だ?」
「俺の必殺技ですかね。」
「正直なこと言っていいか?」
「どうぞ。」
「なんか三歳児が考えそうな必殺技名だな。」
「え?そんなにダサいですか?」
「ああ、そして長い。」
「いや、でも漢字にするとかっこいいですよ。
究極龍破光線ですよ。」
「いや、長い。」
「そんなぁ〜俺の渾身の必殺技名なのに。」
「それにあんな長々と必殺技名言ってたらその間にやられないか?」
「確かに。
じゃあ、待ってくれたあのドラゴンは優しいということですね。」
「そうだな。」
俺とトウヤ先生はだらけた声で話した。
「とりあえず必殺技名ダサいからもっとまともな名前考えろ。」
「先生酷すぎでしょ!」
それ以来アークは必殺技名を叫ぶことはなかった。
番外編です!
天音のノリと勢いとちょっとだけ考えたストーリーです。