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僕たちの英雄伝説  作者: 鬼龍院 天音
1年生編 第一章
13/40

迫り来る戦い

「この先真っ直ぐ行ったらもう少しだよ。」


「あと少しで。」


「止まれお前ら!」


ガラードの声に反応し、ミラとユイは止まった。


「嘘、まだこんなに居たの!」


学校まであと少しというところで大量のモンスターが現れた。


「チッ、やるしかないか。」


戦闘体勢に入るミラ。


「お前は下がってろ、女!」


ガラードはミラに戦闘態勢をやめろと命じた。


「女って、貴方せめて名前で呼びなさいよ。まあ、別にいいけど。」


ガラードの言われた通りにするミラ。


「さて、楽しませてくれよ。」


ガラードはモンスターの群れに突っ込んだ。

その刹那、地面から四メートルぐらいの刃のように尖った岩が勢いよく無数に飛び出てきた。


ガラードは咄嗟に後ろに下がり、回避した。


大量に居たモンスターが尖った岩によって貫かれ全滅した。


「何、今の。」


三人は何が起きたのか理解出来なかった。

分かったことはただ、目の前に居たモンスターが一瞬でやられたことぐらいだ。


「君達、無事かい!」


「あなたは?」


「俺はキョウヤ。2年A組の担当の先生だ。」


モンスター達を一瞬で倒し、俺達を助けに来たのは2年A組のキョウヤ先生だった。


「大地の破壊者キョウヤか。」


ガラードはキョウヤを睨みつけ、呟いた。


「その言い方はやめてくれないか、物騒な名前で嫌いなんだ。それと、すまない。危うく君を巻き込むところだったよ。」


「へっ、別にあんなの簡単に避けれるわ!」


「あなた、誰にでも怒鳴り口調なのね。」


ミラは苦笑いしていた。


「とりあえず、無事で何よりだ。君たちは俺が学校まで連れていくよ。」


「ったく、お前ら教員はまともな判断が出来るやつは居ないのか?」


ガラードは呆れた声で言った。


「それはどういう事かね?」


ガラードの発言に疑問を持ったキョウヤ先生は発言の意味を訊いた。


「モンスターはまだ、大量に居るんだ。ここにはモンスターと戦える俺が居る。だが、他の奴らはそうはいかねぇだろ!

ほんとに全員を助けたいなら、今すぐ他の奴らを助けに行け! ったく、俺は今日だけでこの事を何回言わないといけないんだ!」


ガラードはトウヤ先生にも似たようなことを言っていた。

今日同じことを二回も言った。

それもトウヤ先生と同じ教員にだ。


「あーその事か。安心したまえ。そんなことをする必要はない。今、この森に居るのは私だけじゃない。」


「まさか、他の先生達も。」


ユイは期待と喜びの声で言った。


「その通りだ。

今、この森には1年と2年の担当先生だけでなく、他の先生方も居る。」


「じゃあ、これでみんな助かる!」


「いや、そうはいかねぇだろ。」


ミラの言ったことに対して、ガラードは否定した。


「あの、バカでかい魔力はまだ、消えてない。

あいつと戦っている奴は無事ではすまないだろ。

例え、あの廃人教師が行ったとしてもな。」


廃人教師はトウヤ先生のことだろう。


「レミさん...」


ユイは不安な顔をして、心配そうにした。


「大丈夫よ、ユイちゃん。レミはそう簡単に殺られないわ。

レミを信じましょ。」


ミラは少し震えていたユイの体をギュッと抱きしめ、頭を撫でた。


「あのバカでかい魔力のモンスターはトウヤに任せよう。

俺らは学校に向かうぞ!」


「はい!」


四人は学校に向かって走っていった。


◇◇◇


「お前ら、止まれ!」


ジンとローズベルトとカイトとロイドは負傷したレミを運び学校に向かって走っていた。


「どうした?ジン。」


ジンが止まれと言った理由を訊こうとするカイト。

だが、訊くまでも無かったようだ。


「これはたくさんいるね。」


森の奥から出てきたのは大量のモンスターだ。


「さっきよりは少ないな。」


「なら、さっさと倒そうぜ!」


カイトとロイドとローズベルトは戦闘態勢に入る。


その瞬間。


「はっ?」


三人は間の抜けた顔で驚いた。

それもそうだ、戦闘態勢に入った瞬間、目の前に居たモンスターの半分ぐらいが上空にぶっ飛ばされていたのだから。


「というか。」


「やばいな!」


「逃げろぉ!」


上空から落ちてくるモンスターから逃げる四人。


何とか回避すことに成功した。


「危なかったぁ。」


「全く誰だよ、こんな危ない倒し方する奴は。」


ロイドが呟いた後、モンスターの群れの中から人が飛んできた。


「やぁ、ごめんね。ちょっと強くやりすぎたわ。」


おちゃらけた感じで四人に向かってきたのは我らの担任のマキ先生だった。


「マキ先生!」


カイトとロイドは声を揃えって名前を呼んだ。


「みんな無事そうだね。」


安心して、笑顔になるマキ先生。


「先生、レミさんが負傷しています。すぐに運ばないといけません。」


「レミさん。無事で良かったわ。アーク君が間に合ったのね。」


アークという名前を聞いて驚く四人。


「先生、何故アークが戦っていることを知っているのですか。」


真っ先に質問したのはローズベルトだ。


「私達がレミさんの救助とガラード君の救助、どちらを優先するか考えている時、アーク君がレミさんの方に向かってものすごいスピードで走って行くのを見たのよ。

お陰で、ガラード君の救助に優先することが出来たよ。」


「ガラードも何かと戦っていたのか。」


「先生、ガラード君は無事なんですか?」


ガラード君の安否を確認するローズベルト。


「さっき、報告が入ったんだけど、ガラード君とミラちゃんとユイちゃんは2年A組のキョウヤ先生に救助してもらって、もう学園に到着したらしいよ。」


それを聞いて安心する三人。


「良かった。」


「ユイちゃんとミラちゃんも無事で何よりだよ。」


「そうだな。みんな無事で何よりだ。」


「とりあえず、会話はここまでだ。早く、レミさんを学校まで運ぶぞ。」


「おう!」


三人はジンの言葉に反応し、再び戦闘態勢に入る。


「みんなは戦わなくていいよ。私がやるから。」


マキ先生が四人の前に立ち、鞘に収めた状態の刀を構えた。


「先生、俺達も手伝いますよ!」


「いや、一瞬で終わるから大丈夫だよ。」


「えっ?」


その瞬間、マキ先生がモンスターの群れに突っ込んだ。


そして、鞘に収めたままの刀で残りのモンスター達をまとめてぶっ飛ばした。


モンスター達は十メートル先までぶっ飛ばされた。

木々はマキ先生が吹っ飛ばしたモンスターによって次々と倒れていった。


「すげぇ。」


間の抜けた顔で驚くカイト。


「あんな可愛い性格して、ぶっ飛んだ戦闘力だな。」


「イェーイ!」


200点満点の笑顔でピースをするマキ先生。


「くぅ〜!マキ先生強くて可愛い!」


「あんなクールな感じの先生が笑顔でピースするとか最高かよ!」


「ありがとうございます。先生!これで学校にすぐ行けます!」


「おい、バカ二人とっと行くぞ!」


モンスターを全部倒し道が空いた為すぐ学校に行けそうだ。


「じゃあ、先生が学校まで守るから止まらず走ってね!」


「了解!」


四人の男子生徒と一人の女教師は学校に向かって全力で走っていった。


◇◇◇


ドラゴンを倒したアークとトウヤ先生は学校に向かって走っていた。


「おい、アーク。」


「何ですか先生?」


「お前、あの龍剣をどこで手に入れた?あれは十英雄達の剣だぞ。お前みたいな学生が持っているような剣じゃないぞ。」


「あの剣は親の形見です。」


「ほう。親の形見か。お前の親は十英雄なのか?」


トウヤ先生は冗談程度でアークに聞いた。


「それは分かりません。

ただ、この剣が十英雄達の剣だということは知っています。

だから、もしかしたら親父と母さんは十英雄に関係しているのかもしれないですね。」


「そうか。これ以上聞かない。」


俺の気持ちを察して、トウヤ先生はあえてこれ以上聞かなかったのだろう。


「ありがとうございます。僕もこの話に関してはあまり好きではないので。」


「ただ、警告はしとくぞ。その剣は行方が分からなかったのだ。もし、軍のお偉いさん達に見つかったら間違いなく奪われるぞ。」


「それは嫌ですね。」


「親の形見なら、バレないように持っとけ。俺は今回のことを見なかったことにする。」


「なら、先生があのドラゴンを倒したことにしてくれませんか。」


アークの発言に目を見開くトウヤ先生だった。


「お前はそれでいいのか?

お前はみんなから褒め称えられなくていいのか?」


確かに褒め称えられたいという気持ちがないといえば嘘になるが、別にそんなものはいらない。

俺はレミさんを助けれただけで十分だ。


「僕は注目されるのが苦手なので。」


俺は苦笑いをした。


「そうか。」


「先生もうそろそろ学校に到着します。

この森に生徒は残ってませんか?」


「あぁ、空間魔法で森全体を確認したが、もう残っているのは俺達だけだ。」


「じゃあ、急いで戻りましょう。」


「そうだな。」


◇◇◇


マキ先生達は学校に到着した。


「マキちゃん!」


マキ先生を呼んだのは医療担当のサナ先生だ。


「五名連れて帰ってきたよ。サナ、一人重症だわ。

早く治療を。」


「わかったよ!誰かタンカーを持ってきて!」


医療班の生徒達がタンカーでレミさんを運んで行った。


「皆さんおかえりなさい。」


やって来たのはユイとミラだ。


「ユイちゃん、ミラちゃん。怪我とかない?」


「私達は大丈夫。レミは?一緒に来たみたいだけど。」


「レミさんなら今、運ばれたよ。かなりの重症だよ。」


ローズベルトからレミの状態を聞いたユイとミラはレミの方に向かって走り出した。


「レミ!」


タンカーで運ばれているレミ。

それを見たユイが嗚咽に似たような状態になる。


「レミさん、こんなにボロボロになって。」


ユイは涙を零し、レミの手をそっと握った。


「ユイちゃんありがとう。

そんな大した傷じゃないから安心して。」


レミはユイの手を握り返し、ユイに笑顔を向けた。


「全く、レミもとんだ無茶をしたね。」


「ミラ、心配をかけてごめんなさい。」


「いいのよ。レミが無事なら。」


ミラもレミの手をそっと握りしめた。


「ちゃんと怪我を治してもらったら、またお風呂に入ろ。」


「もちろん。」


「すいません、もう急ぎますので離れてください。」


一人の医療隊員がミラとユイに離れるよう言うと同時に歩くスピードをあげた。


「そっちに置いて。私が治します。」


サナ先生はレミさんの治療を始めた。


「結構大きな傷ね。でも、このぐらいなら二十分もあれば完全に治すことが出来るわ。」


サナ先生は回復魔法でレミの治療を始めた。


◇◇◇


俺とトウヤ先生は森にもう誰も居ないか確認して

今、学校に到着した。


「アーク!」


「アーク君!」


俺の名前を呼んだのはカイトとローズベルトだ。


「ただいま。」


「ちゃんと戻ってきたか。倒したんだろ?アーク。」


「あぁ、倒したさ。

でも、トウヤ先生がいなかったら勝機はなかったかな。」


もし、あそこでトウヤ先生が来てなかったら持久戦で俺の魔力が先に尽きていただろうな。

あのドラゴン再生すると同時に魔力も回復していたからな。

俺は減る一方だというのに。


「もう、あんなドラゴンとは戦いたくないかな。

しんどい。」


「アーク疲れてるなら肩を貸してやるから医療班のところに行くぞ。」


「すまないジン。助かるよ。」


俺はジンに肩を貸してもらい、学園まで向かおうとした。


そしてジンの肩に腕を乗せた瞬間。


「アーク?大丈夫か!」


俺は自分の想像していた以上に疲労が溜まっていたようだ。

ジンの肩に乗せた瞬間、自分の力が一気に抜け、溜まっていた疲労が俺の体を強制的に眠らせた。


「ジン、アークは寝ただけだよ。相当疲れていたようだね。」


カイトはアークの右腕を持ち上げ自分の肩に乗せた。


「カイト、お前はそっちを持ってやってくれ。」


「了解!」


笑顔と元気な声でカイトは了承した。


「トウヤ先生は大丈夫ですか?」


「大丈夫だ、ローズベルト。俺は疲れていない。

アークの方が戦っていたからあいつが疲れるのも仕方ない。」


アークのやつあれだけ膨大な魔力を使って疲れを一切見せていなかった。俺はただ、空間転移を使ってドラゴンとアークの距離を詰めただけだ。

ほんとに凄いやつだ。


「そうですか。でも、アーク君すごいな。あの禍々しいオーラを放っていた、とんでもなく強いドラゴンを倒しちゃうなんて。」


ローズベルトの言ったことを聞いてトウヤ先生はアークの頼みを思い出した。


「いや、アークはあのドラゴンを倒せなかった。」


「え?」


驚いた顔をするローズベルト。


「アークの必殺技は失敗してしまった。

そして、俺はあいつにこれ以上魔力を使わせてはいけないと思ったからそのあとは俺一人で戦った。」


「そうだったのですか。

じゃあ、トウヤ先生がドラゴンを倒したのですか?」


「そういうことだ。」


「流石、トウヤ先生! 凄いです。」


(これでいいんだよな、アーク。)


トウヤ先生はアークの使っていた剣が龍剣であることを世間にバレないようにする為にアークが倒したドラゴンをトウヤ先生が倒したことにした。


これはアークからのお願いだ。生徒のお願いなんだ。

それを叶えてやるのが教員の役目だ。


「二人も学園に戻るぞ。」


「了解!」


トウヤ先生はローズベルトとロイドを連れて学園に向かった。


◇◇◇


戦いが終わり、バラムは自分のアジトに戻っていた。


「ただいま戻りました。」


「やぁ、バラム君。おや?両腕がないね。

見た感じ、どうやら派手にやられてきたようだね。」


男は座っていたソファーから立ち上がった。


「申し訳ありません、強敵に出くわしました。」


「ほほぉ〜お前がやれる程の強敵か。」


「はい、あの男はとんでもない強さでした。今でもまだ、胸の高鳴りが止まりません。あんな戦い初めてでした。

あぁ、また戦いたい。 早く、彼と会えないかな。」


狂気の笑みを浮かべるバラム。バラムの体にガラードの戦いが刻まれた。その喜びがバラムの気持ちを昂らせる。


「おっと、これは失礼。取り乱してしまいました。」


バラムは冷静さを取り戻した。


「そういえば、トウヤ君に出会いましたよ。」


「ほほぉ〜トウヤが居たのか。そういえば、あいつは英雄学園の教員だったな。」


「トウヤ君も相当な強さでした。私の腕を斬り落としたのもトウヤ君です。」


それを聞いた男は笑いだした。


「ハッハッハ、バラム君、トウヤに腕を斬られたのか。それは仕方ない、あいつは強いからな。というかよく逃げ切ったね。まさか、強敵とはトウヤのことか?」


男は笑いながら、バラムに問いかけてきた。


「いえ、違います。私が言った強敵とはガラードという英雄学園の生徒です。」


「ほほぉ〜生徒か。お前を追い詰めたそのガラードという奴も中々の強さのようだな。」


「そして、逃げようとした私をトウヤ君が追いかけてきた感じですね。」


「なるほど。ほんとによく逃げきれたね。バラム君。」


「トウヤ君はほんとに強かったですよ。自分でもよく逃げきれたと思ってますよ。」


「まあ、トウヤは強い。なんせ、俺の弟なのだからな。」


そう、バラムが話していた相手はトウヤの実の兄

カリヤだ。


「カリヤ君、トウヤ君に会いたいですか?」


「トウヤと戦うのはまだ、早い。我々が英雄学園に攻めるのはもう少ししてからだ。今回はあのドラゴンの強さを知りたいというラースのお願いで攻めただけだ。」


「ラース様も可哀想ですね。せっかくのお気に入りの作品を殺されましたからね。」


バラムが様と付けるのにも理由がある。それはバラムはラースによって作られた人間の知能を持った、人間型のモンスターだからだ。


「今回の話はそれだよ。あのドラゴンを倒した男、アークという少年についてだ。」


カリヤはアークとドラゴンの戦いをずっと見ていたのだ。


「あの男、龍剣を持っていた。」


「なんだと!」


カリヤの発言に驚くバラム。それもそうだ、龍剣は神を殺した剣。通称神殺しの剣。それを一人の少年が持っているとなると驚くのも普通である。


「我々の神を殺した忌まわしき剣。あれを奪い取ることを最優先したい。」


カリヤは怒ったような顔をしていた。

まさに、今すぐにでもアークを殺したいという殺意の感情が溢れた顔だ。


「そっちも目的の一つだけどよ、あのレミという女の子を手に入れるのも忘れるなよ。」


一人の男がカリヤの部屋に現れた。


「おや、シンジ君。君が話に混ざるとは珍しいね。」


彼の名前をシンジ。

戦闘以外に姿を現すことがない男だ。

シンジは戦闘にしか興味を持たない戦闘狂なのだ。


「レミという女を仲間にしろとラースが言っていただろ。

龍剣を奪い取ることも大事だけどよ、まず俺達は仲間を集める必要があるだろ。ある程度人数が揃わないとボスは攻めたらダメと言っていただろ。俺は早く、あの学園に襲撃したい!強い奴と戦いたい!

特に龍剣を使っていたそのアークとか言う奴と!」


怒鳴り声で叫ぶシンジ。戦いたくて体がウズウズしているのだ。


「その気持ち分かりますよ。シンジ君...私も早く、ガラード君と戦いたい。」


再び狂気の笑みを浮かべるバラム。


「おぉ〜バラム!どうしたその腕!誰にやられたのだ?」


驚いた声でバラムの腕について聞くシンジ。


「これはカリヤ君の弟、トウヤ君にやられたのさ。」


「まじか、カリヤの弟か。それは相当強いだろうな。」


(戦いたい!)


「シンジ君。今、弟と戦いたいと思っただろ。」


「バレたか。」


シンジは笑みを浮かべる。


「それとラースがレミを仲間にしろと言っているのは人数を増やすためじゃないぞ。」


「じゃあ、なんだと言うのだ?」


疑問に思ったシンジはカリヤに聞いた。


「あいつのことだ。実験のサンプルとして欲しいんだろ。」


「確かにラース様の事ですし、そんなところでしょう。

あの人が仲間を欲しいと思う事なんて無いですから。」


「よく、考えたらそうだよな。あの野郎、ずっと実験室にこもってるだけで一切戦おうとしない。あいつ、戦いたいと思わないのか?」


「みんな君みたいな戦闘狂じゃないんだよ。」


カリヤは再びソファーに座った。


「とりあえず、バラム君の腕は時期に再生するだろう。

今の目的は龍剣を奪い取ることだ。

でも、今回の出来事で学園側は防御システムを上げてくるだろう。」


「じゃあ、今のうち攻めようぜ!」


シンジは目を輝かせカリヤを見つめた。


「今、攻めても学園の教員共に返り討ちに会うだけだ。」


シンジの目から光が抜け落ち、残念そうな顔をする。


「では、誰かを潜入させてみてはどうですか?」


「バラム君、正解だ。」


カリヤの発言に疑問を持ったバラム。


「正解とはどういうことですか?」


「今、学園には潜入者が居る。」


それを聞いた、バラムは驚いた。


「なんと、既に潜入者を送り込んでいたのですね。」


「あぁ、それも驚きの人物がな。」


カリヤは笑みを浮かべながら、楽しそうに話す。


「英雄学園を内部から壊していき、最後に全てを潰す。

これが我ら神魔会の作戦だ。」


彼らの組織名は神魔会。

神魔会は英雄をこの世から消し去ることを目的としたまだ、誰にも知られてない組織だ。


「広間に行くぞ。」


広間に向かう三人。

そこには千人以上の大量の仲間がいた。


「お前達、これから神魔会は英雄学園をぶっ潰す。」


カリヤの一言に反応し、拳を上げ、同士達は叫んだ。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


「さぁ、始めようか。戦争を!」

最近また、学校が忙しかったり、アニメ見たり、ラノベを読んだり、していたら小説を書く時間が中々取れませんでした。

もはや予定を破る常習犯になってます。

今回の話で第1章を終わらせようと思ったのですが、

なんか長くなりそうだったので

やっぱ2話か3話に分けようかと思います。

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