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異世界をかける銃剣士  作者: 結城シュン
第一話 アリーティス
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1.5 - 言えぬ身元

 二人は食堂で座って、もうお金がないから注文してない。

 「よく見ろ、ナナニアさん。何をしたんは覚えますか。」

 罰金額を覗き見すると、数字五の後ろにはゼロが六個並んでアリーティスで立派なマンションが買える。残念なことに彼らは一週間でこの額を払わねばならない。

 「何よ!だってつまらなすぎだったよ!早く終わらせたら良いんじゃない?」

 「それは終わりすぎだろう?!!スライムと草原を全部滅ぼしたし、側の森もほとんど無くなっちゃったし、他の魔法が使えなかったか?!」

 「ないです。」

 いきなり真剣で話して、空気が一時の沈黙に(おちい)る。

 「……えっ、マジ?」

 「はい。あたしが学んだのは古い魔術師ライム先生の黒炎、終焉の竜に守れた消せず焔、世界を終わらせる力がある最強の魔法。ライム先生は終焉の竜を倒したりしてこの力をもらったが、この力で世界を守る約束をした。約束を破る者は魂が焔に喰われて、力が終焉の竜に戻る。」

 「へー、そうなんだ。じゃなぜナナニアさんは冒険者にしないの?強すぎるのに。」

 「……秘密。」

 ナナニアは首を垂れて何かを隠してるらしい。

 「言いたくないなら言わなくてもいいよ。ナナニアさんが責任を全て取ると不公平だ。だから一緒に解こう!」

 拳を差したその笑顔は彼女の心に響いて、まるで久しく知り合った親友のようだった。

 「どうした?他の悩み事があるんだか。」

 彼女は頭を横に振ってわざと笑顔をして、その心はまだ結び目が解かれるのを待ってる。その物語は竜太がまだアリーティスに来てなくて、ヴォクス王国で大変な事が起きたあの日から始まった………


 「お姫様、お時間になりました。フロイトさんは応接室で待っています。もし行かないならわたしが困りますよ。」

 メイドは門を叩いて、部屋にいるナナニアはベッドに横になって本を読んでいてメイドの話を無視する。

 「はぁ、また来るんか…面倒くさいやつ…」

 本を閉じてベッドサイドテーブルに置いて天井を見つめて、後はずっとベッドでゴロゴロしてる。その間にあのフロイトの人は応接室でお茶を飲んでナナニアを待ってる。王様が招待をしてる時にさっきのメイドは謝罪をしてくる。

 「申し訳ございません。お姫様は体調が少し良くないので今日応接ができません。」

 フロイトはカップを唇に寄せてちびり飲んで、失望がないようにカップを皿に置く。

 「そうですか。残念だけどまた会ってきましょう。ご招待ありがとうございます。」

 「娘の事は本当に申し訳ございませんな。せっかく来てくれて、ご飯を召し上がってはいかがですか。」

 「今日はちょっとですね。今度お姫様が会える時にいただきます。それでは。」

 フロイトは礼を言ってハットを被って離れた。メイドはフロイトを送るので応接室に王様だけ残って、ため息をついてクッキーを一つ口に入れる。

 「ニーアちゃんが何を考えてるのかぜんぜんわからないなぁ………」


 時間が限られてるため竜太とナナニアはできるだけ早くたくさんお金を集めないといけないので商議ができて危ないクエストを選ぶことに決めた。今二人とも目的地へ進んでいる。

 竜車がガタガタに乾燥地を駆けて砂ぼこりを立たせて、土地が凄く荒れて普段の植物とか動物とか厳しい環境で生きられない。だから谷へ行く唯一の方法は竜車に乗るしかない。

 「のど、渇く?」

 ナナニアは外の景色を見てる竜太を訪ねて水筒を手渡す。

 「ああ、助かる。」

 彼は水筒を取ってごくごく飲んでいて、涼しいお水は甘露のようにのどをしっとりさせる。二人を選んだクエストは血河谷(ちかだにの騒動を調べて、入るなら戻れない噂を言ってるから誰も行きたくない。その原因のため、報酬は意外に高い。

 血河谷、数えられぬ亡霊の墓、昔鉱坑(こうこう)があって岩の涙という珍しい結晶が奥に眠っていて、みんなが掘っていったのが巻き起こった。しかしいつの間にかこの谷は残酷な獣に引きつけられて掘ってくる人々が常に襲われて獣と戦う戦場になった。

 「もうすぐだぞ。」

 馭者は前を指し、遠いところの高い山の真ん中に狭い割れ目が見えたって、あれは谷を通る入り口である。今回戦闘がある可能性は高いし竜太はしばらく戦闘ができないと考えるため、もし何かが起きたり強い敵が会ったら彼を先に逃げさせる。

 「はい、着いたぞ。骨喰狼(こつしょくろうを気をつけて。」

 「骨喰狼?何ですか。」

 「骨喰狼は血河谷を奪ったあの怪物たち、普通の狼よりもっと攻撃的で、狙われたら最悪だ。」

 「ハハァ!そうだな。話はさてここまで、二人とも頑張るぞ!また会えるなら。」

 竜車が帰る道を駆けて見送り、任務をやるしかないということで二人は山の割れ目から入る。日光が届かない洞窟は涼しいけど、風の流れより鳴ってる音はちょっとうるさすぎる。岩の壁は長時間砂ぼこりに磨かれてかさかさになっちゃって、いつぶりに人が来なかったかわからない。

 いちばん奥に着いたらそっちは行き止まりだった。

 「むむむ…行き詰まるんか…」

 「ナナニアさん、ちょっと松明を貸して。」

 竜太は松明を床に置いて、火の揺れる方向によって明るくない穴を見つけた。

 「そっちだ。それは谷へ行ける道はずだ。」

 「おお、なかなかいいね。まさかお前は役に立つだな。」

 「失礼だよ!ゲームの知識はまた忘れないだぞ。」

 「ん?…ゲームって何?」

 ナナニアは別の世界の人の事を全く忘れちゃってどっちから解説するんはわからなくてすぐ話を切り替える。

 「ああぁ、血河谷は一体どんなようかな~?きっとめちゃくちゃ怖い所だな~~~あはは~~~」

 喋りながら先に穴に()い込んで、竜太の事を知りたいナナニアは顔に失望の色が浮かんで彼のあとからついていく。

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