1.1 - 新しい旅へ
暗い廊下に冷たい空気が流れ、壁に点ける松明の火はふらふら踊るみたいに揺れ、ただ光は弱すぎて廊下の端はまだ暮れて、黒い霧に隠されるらしい。
エリナは回想を終えて一度ため息をついて歩き続ける。金属の靴の足音は狭い廊下に反響するし、その長い髪は風になびいて揺れ動いて歩く姿も美しくて強気な感じがする。
廊下を通ったら扉が開いてすごい広い殿堂に着いた。赤いカーペットの端まで伸びる玉座に座ってる者は世界を闇に飲み込む野望を抱く魔王であり、エリナは今やつの前に片膝ついて報告する。
「モヴィティオ様、偵察任務は完了しました。今報告します。」
「言え。」
「今回の偵察は永霜谷の吹雪き魔法を止める方法を見つけました。氷の国へ向かう道にルーン文字が隠れていて、合計三つあります。あれらは吹雪きを繰り返す魔法呪文です。一番目は山道にある三角形の岩の後ろに隠れて、そして吹雪きの区域に入って森があって、その中の唯一の着は強い風に揺られず。その木の幹に二番目のルーン文字があります。しかし最高の一つはまだ見つかりません。おそらく最も強い吹雪きの区域に隠されるかもしれません。」
「つまりまだ終了しなかったな…よくそんなこと言ったんだ、エリナ。」
魔王の指をちょっと振ってエリナが呼吸を辛くさせる。
「ぐっ…!もう…しわけ……ぐう……!」
「吾を騙す結果は死により千倍辛い痛さが受けて、ただお前がそんなに簡単に死なせない。ずっと無限の苦痛に生きさせて、永遠に吾の奴隷にする。」
魔王は指を横に振ってエリナの身体は急に千本の針に貫かれたみたいで苦しくて唾も出ちゃった。
「ゆ…ゆるして…ください……!」
指パッチンをしたらエリナは気分が少しよくなった。死にそうなエリナを見て魔王は二回拍手して影に隠れる部屋にいる黒いローブの人を呼び寄せる。その人は小さくてきれいな箱を持って彼女に見せる。
「これはお前が欲しいものだろう?吾の血が入った魔力の薬、飲んだら無限の力がもらえるし、お前の呪いもしばらく落ち着ける。代価は永遠に吾に忠実である。もしお前は何が嘘や裏切りをするなら……わかってる?」
「はぁ…わ…わかりました。モヴィティオ様の話を覚えます。」
エリナは箱を開いて奥にある薬を半分入れただけ、前回より明らかに少なくなったけれど、せめて一時落ち着ける。贈り物をもらったらエリナは魔王に礼を言って下がる。その姿が廊下に消えるまで、魔王は懐中時計を取り出して見る。分針が十二のところに届く間にエリナは突然呼吸困難になって、心拍が異常に速くなり心臓は痛む。
「まずい…!呪いが……!」
エリナはすぐ薬を飲んで痛みは一瞬で消えた。彼女は座って少し休んで瓶に映る自分の顔を見つめて、戦闘の場面を思い出して涙に沈む。
転生の契約を受けた竜太はカラスに契約書を戻して、確認したらスーツに入れる。
「浅野竜太、あなたとの契約は達成しました。約束の通りあなたの欲しい能力を教えて。」
「本当になんでもいいの?」
「はい、言おう。」
「オレは魔法剣士…いや、銃使いも悪くない…」
「銃剣士はどう………?」
「ああ!いいじゃん!じゃあお願いします!」
提案を受けた竜太はカラスに能力をもらった。しかも傷が治って血で染めたTシャツもきれいになった。それから新世界へ移らせるためカラスは竜太がいるところに転送用の魔法陣を作って、眩しい光は彼を囲んで目的地へ転送する。
「ようこそ、アリーティス。」
真っ白い光が次第に浅くなって知らない森に来た。
見回したら素敵な樹林が見えたり小鳥の歌が聞こえたり、そのうえ今いるところには広いこもれびがあるし、なんて暖かくて静かな場所だ。
「ここは……」
深く考えてる時一本の矢が頬をかすめて通って後ろの木に当たった。待ち伏せにビックリした竜太はしりもちをついて三人のゴブリンは前方の木に出た。その中の一人は弓を構えて竜太を狙ってる。
「よお見て、人間じゃん!道に迷ったかい?」
「ゴブリン…!?お前ら来るな!」
竜太は恐ろしいので側に木の枝を拾って横に振って下がらせたいけれどゴブリンはぜんぜん恐くなくて彼を嗤っている。
「ほーう、その枝だけ勝ってほしいの?キャハハハハハ-!」
剣を持ってるゴブリンは剣を上げて振るけどすごい鈍いので木の枝に止められた。竜太はその剣を押しのけてすぐ立ち上がって構え、戦闘に立ち向かって前世でゲームから習ったムーブを出して殴る。しかしこの瞬間自分はもう狙われたって矢が飛んできててすぐ横に避けたら先に弓使いのゴブリンを殴って倒させた。残る一人は斧を両手で握って竜太の後ろに飛び上がった。竜太はその影を見て回転蹴りをして低木にぶっ飛ばさせた。
「ギャー!お前は何の化け物だ?!!逃げろみんな!!!」
ゴブリン三人は知らない方向へ逃げてしまってついに一息入れられる。先の闘いを思い出して身体には謎の力が注ぎ込まれたと思って、普段は絶対できなかった。
でもゴブリンの言う通りで今は確かに道に迷ったのでどっちへ行くかはわからない。
「こっちだよ。」
柔らかな声が耳に巡って、少女の声があり、竜太は見回したら狭い低木の間に一匹の小さな生き物と目が合った。全身には浅い青の毛が生やすし、頭の上に伸びる長い耳がピクピクしてるし、ふわふわの尻尾は振り子みたいに揺れる。だがいちばん注目したいところはその額に生える赤い宝石は日光に映って輝いてる。
話すつもりのその生き物が立ち上がって行って、竜太はすぐ後ろを追う。あの子はたまに止まって竜太に待ってぬーんと叫んで、彼を導いてあげて森に出したいらしい。そのまま追って明るい道を見つけてついに森に出せて、あの子はそこまで消えた。
「ありがとう。誰のが知ってないけれど。」
森の奥の方向に手を振って礼を言ったら砂の道なりに進む。