日本のオタク文化を嗜む、とある外国の方たちのお話
クール・ジャパンだなんだと、日本のコンテンツ産業を海外輸出しようと言う動きがあります。
残念なことにあまり上手くいっていないという噂も聞きますが、やはり官がこういう文化畑に出張ってくると、どうにも検討ハズレな施策を敷きがちという例に漏れないのかもしれません。
残念だなぁと思っていたところ
「いや、そうでもないぞ」
という情報を耳にしました。
このお話は中国の方の例でしたが、情報統制が厳しい中国においては中国版のゲーム、小説、アニメを見ることはとても難しいそうで、日本製の作品に触れるために日本語を勉強して鑑賞するのだとか。
小説家になろうの作品も日本語で読まれ、その上で日本人読者のように感想や批評をしてるそうです。
この話を聞いて、中国半端ないなと思いました。
自分にはそんな熱意ないな、とも。
ただ、こんな風に熱を込められるのにも理由があるようで、日本製の作品に興味を持つ層が、中国における高学歴層の大学生あたりだというお話でした。
日本の大学とは違い、中国で大学まで学業を続けられるのは学業エリートのみだそうで、その頭脳でもって最大限の努力をして、日本語の習得にいたるようです。
そこまで学業に撃ち込める環境を準備できるご家庭は、当然のように裕福だという背景もあるようです。
努力のしたかを知ってるエリートは強い。
思えば、洋楽や海外ドラマにどっぷり浸かった友人のうち、ごく希に日常会話くらいなら英語でこなせる人もいたなと。
なんでそこまで?! って聞いたら、愛ゆえに という回答が返ってきて爆笑したのもいい思い出です。
確かに、海外アーティストのライブに行ってインターバルのトークが理解できたらもっと楽しいだろうなってのは常々思うとこです。
中国の方が日本の作品に触れて起こる、面白いというかある種当然の反応についても興味深かったのでご紹介させてください。
学業に邁進し、大学生活の余暇活動で日本のオタク文化に出会う彼ら・彼女らに待ち受けているのは高2病の発症だそうです。
高2病と書いてしまうとあれですが、物語のテンプレートに違和感を覚えたり、ご都合主義満載の展開に憤ったり、それについて語ったり。
なんだか身に覚え、ありませんか?
短くない期間それを患って、テンプレートなりの良さや、ご都合主義に目くじらを立てない寛容さを手に入れて、より多くの作品を楽しめるようになったりするものの事です。
ですが、彼ら・彼女らは既に大学生。
年齢の分だけ成長している精神で、あっという間に症状を治めてしまうというのだから驚き。
罹患期間は2ヶ月くらいだそうです。
すごく回復早いですよね。
理解力が高いがゆえに、気づくのも早いのでしょうか?
そんな成長過程まで踏襲して、日本文化の一端を熱く楽しんでくれてると思うと、なんだか親近感わきませんか?
大好きな他国の文化を、その国の言葉で楽しめるというのは、とっても大事なことですよね。
自分はそこまで頑張れないので、尊敬の念を込めての紹介でした。