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庭野 正

とある日の放課後 また屋上に呼び出された。

十中八九 告白されるのだろう。


「こんなところに呼び出して何かようかな?」

知ってる 告白だろ? 告白するんでしょう今から俺に。申し訳ないけど俺は断るつもりでここにきているからね。


「私と、付き合わない?」

「あなたと私は気が合うと思う」

なんだこの女は……どうして上から目線なんだ?

褒められた容姿とは思えないけどな。


「えっ?ふざけているのかな?」

それとなく優しく尋ねてみる。彼女にも何か意図があるのかもしれない。ここで、俺をわざと怒らせようとしているとか……


「ふざけてるつもりはないよ」

「あなたは私と付き合ったほうがいい。他の女子と付き合うよりもあなたのためになると思うよ」


「ごめん ありがたいけど君とは付き合えないな」

冷静に、きっぱりと断った。俺は、こんなことくらいで怒るほど単純な男ではない。


「人を信用できないから?だから告白されても誰とも付き合おうとしないんでしょ?」


「…………」

「人を信用できない……そうかもね」

どこでそう気付かれたのか。今まで人にそんな風に言われることはなかった。


「そう、あなたは誰のことも信用していない」

「あなたの目を見ていたら分かる」


「ちょっと待った、確認したいことがある。君は、俺のことが本当に好きなのか?」

「今までの誰の告白よりも君のは熱意がこもっていないように感じるが」

どうしてだろう、まだ少ししか話していないのに何だか親近感を感じる。人を信じていない冷たそうな雰囲気俺に似ている。


「好き……好きか?っていわれるとそこまで好きではないかも。ただ波長が合いそうな気がするってだけで、好きならこんなに冷静には話せない」


「はっははははははっ……はっはははっ」

思わず笑ってしまった。大きな大きな声で。

ずっと出会いたかった人に会えたような気がした。

この人もまた俺のことをすぐに、裏切るかもしれないけど


「いいね、君のような人は楽そうでいい」

「いいよ、付き合ってるふりをしよう。俺は、君を裏切らない 君だけを見続けるなんて言う安っぽい約束はできないがそれでもいいか?」


「大丈夫、私も約束できないから」

そんな言葉で返してくる彼女に安心感をもらった。

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