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なんでチートが無いんだ!なんてケチな神だ!

やっぱはじめは書いていて楽しいなー

2


異世界転生も悪くない。

そんなことを思っていたこともありました。

閻魔様がふぁんたじーな世界だぜと言っていた通り、イメージ通りのテンプレファンタジーだった。

魔物に魔法、スキルに職業が神様からの祝福で決まるイかれたシステム。

職業選択に自由がないとかおかしいだろ!

だいたい3歳から5歳の間に行われる真器の儀という神様から職業を与えられる儀式で俺は戦士という職業を与えられた。


農家、戦士、狩人、魔法使い、神官、技術者というたった6つしか職業はない。

王族も貴族もどれか一つを持って生まれて貴族のくせに農家の職業を与えられることもある。

だがここは権力者というべきか、教会の秘術とやらを使えばやり直しができるらしく実質的に農家の貴族はいない。

秘術と言う割には1村人に生まれた俺でも知っているし、そもそも神様が与えた職業なのにやり直しがきくってどういうことだよと思う訳だが、そこはご都合主義とか言う奴だろう。

転生したなら魔法を使って見たかったがあいにく俺にはご都合主義は働かなかったみたいで魔法が使えなく農家の次に多い凡職"戦士"になった。


魔物が普通にいて魔王とか言うなんかやばそうな存在が暴れている世界で農家とかどうすればいいのかと絶望しなければいけないかもしれないが神様とやらはそこまで鬼畜ではないらしく、職業解放というシステムも導入している。


例えば、話題にした農家だが経験を積み条件を満たすことで分岐する職業に転職が可能だ。

魚を取り続ければ漁師。

悪意を持って物を奪えば盗賊。

人を殺せば暗殺者。

と言った具合だ。

一般的には知らされていないのでわからないが職業解放は何段階もあり農家から竜騎士になったツワモノの伝説があるほどだ。


これは親が言語を教えるために聞かせてくれた本の物語だが。


俺を生んだ両親、生んだというよりもう生まれる前から生まれていたが。

えー、この世界での産みの親である、父セバスと母カルナは人間種の騎士だ。

戦士職の職業解放で騎士になっただけで誰かに従えているわけではないようでとてもややこしい。

生まれて初めて父の名前がセバスだとわかったとき執事かテメエはと突っ込かけたものの、贅肉を蓄えた無線ヒゲのおっさんだったので何も言わずに口を閉じた。


人間種とか人間でいいじゃないかと思うかもしれないが、閻魔様が言ってた通りやっぱり"ふぁんたじー"な世界なので、エルフとかドワーフとかが存在する。

するらしい。

大陸の端っこ側、海の近くの村なのでエルフもドワーフも見たことないし、そもそも村人以外の人間をあまり見ない。

俺の両親は実は最強の騎士で隠居していたとか、聖剣を守るために生まれた村だとか、同い年の可愛い女の子がいるとか、閻魔様がやっぱりチートをくれてたとかそんなことはなかった。


ただの田舎のただただ普通の両親の元に生まれたチートを持たない凡職を授かったただちょっとだけ違う知識を持った一人の少年。

手押しポンプでTUEEEしてやると思った3歳。

特に珍しくもない魔法職が持っている生活魔法というスキルで大量の水が出せる件で打ち砕かれた4歳。


だったらマヨネーズだこら。

と希望を抱いた6歳。

翌日、クミクミというマヨネーズに超似た調味料を知り絶望した。



そして医療知識チートがあるやんけ!と懲りずに調子に乗った10歳。

だが、神官の回復魔法が消毒も応急処置もせずに凄い力でなんとかなってしまうことを思い出し、俺は普通の少年になった。


料理が出来るわけでもないし、異世界転生のために準備をしていたわけでもない俺に思いついたネタはすぐきれた。

料理はレトルトもしくは外食。

カップ麺にお湯を入れて3分経てば食えるのを知っているがそれが何に役に立つのか。


考えるだけ無駄。

ジジイとババアと老いぼれとおっさんばっかりのこの辺境にある寂れた村に希望はなかった。

将棋もチェスも完敗。

魔法がこもっていて指示すれば動くチェス的なものがあり、全然こっちの方が面白かった。

同世代の子供がいない。ライバルも、幼馴染もいない。



魔物という危機に常に晒され村人でしかも子供の頃から戦いをさせられてきた俺はいつからか戦うことに、いや、圧倒的な雑魚を蹴散らすことに楽しさを見出していた。

この世界にはレベルやステータスと言った親切なものはなかったがそれぞれの職業には熟練値が存在し努力すればするだけ強くなる、そんな効果があった。

熟練値がmaxになれば職業解放で転職出来るし、さらに強くなれる。

戦士に生まれたからといって剣が自然と使えるようになるわけではないから修練は欠かせない。



凡職"戦士"を授かってから両親とともに狩をし、村では畑を耕し、夜は本を読み、また朝早くに狩にでての繰り返し。


大人の精神を持った転生者でありながらあまりのこき使いっぷりに児童虐待ではないのかと嘆いたほどにハードスケジュール。

空き時間に実践という形で木刀の打ち合いをしてくれる父。

その父だが、デブのくせに職業補正でなかなか動きが早く負けず嫌いで、不意を突かれるとマジで勝ちに来てなかなか大人気ない。

前世も入れたら同い年くらいなのでこんな奴がいると思うと恥ずかしい。


ーーーお前が言うな、という言葉が聞こえた気もしたが気のせいだろう




本当に異世界転生も楽じゃない、そう思った。




小ネタ。

番外編





主人公「今回の題名は!"なんでチートが無いんだ!なんてケチな神だ!"でーす」

神「は?」

主人公「なんか文句あります?」

神「貴様がチートはいらないと言ったんだろうが!」


主人公「と言いつつもくれるのが普通じゃん」

神「貴様、覚えておけよ。死んだら地獄行きだからな」

主人公「すみません、冗談です。許してください」

神「ふむ、そのくらい分かっておるわ」

主人公「おお、なんと寛大なお方よ!」

神「え?許すとか言ってない。地獄行きだけど」

主人公「……」

神「……」

主人公「いやぁぁぁぁぁあ!」




嘘です、ちゃんと続きます。

このネタは書くかわかりませんが。

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