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神は言った。貴様は地g……転生しろと


もう一つが書けなくなったので息抜きに書きます。

1



死んだ。

そう思えたのは、死んでからしばらくしてからだった。

意識を取り戻してから最初に見たのは"白"だった。


純白、壮大な白。

勘違いするな、パンツのことを言っているのではないぞ。


鏡のように輝く大理石の床に『まるで人がゴミのようだ!』と言いたくなるほどの巨大なな神殿。

そして白く霞みがかった空。

白、白、白。

真っ白な空間だ。


300m先くらい先にあるその神殿なら自分がいる場所まで人の列がある。

300……いや298m先まである列に今並んでいるところだ。

人の列と言って見たが正確には人だけではない。

鼠、牛、虎、た……狸、えーと人間と言った感じで動物達も並んでいる。

動物と言った言い方で人間と分けるのは人間が自らがもっとも優れていると言う傲慢さのような気もするが、この列は僕たち動物が……という言い方もなんか違う気がする。


そして、人間のみに、三角の頭巾に白装束という夏に出るアレみたいな姿にされている。


アレとは幽霊のことだ、勘違いするな。



あー、ってことは死んだんだな。

ここでそう思えた。

子供の頃に見ていた昔話のアニメで死んだ人間がこんな格好をしていて閻魔様が地獄行きとか天国とか仕分け作業をするシーン。

アレだ。

俺が生きていた頃は残業5時間でブラックめ、死ね、とか思っていたものだが、閻魔様が休憩しているイメージとか無いし永遠に天国行きとか地獄行きとか仕分けしていると思うと頭が上がらない。

偉大なる先輩、いや、残業の神様……!!


尊敬できるのはいいが残業していると色々面倒になってくる時があったから閻魔様も面倒いから『お前から100人目まで地獄行きな』とか言われるかもしれない。うわ、嫌だ!

血の池とか剣山とか嫌だぁ!

同じ赤いやつならトマト風呂とか同じチクチクしているなら針ツボマッサージがいい!



離れていた時は閻魔様がいて嘘ついたやつの舌を引っこ抜いているのかと思ったが近づいてみれば巨大な椅子が鎮座しているだけで本人がいない。

色々と不安に思いながら並んでいるといよいよ自分の番が迫ってきた。

迫って来たからか、審判のやりとりが聞こえてくる。


【次の者、前へ】

「は、はい」

【羽島悠次郎 享年68歳。20歳までに10万円相当を万引き、32・33・41歳の時電車内での痴漢行為、42歳でホームレスに暴行、50歳で友人の財布から3万円の盗み、61歳でバス内で痴漢。で間違いないな】


え?罪状読み上げられんのかよ!うわ。

痴漢、って言う度に並んでいる女の人の顔が怖いわ。

ていうかこいつ悪人過ぎだろ。

地獄行きじゃねぇの?


【この罪状を持って貴様を……天国行きとする】

「え?!」

え??

いや、嘘だろ、え?天国?、は、え?

本人も驚いちゃってるよ


「ほ、本当に天国ですか?」

【ぬ?何か不服でも?お主地獄がいいとか言う訳でも無かろう】

「は、はい!天国、天国がいいです!」

【うむ、では魂に癒しを】


との言葉で痴漢野郎はキラキラと光りながら消えて言った。


閻魔様と思われる神様、閻魔様でいいや、は魂に癒しをと言ったが天国は天使がいるとも永遠の癒しがあるとか言ってる訳でもなかったな。

もしかするとふつうの魂は浄化みたいなことがされて輪廻転生とかで、やばくて浄化できない奴とか処理に困った魂は地獄に送ってとりま放置とか言う展開なのかな?

考えてもどうしょもないけど、考えるのは好きだ。


そして俺の前にいた犬とおっさんも天国行きにされついに順番が回って来た。

あ、犬は終始ワンワンと吠えて終わった。

閻魔様もワンワン言ってたから、シュール過ぎてついつい吹いてしまったが地獄行きとか言われないだろう。(フラグ)



【次の者ぉ!】

「はい、ここに」


緊張するとおふざけが出る癖がこんなところでも出てしまった。

はい、ここにと言いながら騎士のポーズをとった俺に後ろに並んでいた奴が憐れみの目で見て来ていた。

やっちゃったね、どんまい 的な


【八田 涼介 享年46歳。20歳までに行った罪はなし。26歳で鳩に餌をやり28歳で上司に暴行。38歳で上司を暴行。39歳で上司を暴行。40歳で上司から金を巻き上げ、41歳で逮捕。46歳でスマホ見ながら運転でガソリンスタンドに突っ込み死亡。で間違いないな】


「はい、間違いありません」

うっわ、ひどい経歴。

まるで俺が暴力で解決するイかれたやつみたいではないか。

いや、そもそも俺は悪くない。

言い訳するように聞こえるかもしれないがちゃんと事情があるのだ。

上司に暴力したのも、残業代払わなかったからだし巻き上げたのも未払いの給料を微収しただけだ。


ガソスタに突っ込んだのは……ありぁミスだ。

モケモンGOっていうゲームに夢中になってガソスタにGOしちゃっただけだし。


うん、我輩はなーにも、悪いことなんてしてないですな。

ふほほほほ。




【貴様は地……ふぬ、貴様は転生だ。】


「は?転生ですか」

転生、転生とな。

今地獄って言おうとしなかったか?

地……地面?はないな。

やっぱり地獄って言おうとしただろ!

どこに地獄要素があるんだ!


「今、地獄って言おうとしましたよね?」



【最近の日本人が言う異世界転生おれつえー、はーれむ、むそう、ないせい、ちーととか言う奴だ】


思いっきり無視された。

あれか、一方通行みたいな。

会話がドッチボールなら、これは磔にされてひたすら豪速球を投げつけられているような……。


「な、何故、私は転生なのか教えて頂いても?」


【貴様は、"閻魔様って大変だなー"みたいなことを言ったではないか。人の思い如き目を瞑って、耳を塞いでもわかる。

そして、貴様はこころから見えない我に敬意を抱いていた。特別だ。特別待遇で異世界転生とやらをさせてやる。

ふぁんたじーでもんすたーとか言うのがいる世界だ。

もちろん、向こうの神に断りなぞ入れてないが我は忙しいのでな。

まさか断る訳ないよな?

ん?ん?】


あ、すみません。

やっぱりドッチボールだったみたいです。


「ありがとうございます。それで能力は頂けるのでしょうか?」


【んん"では特別に創造の能力を与えよう。】


「おぉっ!」

創造魔法"クリエイトフード"とか言って料理無双に"クリエイトキャッスル"で一夜にして城をつくるとか夢が広がるなー。



【目を見開いて聞くが良い。この創造の能力はこんにゃ


「やっぱり要らないです!!」


ぬ?】


いや、いらねーよ。

夢を持たせて叩き落とす所業。

創造能力でこんにゃくとかアレじゃん。

嫌だよ。

もらったら転生地点が上空とかありそうだし。


【要らないのか?】


「はい、転生までさせていただけるのに能力までよこせと言うのはあまりにも不敬かと思いまして」


【本当に?】

「はい」


【いいの?】

「はい」


【ホンマに?】

「はい」

なんで最後、関西弁なんだよ。




【ふむ、そうか。

よかろう。

貴様は向こうの世界に転生する。どんな世界なのか詳しくは調べてないからわからんが"ふぁんたじー"じゃ。】


「ありがとうございます」



感謝をしながら頭を下げると

閻魔様は照れ隠しのような咳払いをした。








【魂に良き来世をあらんことを…】






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