表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キブシ商店街  作者: 色生 詞晴
小さなヒーロー
4/31

おばけ


大きな車椅子に、小さな女の子が座り微笑んでいる。

初めて見る光景に、大きな不安を感じた。

怖い。そんな言葉が頭の中でいっぱいになり、言葉も出ないし体も動かない。



「あ…ごめんね、脅かしちゃったかしら?

私、歩けないの。」


「あるけ…ない…?」



やっとの思いで出た言葉は、うまく繋がらなくて言葉にならない。



「そうなの。あ、名乗り遅れちゃったね。

私は…」



大きな不安が目の前がクラクラして、気づいたらその場から走って逃げ出していた。

後ろで女の子の声が聞こえたけど、振り返るなんて出来なくてずっと走ってた。

秋の姿を見つけると、そのまま勢いよく抱きついてしまった。



「は…春樹…?どこに行っていたんだい。

こんなに怯えて…」


「あっ、あき…秋ぃ…おばけ、車椅子の…おばけぇぇえ…」



秋のお腹にしがみつくと、すごく安心して

我慢してたものが一気に出ていくみたいに、沢山涙が出てきた。

生きてるのか死んでるのかもわからないくらい、不気味で異常な光景に見えた。

それがたまらなく怖くて、ワンワンと泣いていた。



「あらまぁ…もしかして、愛梨子(アリス)ちゃんの事かしら?」


「愛梨子?」


「えぇ、時計屋さんの姪っ子さんで…」



近くにいた着物のお店の女の人が、秋と話してるのを秋の腕の中で聞いてた。

そのうち泣くのも疲れて、そしたらどんどん意識が遠くなってきて、気づいたら眠っていた。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ