表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キブシ商店街  作者: 色生 詞晴
小さなヒーロー
2/31

石ころの行先




宮崎(ミヤザキ) 知里(チサト)です。ここで子供達と呉服屋を営んでいます。

一応、一番の年配って事で、この商店街の問題事とかは私に来ています。

ふふ、でも、どうか気は遣わないで下さいね?」



大きなお店に、沢山の着物が並ぶ店。

隣には秋吉と、目の前には真っ白な髪に真っ赤な目をした、着物の女の人が立っている。

初めましての挨拶をするよって秋吉が言っていた。

目の前の女の人は、年配っていうけど20歳前半くらいに見えた。



「ご丁寧にありがとうございます。

僕は(オオトリ) 秋吉(アキヨシ)です。今週末より、喫茶店を開業させてもらいます。

この子は息子の春樹です。

ほら、春樹。ご挨拶は?」



「…………」


目の前の女の人を顔を見るのが、ちょっと嫌だと思って秋吉の後ろに隠れた。

なんか、優しく笑うところ、ママに似てて嫌だ。


「はは、ごめんなさい。この子、女性には照れてしまう年頃みたいで。」


「あらあら、可愛らしいですね。

なんだか息子の小さな頃を思い出します」


「それはよかった!ところで、お子さん達は今どちらに?」


「あぁ、皆丁度、学校に行ってしまってて。夜には帰ってくると思うのですが…」


淡々と進む大人の話は、退屈で嫌いだ。

大事な話は、いつも俺を置いて進めちゃうんだ。

退屈で、道端の石を蹴り飛ばして遊んでいた。

でも思ったより、石が遠くへ飛んじゃって、思わず追いかける。



「よければ今夜、挨拶も込めてうちの広間で宴会を開かせてください」



遠く、後ろの方で秋吉の話す声が聞こえた。

それでも転がった石を追いかける。

やっと飛んだ先まで辿り着いて拾うと、ふと視線を感じた。



「ねぇ。」


挿絵(By みてみん)

春樹視点からのスタートになります。

幼い頃の物事の見え方を思い出しながら、あの独特な世界観を書きたいです…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ