ぶらり街4
カイン「くそ、どうにか事態を収めないと、ナンが増殖する原因はなんだ」
タゴフレ「里に帰れば、これだけのナンで……ふふ、歪みに入れば大量のナンで……」
勇者B「ナン!ハァァァ!ナン!」
カインはこっそりと混乱の魔法を彼女にかけていた。ひたすらに拳を天高く突き上げ、叫んでいる。
群集「ナン!ハァァァ!ナン!」
勇者Bファンの集団が出来上がっていた。ただ、真似をしているだけである。
タゴフレ「早く里に……Bはもういい、ジェシカやセンチネル、ボロンゴロンやホノノペ、いい女はたくさんいる!網を探すぞ!」
元勇者たち「そうだ、この量のナンなら!」
タゴフレ「同志!」
元勇者たち「同志!」
カイン「アホか……インフレ甚だしいわ」
カインは、ふと考える。
ここでは増殖する、里ではムニムニ動くだけ。
条件があるはずだ。
カインがふと気づく。
それは、Bの異変だった。
カイン「あぁもう!わからん!」
数メートルが長い。
カインはとにかくナンを燃やし、数を減らしながら進んだ。
そして混乱のとけたBの近くまでやってきた。
何か観察できれば……!きっとなんとかなる!里には帰りたくない!
勇者B「フォォォォォ」
螺旋階段のような渦が天高く昇る。
群集「フォォォォォ」
勇者B「我は……」
群集はごくりと唾をのむ。
勇者B「魔王……いや……ナン……ナ王だ」
群集「な王フォォォ!な王フォォォ!」
カイン「俺は!勇者だ!ちくしょう!1日目でこの有様!ちくしょう!」
渾身の力でアスファルトを殴った。大きな穴が空き、地面がヒビ割れ、彼の周りのナンは消え去った。
もう、ナンだらけ。