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宝くじ当たりました!!  作者: ありあ翼
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結局、スーパーにもコンビニにも行かず夕食を抜いて、枕の下に30枚の宝くじを敷いて寝た。

朝、魘されている自分の声で目が覚めた。

目覚まし時計のさす時間は5:22。驚くほど早起きだ。


‥‥やっぱり冷静ではなかったらしい。









あれから1週間が経った。その間の記憶があやふやだが、換金のため申請した有給の日を迎えた。

いや、これだけは言える。当たっていないと嘘をついたこと。今日の有給も病院だと伝えてある。もしかして高額当選では!!とからかわれたが、もしそうなら仕事辞めてから受け取りに行きます。と言えば、みんなが納得していた。

婦人科で引っかかったと言えば、快く申請を受け入れてもらえた。今までまじめに仕事をしてきたことと、積み上げた信頼のおかげである。

スーツに身を包み、マスクをし、髪は一つに纏めた。周りに埋没できるようにと頭を悩ませた結果がこれだ。テーマは振り込みに行くOLだ。


窓口で声を抑え、当選しました。と伝え、当選くじを差し出した。

何が正解かわからないが、こうすることしか思いつかなかった。

「お預かりいたします。少々お待ちください」

窓口のお姉さんがいつも以上ににこやかに見えたのは気のせいなのか。





その日だけで1年分は心臓が動いたのではないだろうか。


確かに1億円が当たっていた。

印鑑を持って行かなくて、家に戻るというアクシデントはあったが。

ただ、すぐには準備できないらしく後日改めて、と言われた。なので、口座を作り、振り込んでもらうことにした。


全く実感のないまま、とはいかなかった。銀行からの勧誘の封書が山のように届いたから。

面倒で全部捨てたけれど。もちろんシュレッダーにかけて。


「どうしよう」

一人暮らしをすると、独り言が多くなる。でも、この独り言はそれとは関係ないと思う。

記帳に行ったらお金は入っていた。今までの貯金もある。性格上、浪費することもなかったから、お金の使い道に悩む。

「んー…バレたくないんだよね。急に変わると怪しまれるって言うし」

毎日、毎日考えた。お金の使い方と、現実、夢、家族のことまで。

そして、結論を出した。


「わたし、子どもを産む!」



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