このサイトからデビュー出来る人が持っているのは才能でもなく努力でもなく時間と熱意
最近ではなろう作品がよく売れていますね。
言いたいことはタイトルの通りです。
例えば毎日欠かさず更新したとして一月で三十話。小説一冊分が十万文字で一話三千文字だとするとだいたいですが、一月で商業ライトノベル一冊分に相当する物語が出来上がります。
ですが、ここまで書いたところで書籍化のお誘いは来ません。PVがどうとかポイントがどうとかの話ではなく、単純に話数が少ないためです。
書き溜めがあったところで未発表の内容には評価のつきようがなく、出版社も判断しづらいでしょう。
ですから、二冊分、三冊分と作品を発表し続ける必要があります。
二冊目相当でお声がかかればおよそ二ヶ月、
三冊目で打診されたのならば三ヶ月と少し。
毎日毎話投稿し続ける生活をすくなくともこれだけこなしていかなければいけません。
更に。
デビューが決まったとしても編集者による見直し改正などが入り、場合によっては大幅な改稿を要求されます(高ポイント作品の場合ほとんど手をつけずに刊行されていたりもしますが、あれはよほどのことがない限り支持された作品を下手に弄れないからです)。
加えて、校正や印字。ロゴ作りやパッケージングなどなど、様々な過程を重ねて刊行へと辿り着きます。
ですから、どれだけ短く見積もっても平均で一年間かけて作品を作っているわけです。
新人賞に応募してデビューすることと比べても期間に大差などありません。
ここでなろうデビューと新人賞デビューを比べてみましょう。
小説家になろう
作品を発表しなろうデビュー。
(書き溜める場合はその日数もカウント)
活動報告や感想へのコメント返しをしつつ物語を執筆し続ける。
(良作にしたいのなら推敲すべし。誤字脱字はもちろん内容を見直すことは重要)
改善点を指示された場合速やかに対処。また、途中で設定の変更があった場合投稿済み内容の修正・調整・訂正の日々。
投稿、報告、コメント返し、を繰り返して順調に活動を続けた者にのみ、半年から一年後くらいに書籍化が打診される。
新人賞
執筆を始める。
推敲や調整をしつつ完成を目指す。
完成したら手短な新人賞に応募する。
(どの新人賞に応募するかはここでは問わないこととする)
一次選考や二次選考を通過していく。
(今回は小説家になろうの場合も新人賞の場合も作品は書籍化レベルという前提として)
↑書籍化レベルの作品を書ける作者はおよそ1%
(刊行作品数÷応募総数より)
最終選考に残った時点でほぼデビューは確定。
*諸説あり
この時点でどの賞になるかはさておき担当者がきまっている。
どうでしょう。
デビューまでの日数なら大差ないですね。
改稿や校正の期間を加味して計算すると一見なろうデビューの方が速い印象があります。
新人賞デビューの場合、別作品を一から執筆なんてこともざらにあります。
ですから、デビュー確定の後は小説家になろうデビューの作者の方が作業は少ないはずです。
でも、私が言いたいのは執筆中のことです。
ひたすら書いているだけでいい新人賞応募組に比べてなろう作家に必要な作業の多いこと多いこと。
ただのアマチュアなのに話数管理や宣伝活動、活動報告や感想へのコメント返しをしなくてはならない。
そんなことしなくていいと言う人はおそらくですがデビュー作家のことを知らないのでしょう。
私この前、とある作者様(デビューされた方)の作品の感想欄を拝見しましたが、一つ一つに丁寧に返していました。
新人賞応募組にはそんな作業必要ないですよね。
そもそも、小説家になろうデビューの強みは実売部数の確保と固定ファンの獲得であって、デビューしやすいのはどちらかという質問には作家や編集者などが新人賞の方が確率が高い、と発言しています。
つまり。
才能がある人、努力出来る人は新人賞へ。
新人賞へ応募してデビュー出来る実力となろうの仕組みに耐えうるだけの時間がある人なら小説家になろうでデビュー(固定ファンのおかげで売り上げは安定。つまり、大変な分見返りは大きい)。
確実に売れたいならなろうデビューですよ。
新人賞作品なら買ってもらえるという幻想はとうの昔に衰退しました。