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⑬―3



 どの歯と歯の間に物が挟まっているのか、よく分からないような煩わしさを抱えて寮へ戻った俺はひとまずコココさんのところに足を運んだ。 


「おう、お帰り、直里……」


 来客が去り気が抜けたのか、コココさんは二缶目のビールをグラスに注いでいた。

 台所の方から漂ってくる魚の焼ける匂いがするのはつまみでしょうね。


「何やってんすか?」

「別にいいだろう。今日はかなり神経を擦り減らした。回復にはアルコールしかない」

「……まあ確かに俺に止める権利はないっすけど……あれ、メメメは?」

「んっ? 風呂だ風呂」

「……風呂ってここ男子寮ですよ?」

「馬鹿、私の愛するメメメを誰がそんな汚い所に入れるものか。そっちの風呂だよ」


 コココさんが指さしたのは、俺が入ったことのない襖の奥だった。


「えっ、コココさんの部屋って風呂あったんですか?」

「なんだ、私がお前たちと同じ風呂を使っているとでも思ったのか。このDTめ」


 いやDTだけど、それはいう必要ないだろ。


「……じゃあトイレもあるんじゃん。教えてくれれば……」

「教えてくれれば、何だ」

「別に何でもないっすよ」


 青野さんとトイレで出くわすこともなかったのに、なんてことは内緒にしておいた方がいいなと思った時、俺の脳内でピンと来るものがあった。


「……あっ」


 そういえば青野さんは「小学校の時からずっと好きでした」って告白してたな。

 その時は彼女が北森だって知らなかったから、他人だと思ってたけど……

 あれあれ? もしかして……


「……マジかよ」


 心臓の鼓動数が二次方程式並みの上昇をしている。


「なんだかおとなしいな、直里。青野茜に告白でもされたのか?」


 



















 

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