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落ちたら、異世界。  作者: 莉都華
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プロローグ

 今日は、珍しく残業がなかったので、私は同僚の女友達数人と飲みに来ていた。

 会社の上司の愚痴や日頃の鬱憤。はたまた、惚気など、久しぶりに飲んだせいか話が盛り上がった。そのため、いつもよりお酒も進み、私にしてはかなりの量を飲んでしまった。


 その帰り道。

「今日は、ちょっと飲みすぎたかな・・・」

 フラつきそうになりながら、どうにか家までの道を歩く。



(私はいつもひとりぼっちだなぁ・・・)



しみじみとそんなことを思いながら、空を仰ぐ。

私に肉親はいない。私が五歳の時、両親と二つ上の姉は事故で亡くなった。買い物の帰り、信号無視のトラックがお父さんたちの車に突っ込んだらしい。三人とも即死だったと聞いている。それから私は父方の祖父母に引き取られ、育てられた。母方の祖父母はその当時、すでに病のせいで寝たきりになっていたからだ。その祖父母も私が二十歳になった頃くらいに他界した。なので、実質私の肉親はいない。

天涯孤独となったが、祖父母が残してくれた家と財産で、無事に大学を卒業し、今こうして働くところもある。

 家まであと数百メートルというところで、私はタクシーを呼べばよかったと後悔した。店から出たとき、なんとなく歩いて帰れそうと思い、タクシーを呼ばなかったのだが全然、そんなことはなかった。かなり酔っているのか、足元がおぼつかなくて、なかなか家までたどり着けない。今更、タクシーを呼んでも、お金の無駄なので仕方なく、そのまま歩く。

 私が歩いている路地は電灯が少ないため、かなり暗い。人通りも少ないため、最近犯罪後起こりやすくなっていると聞いた。そういう噂を聞いていたので私はどうしても早く帰りたかった。


何で私、この道通っちゃったかなー……。


 急ぎ足で歩いていると、急に地面の感覚がなくなり、ふわっと体が浮いたように感じた。



(えっ、何……!?)



 どこかに落ちるような感覚で酔いの回った私の頭がすっと、状況を理解する。

(どこかに落ちてる⁉︎)

 こんな住宅街のど真ん中になぜ穴があるのか、落ちたらどうなるのか、どのくらいの深さなのか、いろいろな思考が錯乱し、私はパニックになる。

「きゃああぁぁ‼︎」

 結局、叫ぶという選択しかできなかった私はそのまま得体の知れない穴に落ちていった。

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