表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アプリ坊主  作者: 蚊取TENGO
第四章
69/82

4-11 総本山の日常2

成田近郊。国際空港を抱えている事からか交通量だけは多く、正月ともなると周囲は大渋滞を巻き起こす。その原因の一つとなっている施設の主が、とある病院に入院していた。



『うう”~~!』


ベッドに収まり切らぬ程の巨体に汗をにじませる


矛沈(ほこちん)師匠がまたうなされておられるぞ!!」


弟子の一人がおもむろに立ち上がり、口の端をぬぐいながら言葉を発した


「ん”~・・?」

「・・・師匠・・はどのよう・・にうなされておられるのかな?」

「汗を・・出す・・」


ベッドに突っ伏したまま別の弟子が質問する


「ほこちんが寝たまま出した!」


別の弟子がベッドに頭を突っ込んだまま回答したが


「先にオチを言うな」

()れ者が』

「精進が足らぬ」


フライング気味に返答した弟子の両脇が寝ぼけながらペシペシと引っ叩きツッコミをいれる



『うう・・違う・・』

『・・皮ごと・・食べる・・のは・・キンカンぢゃ・・』


今泉(いまいずみ) 矛沈(ほこちん)の額から汗が流れ


「しっ!(静かにの意)」

「師匠っ!!」


弟子が声をあげた


「・・師匠は皮の話をしておられる」


別の弟子が慎重に言葉の意を汲んだ


「皮?普通、むいて食べるだろう」


『うん。むくね!』


ひそひそ声が病室に響く


「師匠は皮をむくかむかないかで迷っておられる」


『師匠がむくのをためらっておられる』


「ほこちんをむくのをためらっておられる!!」


フライングした弟子が最後を締めると


『はやい』

「まだ少し早い」

『やり直せ』


やはり両脇からペシペシと突っ込まれた



二時之次との手合わせに敗れた 今泉(いまいずみ) 矛沈(ほこちん)は未だに TEN力(てんりょく)が回復せず、テストステロンやらスッポンドリンクやらの治療を受けている


『う”う”~!』

『せめて砂糖・・』

『砂糖を・・』


なにやらうなされているらしい


「(お師匠様は)皮ごと食べる場合はせめて砂糖をと (おお)せだ」


弟子の一人が慎重に言葉を選ぶ。義兄弟間の連携が再び問われた


矛沈(ほこちん)師匠はむかずに口に入れる場合は砂糖をかけるのだ』


別な弟子が言葉を少し変換し次につなぐ。やや難易度が高い


「そうだ」

「ほこちんをむかずにくちにぶっかけるのだ!」


先ほどからフライングしまくりの弟子がまたもややらかす


『だから早いんだよお前は!』

「修行しなおせ」

『未熟者めが』


辛辣な言葉が病室に蔓延する。その時だった


「(コンコン)」

「・・失礼します」


病室に入ってくる高校生。それはこの 今泉(いまいずみ) 矛沈(ほこちん)を一刀の元に沈めた 二時之次(にじのつぎ)その人であった


『あっ!おまえは!!』


弟子達が一斉に身構える。


「おのれ!!お師匠様のかたき!!」


オチの上手くいかない弟子がTENGOを装着して八つ当たり気味に飛びかかる


『・・』

『(パシッ!)』


二時之次は迫りくるTENGOを左手で振り払い病室の中へと入ってくる


「・・あわあわ・・ぶくぶく」


TENGOの装着が外れて半出しの青透明のオーラと共に床に転がる弟子


『・・』

『悪いな・・』

『差し入れだ。ここに置いていくぞ』


段ボール箱に詰め込まれたお菓子の数々。弟子達の真ん中、 矛沈(ほこちん)のベッドの下にそれを置き去りにしたまま


『・・大丈夫だ。』

『必ず回復する』


病室を後にする二時之次


「待てぃ!!」

「こんな物を置いていってどうするつもりだ!!」


ポッキーを口に頬張りながら呼び止める弟子


『・・』

『いらなかったら処分してくれ・・』


申し訳無さそうな顔


「敵から施しを受けるなどありえぬ!!」


彼はイチゴポッキーを懐に入れた


『そうだそうだ!!こちらにもプライドと言う物がある!』


この弟子はグミキャンディだ


「・・う”う”お師匠様!」

「・・あっ!ウマ!これうまっ!」


先ほどTENGOをはじかれた弟子もダンボール箱に群がる



『・・では御免』


何かの争奪戦になっている弟子達を尻目に二時之次は退室した



― 3分後 ―


「そういえば。ポッキーで思い出したんだけど」


『うん?どうしたの?』


「病気の時とかに、尻にネギを挿すとたちどころに治るらしい」


『ええ??ホント?』


「ほんとほんと(適当)」


『じゃあちょっといれてみよう(気軽)』


早速準備に取り掛かる。矛沈(ほこちん)は巨体に相応しいがっしりとした脚をしていて、まだ幼い彼ら(彼女ら)にとっては大変な労力を要する。

それをどうにかして開脚させると弟子達は早速ポッキーを施した 


※注意※【大変危険ですので絶対に真似しないで下さい】



『折れるね』


「うん。全部折れた」


『折れたというかこれ、完全に噛み砕いてるよね』


「うん。尻でね」


『やっぱりお師匠様はすごいな!』


「すごいね」


『さて、どうしようか?』


「う~む・・あっ!」


『・・これか!サラミか!サラミがええのんか!?』


飽くなき探究心。人類の英知の結晶、サラミソーセージ。今度はそれにチャレンジする模様



『(ボリッ!)』

『(ゴリッ・・ボリッ)』

『(モグモグ・・ごくん)』



「うをっ!?」


『マジか!?折れたぞ』


「噛み砕いてるというか完全に 咀嚼(そしゃく)してるよねコレ」


『うん・・』


「師匠パネェ」


『パないね』


「・・」




オチの計算までしていた彼らであったが、矛沈(ほこちん)はそれを軽々と超えてみせた。サラミソーセージで飛び上がる師匠に向けて【ほこちんが立った!】と言うべく試算していたのだ。

最後の締めと人は言うが、閉め過ぎたり 咀嚼(そしゃく)したりすると、どうにもオチなくなるというものである





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ