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チートを手に入れて異世界に行ってみた  作者: らってぃ
出逢いの町~ユーフォン編~
2/23

冒険者になりました

日が落ちたため、森の中で野営の準備をしていた。

「そういや、自己紹介がまだだったな?俺の名前はカインだ。これも何かの縁だ。よろしくな」

そう剣を持って戦っていた男が言い、続いて隣に居た2人が自己紹介をした。

「私は、レイです。見た通り魔法師よ」

「僕は、シフスです。自分は弓が得意です」

レイはとんがり帽子を被っており、いかにも魔法使いという感じであった。シフスは約1mほどの弓をこちらに見せていた。

「俺は迅です」

「ボウズ、何で武器も持たず森ん中に居たんだ?」

どうしてって言われても困る。神様にここに放置されましたと言ったら信じてもらえるのだろうか?俺だったら信じない。

「適当に歩いてたら森の中で迷子になってしまって……」

「そうなのか?まぁ、明日になったら近くの町まで連れてってやるから安心しな!」

「ありがとうございます!」

何とか生き長らえそうだ。しかし、凄い視線が気になる。魔法師の……確かレイさんがさっきからずっとこちらを見ていた。

「あ、あの……何か?」

「あ、ええ、珍しい服だと思って。今までそんな服装は見たことないから」

学生服を指さし、目をパチクリさせている。

「これは、俺のがっこ……町である学生服ですよ」

「ガクセイフク?少し調べさせてもらっていいですか?」

「え?はい」

何やらポケットから1枚の紙を取り出し学生服に貼り付けた。貼り付けた紙が少し光った。紙を剥がすとふむふむと言う。

「よく、この服で町の外に出ようと思ったね……」

「どういう意味ですか?」

「この服は物理、魔法防御力共に0という結果よ?」

愕然とした反面、当然だろうという納得する部分もあった。日本で魔法で攻撃されることはない。そういう部分で納得した。しかし、この人達に出会ったのは幸運といえるだろう。

「あ、そういえば、あの緑肌をした人達は何だったんですか?」

「「「はい?」」」

「おいおい、ゴブリンも知らないのか……。あれは魔物だぞ?お前の町はどういう町だったんだ?」

「あ~……」

俺は絶句した。魔法がある世界としか聞いてないぞ?いや、確かにファンタジーゲームと同じとは言っていたけども……。もし、このままこの人達に出会わなかったらゴブリンに殺されていた可能性もあるのだから。

「でもまぁ、さっきのパンチを見たらお前もかなり強いから大丈夫だろう」

「え?」

「あなたのパンチかなり早かったですよ?」

「そ、そうなんですか?」

「えぇ、常人だったらあのパンチは見えなかったと思いますよ」

そんなに早いパンチだとは思わなかった。

「そろそろ飯にするぞ!腹が減った!」

「はいはい」

調理するのは魔法師のレンさんらしい。鍋に水を入れて調理の準備をしていた。

「おい!ボウズ!働く者食うべからずだぞ?薪拾いに行くぞー!」

「あ、はい!」

俺とカインは少し離れた森の奥で薪を集めにいき、シフスは敵が警戒にあたる。少し薪を集めたところでレイが大声で俺達を呼んだ。

「そろそろご飯できるわよ~!」

「おう!ボウズ、飯だぞ!」

「はい!」

レイさんが作ってくれた物は野菜を煮込んだスープとパンでとても良い匂いがした。それを一口飲んでみた。

「美味しい……」

「本当?口に合って良かったわ~」

「レイは料理と魔法は上手いからな!ガハハハッ」

そう笑いながら俺の背中を叩くカイン。

「カイン危ないじゃない!ジン大丈夫?」

落としそうになった皿をレイが支えてくれる。

「はい、大丈夫です」

自分ではお腹が減っていないと思っていたけど、結局3回もおかわりをして鍋いっぱいに作った野菜スープを食べ尽くした。

「ごちそうさまでした」

「さてと、後片付けをして寝ましょう」

「そうね。じゃあ結界を作るわ。光の壁(ルーセントバリア)

一瞬、光の壁が一面に広がると少しずつ光が小さくなり消えた。

「レイさんは何をしたんですか?」

「結界魔法ですよ。効果時間は9時間ほどです。寝ている間に魔物達が来る可能性がありますので、こうやって結界を作るんですよ」

「へぇ~……なんか凄いですね」

「それじゃ、おやすみなさい!」

そう言うと、レイはテントの中に入っていった。

「僕達はどこで寝るんですか?」

「ここですよ?」

「レイは女だからな、外で寝かせるわけにはいかんだろう」

「マット引いておきますので適当に寝てくれて構いませんよ」

そういうとシフスは木に背中を預けて目を瞑った。カインはマットに寝転んだ。俺はカインと同じように寝転ぶと目を瞑る。目を瞑ってから少し時間が経ったのだが……。

「眠れん……」

起き上がって今日の事を振り返る。電車の脱線事故で死んだと思ったら神様に出会って、異世界に送り込まれて魔物と出会った事……。カインさんやレイさん、シフスさんに出会った事。そしてこれからの事を考えているとふいに声をかけられた。

「眠れませんか?」

「え……あ、はい。ちょっと色んなことがありすぎて……」

「そうですか……まぁ気楽に考える事ですよ?あなたは私と同じ感じがします。私もそんな風に考えてばかりの時期がありましたよ」

「シフスさんも?」

「えぇ、冒険者になりたての頃です。どんな依頼を受けようとか、失敗したらどうしようとか、そんな事を考えていました。そんな時にカインとレイに出会ったんです。『弓得意そうだからお前俺らのパーティに入れ』って半ば強引に入れられたんですけどね。あの2人は報酬が高い理由で考えなしに依頼を取ってきたりして大変な目にあった事もありますが……。まぁ彼らのお陰で僕の悩みなんてちっぽけなものなんだなって思えるようになりましたよ」

昔の事を思い出しているシフスさんは本当に楽しそうな顔をしており、話の中で時折クスクスと笑っていた。

「だからあなたもそんな仲間に出会う事ができれば良いですね」

「はい。そうですね」

「では、明日もまた結構歩きます。なるべく早く寝て疲れを取って下さい」

「分かりました……おやすみなさい」

少しの雑談だったが、これから生きていくこの世界での不安が少し和らいだのか、目を瞑るとすぐに睡魔が襲ってきて眠りにつけた。


翌日になり、野営の後片付けをして出発した。結構歩いたところでふと思った事を聞いてみた。

「そういえば聞いてませんでしたけど、どこに行くんですか?」

「ああ、もうすぐ見えるよ」

「あそこですよ、ジンさん」

シフスさんの指差す方を見ると大きい城が見えた。

「あそこは、大都市ユーフォンだ!」

「おお……」

ユーフォンの町に入ると町の中は活き活きとしており只管に感嘆が漏れた。

「そういえば、ボウズ、町を出た理由とかあるのか?冒険者になりたいとか王国の兵士になりたいとか……」

「えっと、冒険者になりたいです」

「そうか!そうか!」

この人達に出会ってから思っていた事である。この人達みたいな仲間と冒険できたら楽しいだろうなぁと思ったからだ。カインはとても嬉しそうに何度も頷いていた。

「それでは、まず装備を整えないといけませんね」

「だね~。武器は己の拳ですっていうのもカッコイイかもしれないけど、触れたら毒にかかる魔物とか少ないけどいるから、武器は持ってた方がいいよ?」

「でもよ、お金あるのか?」

3人はこちらをジーっと見ている。お金……ふと、鞄から財布を出してみた。

(財布を出してみたもの千円札とか使えるのか……?)

チラっと財布の中を見るすると、見たこともないコインが大量に入っていた。

「なんだこのコインは……」

取り出したコインを眺めていると、3人がこちらを見ていた。

「お、金貨持ってるな!それなら結構良い装備買えるぞ?」

「えっと、いっぱいあります」

財布の中は金のコイン……金貨ばかり入っていたが、どうやらこれがお金のようだ。しかも良い装備が買えるらしい。

装備屋に行くと、革が素材の鎧やら曲刀などの剣が置いてあった。

「ボウズ何か得意な武器はあるか?槍とか剣とかそういうやつ」

「剣道をやってたので、剣ですかね」

「ケンドウ?あーっと剣でいいのか?」

「あ、ええ。剣です」

「なら騎士達が使ってるパラッシュっていう剣がいいな。後は鎧だが、ボウズの場合は動きやすいやつ……ああ、このコートがいいな」

トントンと決まっていく装備に目が点になっていると。

「大丈夫よ。カインはあんな感じだけど、こういうセンスはあるからあなたに合わせて買ってくれるわ?まぁお金は知らないけどね」

「は、はぁ」

「よし、ボウズ決まったぞ!店主!全部でいくらだ!?」

「えっと、金貨が4枚銀貨が5枚ですね」

財布から金貨5枚を取り出すとお釣りとして銀貨45枚もらった。どうやら金貨1枚で銀貨50枚後ちらっと店主の手元に銅の通貨のようなものも見えたので、銀貨1枚と銅貨の両替もしてもらった。すると、銀貨1枚で銅貨50枚もらえた。これで金貨1枚で銀貨50枚。銀貨1枚で銅貨が50枚という風にお金が構成されているようだ。

次に冒険者ギルドに訪れた。カインに連れられて受付まで行く。

「こいつの冒険者登録をしてほしいんだが?」

「分かりました。魔法の素質があるかどうかも調べますので、この紙を手のひらに置いてくれますか?基本的に冒険者になる時や、国に仕える騎士になる場合、魔法が使えるか、その魔法の属性などをこの紙で調べるんです」

「はぁ。分かりました」

その紙を手のひらに置いてみると、紙が色々な色になった。赤や青、黄、緑やら紫だ。採集的には白と黒が半々くらいになっている。するとギルドの受付の人がこちらに手招きをし、耳を傾けると小声でこう言った。

「……どうやらあなたは様々な魔法を使える素質があるようです。最後は白と黒が半々くらいでしたが、後でまた、ここにいらしてもらっていいですか?ギルド長に話しをして置かなければならないのです」

「どういう意味ですか?」

「今まであなたのような全属性を扱える素質を持った人はいないのですよ。今までこういう試験をしましたが、精々4属性くらいした。まぁ4属性でもかなり稀少ですけどね。そういう珍しいと言えば失礼ですが、稀少な人達は別途登録をしなければなりません。まぁその分待遇がありますので、その辺りはご容赦していただけると助かります。」

「分かりました」

どうやら神様は僕のお願いを全部叶えてくれていたようだった。受付の人が椅子に座り直すと紙渡した。

「では、職と名前をこれに書いて下さい。」

「職というのは剣士や魔法師、後は弓士に治癒士です。あなたの場合、見た感じ剣も扱えるようなので。聖剣士ですね。聖がつく理由は先ほどの話で色々な属性の魔法が扱えるからです。治癒魔法しかできない場合は白魔剣士です。補助魔法が使えても同様に白魔剣士。攻撃魔法全般だと黒魔剣士になります。白と黒……両方の魔法を扱えると聖剣士になります」

「なるほど」

受付の言う通り、自分の名前と職を書き、受付員に渡した。

「冒険者カードを渡します。念のため、カードは剣士にしています。冒険者のランクがCになったら聖剣士と職を変えます。理由は不慣れだとしても他の冒険者は職しか見ませんので、難易度が高い場所でも勧誘される可能性があるので、それを防ぐためです」

「なるほど……ありがとうございます」

受付員の優しさに感謝した。確かに、いきなり不慣れな冒険者がほいほい強い魔物に出会うと死んでしまう確率は高いだろう。

ちらっとカードを観るとランクがFと書いていたため後3個ほどランクを上げると聖剣士になるようだ。

「登録は終わりました。これであなたも立派な冒険者です。最初はそこまで難易度が高い依頼はないので安心してください。これからよろしくお願いしますね!」

「よ、よろしくお願いします!」

こうして俺は冒険者になった

読んでいただき、ありがとうございます。

3日に1話の更新できるように書いていきたいと思っていますので

お付き合いいただきますようよろしくお願いします。

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