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チートを手に入れて異世界に行ってみた  作者: らってぃ
出逢いの町~ユーフォン編~
1/23

異世界にやってきました

「どこだよ……。ここは?」

広がる青い空に木々……。

(森の中かな?)

辺りを見渡すが、何もない。

(う~ん……。確かあいつは……。願い事言ってなかったよなぁ)

彼の名前は、風斬迅。何故彼ががこんな森の中で1人佇んでいるというと、それを少し前の話になる……。



「キリーッツ!礼!!」

「おう、気をつけて帰れよ~」

今日も学校の授業も終わり、放課後となった。

日課の花壇の世話をして帰るか~などと、風斬迅は思っていた。

「な~に?また花壇に水やりにいくの?」

「ああ、日課だからな。それに俺は植物を育てるのが好きなんだよ?男が花が好きで悪いか?あん!?」

「な、なんでケンカ口調なのよ!?」

話かけてきたのは、水原香澄である。赤のショートヘアが特徴的で俺の腐れ縁の幼なじみである。

「いや、なんとなく」

「むぅ!」

頬をぷくっと膨らませて、怒ってますよ!っと訴えかける。

ずっとジト目で俺は見ていたら香澄は諦めたように言う。

「まぁいいわ。それで、今日も花壇のお世話?」

「ああ、そうだけど?」

「あんたねぇ……剣道部とか空手部に入ればいいじゃない?勧誘されたんでしょ?」

俺の家系は、男だったら強くあれ!という家訓の元、子供の頃より武術ばかりやらされていた。そのため、中学時代に試合で結構な成績を残せていたため、それなりに勧誘されたのである。ちなみに女に生まれていたら茶道やら華道やらをやることになっていたらしい。

「別に俺の勝手だろう?」

「まぁいいけどさ~。あ、そうだ!今日は友達の家にお泊りなのよ。だから、今日は晩ご飯作れないわ。ごめんね~」

申し訳なさそうにいう香澄……。だが、彼女に非はない。わざわざ他人の家の晩ご飯など作る必要も無いだろう。むしろ自分で自炊できるのに香澄に作らせている俺の方が申し訳ないと思っていた。

俺の両親は、父さんの単身赴任のはずだったが、もう高校生だし大丈夫よね?などと言いながら母さんは父さんに付いて行ってしまい、一人暮らしとなった。そんな俺の境遇を知った香澄がよくご飯を作ってくれるのだ。実にありがたい。

「そうか、昨日次の日は休みだから~とか云々言ってたっけ?気にしなくていいよ」

「ごめんね~」

っと言いながら香澄は教室を出て行った。

俺も水を待つ花達のために、花壇がある中庭に移動する。

(ご飯……何にしようかな。あ、野菜とかあったっけか?買い物してから帰るかな~)

晩ご飯を何にしようか考えながら、今日も花壇に移動し花に水やりをしていた。すると、何か声が聞こえる。猫の鳴き声だ。声の方へ行くと、真っ白の猫がそこにいた。

「おいおい……、何で子猫が学校に居るんだよ……。お前、迷子か?」

にゃあにゃあ鳴く猫にどうすればいいか分からず、とりあえず、食堂に言って牛乳を買った。

「よしよし、いい子だなぁ、お前」

食堂からお皿を借り、そこに牛乳を入れて子猫に飲ませてみた。良い飲みっぷりである。

「これ飲んだら帰れよ?俺んとこは猫飼えないからな、ごめんな?」

こういう子猫などの世話をして、そのまま置いて帰るとなんとなく罪悪感が沸いてしまう。

「お?もう全部飲んだのか、腹減ってたのか?良い飲みっぷりだ、もう1パック買ってやろう」

明日が休日だということもあり気前が良い。もう1パック牛乳を買って鼻歌交じりに子猫が居た場所に戻る。

「な、なん……だと……」

子猫が居なくなっていた。

「なんか気分落ちたな……。帰るか」

食堂に皿を返し、荷物をまとめると学校を後にした。

電車で帰っている途中にであった。

「あ。買い物忘れた!」

っと電車の中で呟いていた。

「仕方ない、着いたらコンビニに行くか」

っと晩ご飯をコンビニ弁当にしようと決めた直後である。

電車が急に傾いたのである。ちょっとした浮遊感がそこにあった。

「え?嘘だろ……」

ガタンっと倒れ、車両と線路が擦れる耳がキーンっとした。

悲鳴の声が満ちた車内で、俺は意識を失った。



「……ろ…………んか……!」

「う~ん」

声が聞こえた。女性の声だ。

「……きろ!……覚まさんか!」

目を開けると、顔があった。

「へ?」

「ようやく起きたか。全く……。おい、いつまで寝ぼけておる!」

「あ、おはようごうざいます?」

「何故疑問形なんじゃ?」

「いや、なんとなくですかね?」

起き上がって周りを見渡した。白い……。何も無い真っ白の広がっている。

「ここって……そうか!夢か!」

「夢じゃないわ!戯け!」

ビクッとして声の主を見る。

「えっと……。どなたでしょうか?」

「私は神様である!」

「神様か、はいはい、そうっすね」

「おい!お主!なんじゃそれは!?寝るでない!」

俺の反応は至極普通だ。いきなり目が覚めたら。白い世界が広がっていて、いきなり私が神様であるっと言ってみろ。夢だと思うのが普通である。

「グォッホン!」

慣れてないのだろうか、無理矢理に出した咳払いは違和感しか感じない。

「貴様は儂のミルに牛乳を与えてくれたのでな。礼をしようと思ってな」

「ミル?牛乳?……ああ、真っ白な猫か」

牛乳という言葉を聞いたので間違いないだろう。

「うむ、その子猫は儂が飼っている猫だったんじゃが、急に逃げて行ってしまってのぅ。探しておったら、お主が世話をしてくれたのでな。感謝しようと思ったのじゃ」

(神様って律儀なんですね)

「ああ、別に気にしなくていいよ。好きでやったことなので。それより、早く元の場所に返してくれませんかね?」

「無理じゃ」

「え?」

「電車という乗り物でお主は死んだからの。これがその時の映像じゃ」

頭が真っ白になった。今でも死んだなんて想像できない。だが、神様と言う女性から映し出された映像は、俺が乗っていた電車が脱線した瞬間の映像だった。

「嘘だろ……」

「信じられんか?」

「当然だ!だって俺はここに……」

ここは、真っ白い世界……。ひょっとして本当に死んだのだろうかと頭を抱えていた。

「だが、儂のミルに牛乳をくれた礼がしたい」

「はぁ……」

「なので、貴様に違う世界で新たな生活を与えてやろうと思う。但し、ちょっとそこで問題があってのぉ……。それを解決する事が条件だ」

放心状態になった。あれ、神様は今なんて言ったの?

話についていけない迅だが神様はどんどん話を進めていく。

「いや、あの俺死ん―――」

「いきなり異世界に飛び込ませるのは酷じゃ。それ故お主がこの世界に行くにあたって必要なものを3つほど叶えてやる。うむうむ、儂は優しいのぉ」

喋ろうとしたら遮られた。何……話し合いの余地ないんですかね?

まぁ、この話が本当かどうか分からないが、本当に死んでいたとして、異世界に行く事になるなら、何が必要になるか本気で考えてみる。

「ちなみに……どんな世界に連れて行かれるの?」

「うむ、魔法が使える世界じゃ……。お主の世界ではふぁんたじーげーむっと言ったかの?そんな感じ世界じゃよ」

「そうだなぁ……」

いきなり魔法の世界などと言われても困る。ゲーム感覚でこんなやつチートだなっていう物をお願いすればいいのか……。


箇条書きにして紙に書いてみた。

①お金

②圧倒的な力

③魔法は何でも使える。


こんな感じでどうだろう。ゲームならこれさえあったらチートだよなぁなどと考えていると、神様はそのメモを取り上げて何回か頷いた。

「ふむふむ……。願い事は決まったようじゃの!では……。」

神様は指をパチンッと鳴らした。すると足元に大きな穴が開く。

茫然とする俺……。ニヤニヤとする神様……いや、こいつは悪魔というべきだ。

「嘘だろおおおおお!!!」

絶叫と共に奈落の底に落ちるような感覚を味わう。

「おう!忘れておった!良いかー!その世界の問題は―――」

神様が何か叫んでいるが声は聞こえず、またしても意識が途切れた。



「全く、変なとこに投げ出しやがって……。とりあえず人を探すか……」

気の向くまま歩いて行く……。歩いても歩いてもこの森の中から抜け出せない。途方にくれていたところに何かが爆発する音が聞こえた。

「吃驚した……。行ってみるか!」

急いでそこに行ってみた。するとそこには緑色の肌をした人間(?)15人ほどと武器を構えた人間3人が居た。

「これは、すごい事になってるな……」

俺は木に隠れて様子を伺う。すると、緑色の肌をした人間(?)が何か叫びながらを守る人間に斬りかかる。映画のワンシーンを見ている感覚だった。

剣と剣がぶつかるような音もどこか違う世界に感じてしまう。そして、迅は立ち上がった。

「サインもらわないと!」

これが映画の撮影だと判断した俺は、学校の鞄からノートとボールペンを持ち、戦っている場所に踊り出る。

こちらを見て呆然とする緑色の人達と武器を構えている人達。

「サ……サイン下さい!」

「き、貴様!武器も持たず何をしてる!死にたいのか!?」

剣を持っている1人が叫ぶ。これを引き金に緑色の肌をした人達が一斉に迅を包囲された。

何かやばい雰囲気に選択を間違えたんだと確信した迅。だが、気づいた時には手遅れで、緑色の人間達に囲まれてしまう。

(あれ?ちょっとやばい?)

窮地に陥った迅はどうしようかと考えていた。するとそこに、火の玉が緑色の人に勢い良く当たって吹き飛んだ。

火の玉(ファイアボール)!」

杖を持つ女が迅を囲んでいる一部の敵を撃ち込んでいたのである。

火の玉(ファイアボール)に続き、弓を持った男が何体かの敵を射た。

「早くこちらへ!」

女性が迅に叫ぶ。迅は開けた道を走ったのだが。

「後ろだ!」

剣を持った男が叫んでため、後ろを振り返った。1体の緑色の人が俺に飛びかかり、手にもつ剣を振り下ろそうとしていた。

(嘘だろ……)

これが当たれば致命傷になる事は見ていれば分かった。

(冗談きついぜ。やってきたばかりなのに何でこんなに早く死ななきゃならないんだよ!ふざけるな……)

「うおああああ!」

そう叫ぶと迅は拳を握り相手の顔を殴った。相手は、声にならない声を出して、何体かの仲間巻き込んた殴り飛ばされた。

それを見た緑色の肌をした仲間は迅の力に吃驚し逃げていった。

「ほう、やるじゃねぇか小僧!」

「全くですね」

「一時はどうなるかと思いましたが」

「い、いやぁそれほどでも」

「お前こんな森ん中で何してんだ?」

「いや、実は道に迷いまして……」

「そうなのか、俺達だけでも何とかなった相手だが、助けれもらったのは事実だ。町まで送ってやるよ。いいよな?」

「良いですよ」「構いませんよ」

人当たり良さそうな人達に会えた事を感謝し、この人達についていくことにした。

初めて書くことになるので

アドバイス等ありましたらよろしくお願いします。

読んでいただき、ありがとうございます。

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