【14】主人公の迷い
杉彦は三日三晩自分の部屋に籠もり続け、ただただ記憶の海を漂流していた。
あの後、杉彦の目の前に現れた謎の人物は、杉彦の方を振り向くと、邪悪な笑みを浮かべてこう告げてきた。
「我、幾百ノ時ヲ経テ、下界ニ戻レリ。我ガ依代ニ成リシ貴様。我ニ従イ、コノ世ノ全テノ殺気ヲ我々ノモノニシヨウゾ」
そう告げ終わると、謎の人物は砂煙のようになり、杉彦の中へと入り込んでいった。
ここまでの短時間で、理解不能な出来事が起き過ぎていた。今杉彦の腕の中でぐったりとしている氷群でさえ、夢か現か、杉彦には判別がつかない。
「おめでとぅ、杉彦ぉ」
不意に後ろから声がした。
その声を聞いた杉彦はハッと虚ろだった意識を戻した。そのくらい、実に近しい人物の声だった。
杉彦と血のつながった実の祖母であり、対獣化犯罪組織シルヴァー・ハントの立ち上げ人。ビッグ・マミーこと、阿狩真知子、その人である。
いつ現場に到着したか定かではないが、真知子はここまでの一部始終を見ていた風に話し始めた。
「氷群にゃぁすまねぇと思ったが、おかげでやっとおいで下さったねぇ」
「……は?」
杉彦はぐちゃぐちゃになった脳内を必死にまとめ、やっとの思いで真知子の言っていることの意味がわからないことに疑問を感じることができた。
寝ている間に落書きされて酷い顔にされた時のような表情の杉彦に、真知子はいつものように飄々と話しを続ける。
「杉彦、おめぇ、さっき出てきたあのお方が誰か知ってるかい?」
まぁどうせ知らないだろうと言わんばかりの表情で真知子が問いかけてくる。
一体、ばぁちゃんは何を言いたがっているのだろうか?
「あのお方はねぇ杉彦。おめぇのご先祖様なのさ」
「……」
まったく予想だにしない真知子の話だが、杉彦は黙って聞くことしかできなかった。
あくまで数々の事実を浮上させて杉彦の脳内をかき乱し続けるというのなら、もうそれに抵抗しようという余力など杉彦には残っていなかった。
真知子は反応のない杉彦に構わず続ける。
「ご先祖様は幼名を幾久といって、剣の達人だった人でねぇ、だがある日突然、好きだった女の子を山賊に殺されちまったんだ。そん時にご先祖様の中で鬼神のような力が生まれた。それであぁなんちまったのさぁ」
そういえば……と、杉彦は先ほどの真っ黒になった心の中で、一人の少女のために一生懸命剣を振るっている少年の記憶がうっすらと入り込んでいたことを思い出した。その行動は、どこか自分と重なるところがある。
そして、この残酷な現実さえも……
「それからご先祖様は人を殺し続けた。特に人や妖を殺したいという殺気に溢れた人間をねぇ。それ以来、人々は彼を畏怖の対象としてこう呼んだ。人斬り鬼、『羅刹』とね」
「……」
そんな恐ろしい史実があったというのか。
杉彦は改めてこの異様な状況に陥っていることに戦慄する。
「まぁそんな鬼は鬼でも死ぬ時は死んじまう。だがたくさんの女と子供を作ってたおかげで、多くの子孫を残すことができた。そんでいづれまた復活してぇとご先祖様は思ってたんだろうねぇ。そん中で、ぴったり合う依代におめぇが選ばれたってぇわけさぁ」
わけさぁと言われても、ところどころ説明として抜け落ちているところがあり、相変わらず杉彦は理解不能な状態が続いている。
なぜ、この時になってご先祖様は杉彦の前に現れたのか?
そして、まるでご先祖様の出現を願っていたかのように祖母は楽しげに話すのか?
杉彦が混乱している間に、氷群の救助のために救急車が駆けつけていた。
「ひ、氷群センパイ!!しっかりして下さいっす!!氷群センパイ!!」
救急車と共に現れた飛鳥が氷群に必死に声をかける。
それをただ呆然と見送る事しかできない杉彦。
現場の処理もあっと言う間に片付き、事件は杉彦の受けたダメージとは裏腹にあっけなく幕引きとなった。
追憶が途切れ、再び現実に引き戻される杉彦。とにかく突きつけられた現実が重すぎる。
氷群に対する想い。
人斬り鬼だったという先祖の存在。
祖母の思惑。
どれも容赦のなく杉彦の心を鋭い刃で突き刺してくる。
氷群の容態だが、医師の見解では幸いにも弾が臓器に当たることなく貫通していて、大事には至らないということだった。だがそれも杉彦の慰みにはならない。そもそも彼女をこんな目に遭わせてしまったのは、自分の無力さが原因なのだから。たとえ彼女がまた普通に復帰したとして、もうどんな顔をして会えばいいのかわからない。
それに今、杉彦の中には羅刹という伝説の人斬りだった先祖の魂が宿ってしまっているらしい。正直、自分の先祖に人斬りがいたこと自体、とてつもなく受け入れ難い事実だ。更にその先祖の魂にとりつかれるなんて……
今のところ、依代にされた後で特に変化はないのだが、いつ羅刹がまた顕現してくるかわからない。万が一、羅刹が氷群にも危害を加えることがあったら、もう杉彦の生きている意味がなくなってしまう。
そしてもう一つ、大きな違和感の要因となっているのが、祖母である真知子の杉彦に対する意味深な言動だ。一つ屋根の下で暮らしているにも関わらず、滅多に会うことのなかった祖母。
それが知らぬ間に警察を辞め、獣化犯罪者を抑制するための組織を立ち上げていて、そこへ運動神経ゼロの杉彦を加えようとしたこと。
杉彦が氷群のことをストーカーしていることを知った上で、杉彦を氷群の戦闘パートナーに着任させたこと。
先祖が伝説の人斬りだったという史実を知っていて、その先祖が現れて自分の孫にのりうつったことに驚かないこと。
祖母の一連の行動には謎が多い。特に、祖母は羅刹が杉彦を魂の依代にすることを最初から予見していた風がある。
一体、祖母は何を考えているのか?
杉彦をどうしたいのか?
(……あー……駄目だ。考えても何も変わらない……)
しかし、ここからどう動けば良いのかわからない杉彦は、ただただ、冷たいベッドの上で考えを堂々巡りさせることしか出来なかった。
そこへ、思いもよらない来訪者が……
「兄貴ぃ~起きてる?入っていい?」
急に部屋のドア越しから妹、広美の声がした。
最近、杉彦はシルヴァー・ハントの訓練に明け暮れていたため、ほとんど広美と顔を合わせていない。しかも杉彦と同じく、氷群が大好きな広美と顔を合わせるのは非常につらかった。
杉彦はそのまま無視しようと寝たフリをしていたが、ドアの鍵を閉め忘れていたことに気づく。気づいたが時すでに遅く、無遠慮に広美が入室してきた。
そこで杉彦は驚愕する。
広美がなんと、ぴょん太を腕に抱えていたからだ。
「うわああああっ!!」
あまりの衝撃に思わず驚嘆の声を出してベッドから跳ね起きる杉彦。
「どうしたの?」
杉彦のリアクションの意図が読めず、広美は普通に疑問を投げかけてくる。
「そ、そのタ、タ、タヌキは……?」
ぶるぶる震えながらぴょん太に向けて指を指した。
「あ、なんかね、このタヌキが玄関の前でうちに入りたそうにしてたからかわいいなぁと思って連れてきちゃった」
や、連れてきちゃったって……こいつがしゃべるタヌキだと知ったらさぞや広美は取り乱すだろうと杉彦はドキドキする。
「ご無沙汰ですぜダンナ!!」
そんな杉彦の気も知らず、普通に話し出すぴょん太。
「わー!わー!つーかいいのかしゃべって!?」
妹より先に取り乱す杉彦。
「は、急に何言ってのよ兄貴?」
しかし、肝心な広美は、急にわけのわからないことを言い出した杉彦に違和感を抱いていた。
「や、え、べ、べつに?」
「ったくー、最近シルヴァー・ハントの仕事が大変だったからって、三日間寝込んでたからおかしくなったんじゃないの?」
「あ、え、あ、そ、そそっ、そうかもな~アハハアハハ」
なんとか笑ってごまかす杉彦。
どうやら広美にはぴょん太がしゃべっている言葉は聞こえてないようだ。以前、告白の練習を手伝ってもらった内気赤良という女の子には聞こえていたみたいだが、個人差でもあるのだろうか?
謎がまた増えて頭がグアングアンする杉彦。そんな杉彦の状態などお構いなしに、またしゃべり出すぴょん太。
「その節は失礼しやしたダンナ!!またあっしがお嬢さんへの告白を手伝わせていただきやすんでダンナ!!」
「しー!それはもういいから今はしゃべんなー!」
小さくかすれた声でぴょん太に話しかける杉彦。
「だからさっきっからおかしいんだけど!」
「キニスンナッ!!マイシスター!!」
「その呼び方キモイからやめて」
「でれかしーが足りませんぜダンナ!!」
わーわーとやり合う二人と一匹。久々に迎える杉彦のかつての日常。
そこから醸し出される柔らかい空気が、不意に杉彦の冷たく重かった心を少しだけ癒す。
「ン~なんだか楽しそーねェ~!私もま・ぜ・テ☆」
そこへまたしても唐突な来訪者が現れた。
目に痛いピンクの長髪と網タイツ。忍装束とスケバン制服を併せ、かつ何故か大人のセクシーさが強調されたデザインの服装は、間違いなくシルヴァー・ハントの伊賀嵐だった。
しかも天井から逆さで宙吊りという忍者といえば忍者らしい登場の仕方だ。
「へきゃあああああああああああああ!!ぐはぁ!!」
当然驚く杉彦。
勢い良く後ろに退けたため、壁にしこたま頭をぶつけて気絶した。
それを気にする風もなく床に降り立つ伊賀嵐に、広美は目をギラつかせ、
「も、もしかして、シルヴァー・ハントの伊賀嵐殺芽様ですよね!?」
とまるでアイドルグループのメンバーに会った時のような声のかけ方をする。
「ふふッ、そーよ~ォ!初めましてかナ?広美ちゃン☆」
「は、はい!!ずっとお会いしたかったんですぅ!!」
言葉の勢いのままに何故か殺芽に抱きつく広美。
とにかく広美はイケメン、美女が大好物だったりする。目の前に美味しそうなエサがあれば、ワナだろうがなんだろうが、まず食いつかない手はない。
「ごめんね~ェ、私も忙しくって本部にはあまり寄らないのよォ~」
「いいんです!!いいんです!!こうしてわざわざ私の家まで来て下さったんですから~!!」
広美は抱きつきつつ、殺芽のいろんなところをまさぐろうする。
「も~ォ~広美ちゃんは手が早いゾ☆あとでゆっくりニャンニャンしてあげるからね~ェ♡」
「にゃああああああああん!!」
完全に壊れ出した広美。
杉彦と同じような属性でも、インドア派な杉彦に対して、広美はアウトドア派といったところか。
そんなピンク色のバラが咲き乱れそうな状況になって、杉彦はようやく意識が戻って体を起こすことができた。
「あら、杉彦くン。おめざめェ?」
「いつぁつぁ……って、あれ?あの~……失礼ですがどちら様ですか?」
打ち所が悪かったわけではない。
杉彦と伊賀嵐はこれが初対面なのだ。氷群と初めて出逢った時、その場に現れた伊賀嵐の吹き矢によって眠らされてしまったため、当人同士顔を合わせていなかったりする。
「あ、そういえばあの時はごめんなさいねッ!氷群ちゃんに性に飢えた猛獣が襲いかかってると思って、思わずアナタをゾウさんも一発で眠らせちゃう麻酔入りの吹き矢で眠らせちゃった☆」
「はい!?」
そんなことは初耳だった。
そもそもどっからどう見ても普通の人間のはずの杉彦にそんな劇薬を打ち込んでいたとは……
それを考慮に入れるとトンデモなことだったのだと、杉彦は恐れ慄く。
「……まぁ、い、今更それはいいんですけど、いきなり現れてどうしたんですか?」
なんとか心を持ち直して話を本筋に戻す杉彦。
「あーそーそーゥ、アナタのオバアサマに頼まれて仕方なくアナタの様子を見に来たのよッ☆ま、元気そうで良かったわァー」
すっかり懐きまくっている広美の頭をなでなでしながら、殺芽はここにきた理由を語った。正直当人はあまりやる気はない様子だが。
殺芽の回答に、杉彦は嫌な疑問を感じた。
もし祖母が自分の心配をしているのなら、なぜ自ら見舞いにこないのか?
これまで関わりは少々薄かったが、多少なりとも自分を可愛がってくれていたように杉彦は思っていた。
ここまで精神的にまずくなったことは今までなかったし、孫が悪い状態の時こそ、支えてやろうという気持ちはないのか?
杉彦がだんまりしていると、不意に杉彦のケータイが鳴り出した。杉彦はおもむろに通話ボタンを押すと、
<よぉ色男ぉ。いつもの元気は戻ったかい?>
という真知子の声が聞こえてきた。
この謀ったように電話をかけてくるあたりが、どうにも杉彦に変な気を起こさせてしまう。
「……なんで直接言いに来ないんだよ」
杉彦は急に孫らしく、子供っぽい声で疑問を投げかける。
<……もしかして、心配してもらいたかったのかい?はっ、まだまだいっちょまえのガキんちょだねぇ>
鼻で笑う真知子。それが余計に杉彦の神経を逆撫でする。
「だってわけがわからないことが多すぎるんだよ!!急に戦いに参加して、いきなり人斬りの先祖が出てきて」
<おめぇが望んだことだろ!?>
強い口調だった。
この真知子の一言に、杉彦の激情が一気に冷める。
<おめぇが氷群に近づきたいってぇ望んだから、その通りにしてやったんだろうが。むしろ感謝されたいぐらいだねぇ>
「……」
何も言い返せない。全くもって真知子の意見が正しい。それを先ほど反省したばかりではなかったのか?
自然と、杉彦の頬に涙が伝っていた。
ここまで衝撃的なことの連続で、泣くよりも恐怖に縛られて怯えているだけだった。それが真知子の叱咤によって、緊張の糸がプツッと切れたようだ。
杉彦の微かな嗚咽を聞き取った真知子は、優しくこう告げた。
<みんな知ってるんだよ。おめぇが純粋に氷群を好いてることを>
「へ?」
<なんで私が氷群の尻ばっか追っかけることしかできねぇおめぇを氷群の相方の選んだと思うよ?ん?>
黙る杉彦。
<おめぇの氷群に対する姿勢がいつも真剣だったからさ。赤の他人様から見りゃぁおめぇのやってるこたぁいけねぇことだと思うだろうよ。でも私やウチの一部の人間はおめぇが陰でコソコソ氷群を追っかけてるのを見てて思ったよ。いつもおめぇの目は真剣で、情熱的だったってな。氷群が嬉しい時、悲しい時に一緒になって感情を揺さぶっていた。あいつは不器用な奴だ。いつも一人でいて、誰とも心を通わさねぇ。そんなあいつに一番近づくに値するのはおめぇしかいねぇ。そうだろ、伊賀嵐?>
電話からの質問で聞き取りにくいはずだが、伊賀嵐は真知子の質問を理解したのか、少し拗ねたようにそっぽを向く。
それが逆に真知子の問いを肯定しているように杉彦には思えた。また目頭が熱くなる杉彦。
<それに、ここにもおめぇの理解者がいるぞ?>
真知子がそう言うと少し間が空き、別の人物が通話に出た。
<杉彦さんすか!?氷群センパイの元・パートナーの美空飛鳥っす!!>
美空飛鳥……そういえばそんな娘がいたなぁと杉彦はかすかな記憶から思い出す。
<た、大変なんす!!今氷群センパイが病室から抜け出しちゃったんすよ!!>
「えぇ!?」
<どうや、北部にあるショッピングモールで獣化犯罪者が出現したっていう情報をセンパイが耳にしちゃったらしいんす!!まだ絶対安静の容態なのに……>
杉彦の顔がみるみる色を失っていく。飛鳥の話が事実だとしたら、氷群は間違いなくそのショッピングモールに向かったはずだ。
このままだと本当に氷群の命は……
<杉彦さん、至急氷群さんを追いかけて下さいっす!!>
「え、……俺が?」
<そうっすよ!!今の氷群センパイのパートナーはあなたじゃないっすか!!>
氷群のパートナー……その地位を、これまでどれだけ熱望してきたのだろう。しかし、それが今では杉彦の胸に重くのしかかってくる。
はたして、自分が氷群のパートナーを名乗る資格などあるのだろうか?
<悔しいっすけど、氷群センパイのこと一番考えてるのって、杉彦さんすから……>
「えっ」
急に小声になる飛鳥。だがその言葉は、杉彦の耳にしっかりと届いていた。
<アタシも今から至急向かいますっす!!>
そう飛鳥は言い残して、真知子の部屋を出ていった。再び、真知子が通話に出る。
<ま、皆、素直じゃないけどねぇー>
少し笑ったように話す真智子。
<さっ、行きな杉彦。余計なことは考えなくていい。ただ氷群のことだけを考えな>
「や、でも……」
まだじれる杉彦。もう一つ、胸につっかえていることがあるのだ。
<……あぁ、そうだったねぇ……杉彦。ご先祖様のことは気にするな>
「え?」
<おめぇが望む通りやりゃぁいい。おめぇも感じてたんだろぅ?ご先祖様とおめぇの境遇は似てるってことを>
「……でもさ、もしまたご先祖様が出てきたら今度こそ氷群さんを失うことになるかもし」
<大切なのは殺意より愛意だ。殺すより愛でろってな>
そう言い残して、真知子は一方的に電話を切った。
その隣で、火蔭がじっと二人の会話を聴いていた。
「そのようなアドバイスで大丈夫でしょうか?もし危ないようでしたら私も現場に向かいますが……」
幾ばくかの不安が滲んでいる火蔭の声色。だがそれをはねのけるように、真知子は満面の笑みを浮かべる。
「大丈夫だよ火蔭。あの子は強い。なんせ私の孫だからねぇ」
自慢げに話す真知子。
「それに火蔭も見たと思うが、あの子にはあの憎ったらしいタヌキが付いてるしねぇ」
「……はぁ」
これまたどういう根拠か、真知子はあの時杉彦の後ろで怯えていた謎のタヌキに何かを期待しているようだ。
火蔭にはその根拠がさっぱりだったが、またしても自信満々に話す真知子を信用することにした。
「まぁよぉく見ておきな火蔭。『奇跡』ってやつは起こせるもんだってねぇ」
真知子はまた美味そうにキセルをふかす。その吐き出した煙の中に、真知子は自分の望んだ未来が見えているかのようだった。