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日本語って難しいよね…

「んー…ねえ…玄助ー…。ここ分からないんだけど…」


「ん?何が分からないんだ?」


「えーっと…今、ろーま字ってのやってて…」


「おお、ローマ字まで行ったのか…」


「お義母さまが中々厳しくて…課題も多いし…」


「そりゃ…お袋は教育になると目の色変わるからな…」


「でも、私でも自然と勉強したくなるようにしてくれるのよねー…」


「雪蓮が勉強したくなるって凄いな…」


「私自身が驚いてるわ。」


「課題も自主的にやってるもんな…」


「でも、未だに文字の多さに驚いてるわ…」


「まあ…日本人はひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字、英語を使うからなあ…」


「でも意味が分かると面白いわ。」


「そりゃ良いことだ。楽しみながら学べてるんだな…」


「そうねー…冥琳や雷火なんて毎回お義母さまに質問したりしてるわよ。」


「一番最初に日本語をマスターするのは誰になるのかね…」


「やっぱり、冥琳か雷火辺りかしら…」


「まあ…その可能性は高いよなー…」


「でも意外と他の子達が頑張ったり?」


「まあ…こればかりは読めないよなあ…」


「そうねー…」


「でも、そろそろ試験があるんじゃ…」


「そうなのよ…やっぱり試験は緊張するわねー…」


「でも、自分が理解出来てるかの確認にもなるし、必要だと思うよ。」


「それは分かってるんだけど…でも試験と聞くと身構えるわ。」


「まあ…試験が好きな人はそうそう居ないだろうからなあ…」


「そうねー…でもお義母さまからの教えがそういうモノなんでしょ?」


「そうだな…試験をしてみんなの理解度を知る必要があるからな…」


「じゃあ必要な試験かー…」


「どんな試験でも必要なんだけどな。」


「それは間違いないわねー…」


「それにお金の計算とか…習った?」


「一応は…でも少しややこしかったわ。」


「まあ…今まで銭と金でやり取りしてたのが貨幣と紙幣になるからな…慣れるまで時間は掛かるだろうよ。」


「でも知っておかないと買い物は出来ないし…」


「そりゃそうだ。」


「それにお義父さまからはお小遣いまで貰ちゃって…なんだか悪いわ…」


「いいんだよ。親父は稼いでるし…もう家族だし…」


「でも、私達何もしてないわよ?むしろ負担になってることの方が大きいと思うんだけど…」


「それでもさ。みんなもうウチの家族なんだよ。」


「なんか照れるわね…」


「なんで雪蓮が照れるんだよ…」


「いや…そうやって真っ直ぐ伝えられると…」


そうやってポリポリと頬を掻く雪蓮。


「そういえば…分からないとこがあったんじゃ…」


「あ、そうそう。これなんだけど…」


「えーっと自分の名前をローマ字で記入しなさい…か…」


「そうなの。」


「なにが難しいんだ?」


「孫 伯符って書くか、真名を書くか…悩んでるのよ…」


「あー…そっか…なら、簡単な方で良いんじゃない?」


「簡単な方?」


「うん。孫 伯符なら…son hakuhu 真名ならsyeren どっちが書きやすいか、だな…」


「なるほどねえ…」


「まあ…試験を受けるのは雪蓮だし…雪蓮のやりやすい方で良いと思うけど…」


「確かにそうね…でも、覚えることが沢山で大変だわ…」


「そりゃそうだ。俺もまさか、みんながコッチに来るとは思わなかったから日本語教えてないしなあ…」


「後悔しても遅いわよ。それよりも今をどう生きるかでしょ?」


「そりゃそうだが…」


「私だってこっちに来るなんて思ってもなかったもの。」


「まあ…みんなそう思ってるよなー…」


「そうねー…」


なんかしんみりしたな…


「一本吸うか?」


「あら?玄助からくれるなんて珍しい。」


「たまにはな。」


「それじゃあ遠慮なく。」


そうして雪蓮の咥えたタバコに火をつける。


「ふー…美味し。」


「すっかり雪蓮も喫煙者だなあ…」


「そりゃねえ…あれだけ吸えば慣れるわよー。」


「それもそうか。」


「蓮華も吸えばいいのに…」


「強要はいかんよ。個人の自由。」


「そうかも知れないけどさー…」


「それに、祭さんや粋怜だって吸ってるだろ。いいじゃん。」


「それはそうだけど…」


「あー…もしかしてタバコのことを誰かに教えたいとか?」


「う…」


「図星か…」


「こういう所で姉さま頼りになりますー…とか言われたいのよ…」


「蓮華だって雪蓮を頼ってるところはあると思うけど…」


「でも、蓮華から私に言ってくるのって基本注意とかよ?」


「それは雪蓮がダメなだけだろ…」


2人で紫煙を燻らせながら語る。と


「さて、私はそろそろ戻るわ。課題もしないといけないし。」


「そうか。冥琳に頼りっぱなしにならないようにな。」


「ぶー。私だってやる時はやるんだからね。」


「はいはい。それじゃ、頑張れよ。」


「もちろん。ふぁいと一発よ。」


「おお、CMのセリフを覚えたのか。」


「ヤル気を出す言葉でしょ?」


「間違っては無いが…滅多に使わないな…」


「えー!?うそー。」


「あれはセリフだからな…。頑張ってくる。とかでいいと思うけど…」


「ふぁいとー!」


「いっぱーつ!」


「ほら。」


「ノっただけだっつーの。ほら、道場戻れ。」


「分かったわよー。」


「試験も頑張れよ。」


「もちろん。」


「んじゃ。応援してる。」


「じゃあねー。また夕飯で会いましょ。」


「おう。」


そうして雪蓮は道場に戻っていくのであった。

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