年末の忙しさ
明けましておめでとうござます。今年もよろしくお願いします。
「思春ちゃんと蓮華ちゃんはコッチをお願いね」
「はい。」
「お義母殿こちらは」
「あ、それは…」
バタバタとお袋を筆頭に女性陣は大忙しだ。
「玄助ー。門下生の皆さんへの年賀状は?」
「用意してる。」
「お仕事の関係者さんへのお歳暮は?」
「出してるって。」
「毎年の年末とは違うくらいの忙しさじゃのう…」
「爺様もお茶飲んでないで関係者への年賀状とお歳暮出したんだろうな?」
「当然に決まっておるじゃろ。」
「あー…忙しい。」
「師走と言う名の通りじゃのう…」
「お母さんー年越し蕎麦は?」
「もう買ってあるわよー。」
「婆様は?」
「今、お父さんと一緒におせちの買い出し行ってる。」
「忙しすぎだろ…」
「もう、そんなこと言って…玄助もこっち手伝ってよ…」
「俺が居ても邪魔だろ…」
「だからってサボらないでよー。」
「てか、ほかの皆は?」
「道場の大掃除してる」
「みんなも総出で掃除か…」
「もう、お兄ちゃんも働いてよー。」
「俺は仕事関係と門下生への手回しで一杯一杯だな…」
「そんなこと言いながらタバコ吸ってるし…もー…」
「仕方ないだろ…タバコは必要なの。」
「ほら、琴音もこっち手伝って。」
「はーい…」
「てか、爺様はホントに何もしてねえな…」
「ほっほ…。儂はもう年寄りじゃからのう…」
「都合のいい時だけ年寄りぶってんじゃねえよ…」
「儂も良い歳じゃ…」
「じゃあ、これからは年寄り扱いするぞ?」
「それは困るのう…」
ずずっとお茶を啜る爺様…
「もう…お袋?俺は何したらいい?」
「玄助はもうやること終わったの?」
「一応終わったけど…」
「なら、夕飯は今日作れないから出前取ってもらっても良いかしら?」
「オッケー。んで、何が良いの?」
「みんなで食べられる物が良いわね…お寿司とか…」
「いいね。寿司か…んじゃ、テキトーに頼んどく。」
「ええ、お願いね。」
「えーっと…寿司か…」
そう言って、スマホを操作する。
「え?なに?お兄ちゃんの奢り?」
「まあ…これくらいなら奢るけど…ボーナスも出たし…」
「やったー。」
「玄助?お寿司って何?」
「あ、そっか…皆は寿司を知らないっけか…」
「蓮華さん。お寿司っていうのは、酢飯の上に生のお魚の切り身を乗せた料理だよ?」
「え!生の!?」
「あー…そりゃ驚くわなあ…大陸では生ものとか絶対に食べなかったし…」
「それは大丈夫なの?」
「まあ…大丈夫だけど…」
「ホントになんでもあるのね…」
「まあ…そりゃねえ…」
「まあ、驚くよねー…私たちにとっては当たり前のモノが大陸には無かったんだから…」
「食ったら分かるよ。美味いから。」
「でも、お腹を壊したりしないかしら?」
「新鮮だし大丈夫だよ?」
「それに商品として出してるのにそれでお腹壊したらお店の信用問題にもなるしねー。」
「そういうこと。」
「少し怖いかも…」
「まあ、そうだよなあ…」
「まあ…新しいチャレンジだと思うのが良いかもね。」
「確かに。」
「ふむ…しかし玄助?我らがもし腹痛でも起こしたらどうする?」
「小さい子供でも食べられるから大丈夫だよ。」
「ふむ…こちらでは幼い子供でも食すのか…」
「まあ…寿司って結構歴史があるし…今の技術ならある程度のモノは食えるよ?」
「ふむ…では今回はお前を信用しよう。」
「思春は賛成なの?」
「蓮華様、コイツのことなので変なものは頼まないかと…」
「そうね…玄助。お願いね?」
「うん。みんなが食べやすそうなものを注文するよ。」
「ええ、お願いね?」
「任せろ。」
そうして注文を済ませる。ふむ…そこそこの値段はするけど良いだろ…
「あー…疲れた…」
「お、雪蓮。終わったか?」
「ある程度はねー。少し休憩よ。」
「そっか。お疲れ。」
「ええ、それで何をしてたの?」
「ん?今日の夕飯のことを話してた。」
「今日のご飯?何?」
「寿司だよ。」
「すし?なにそれ?」
「ヤバい…蓮華にした説明をまたするのか…」
「なによー。教えてくれてもいいじゃない。」
「えーっと寿司ってのは…酢飯の上に生の魚の切り身を乗せたもので…」
「そんなの食べたらお腹壊すじゃない…」
「それが、大丈夫なんだってば…」
「ホントー?」
「ホントだっての…じゃなきゃ商売してないだろ…」
「それもそうねー。」
「それで…なんで雪蓮だけ…?他の皆は?」
「みんなは掃除してるわよ?」
「おい…さっき休憩とか言ってたよな?」
「ええ。私だけ休憩よー。」
「休憩っていうサボりだろ…ソレ…」
「そうともいうかも知れないわねー。」
「雪蓮…お前なあ…」
「仕方ないじゃない。冥琳から言われたんだから。」
「あー…要するに…邪魔って言われたんだな?」
「そんなこと言わないでよー…」
「だってそういうことだろ…」
「ってことは…アッチの指揮は冥琳さんがしてるってこと?」
「琴音アタリ!」
「まあ…冥琳らしいな…」
「しかし…姉さまをこっちに寄越すなんて…」
「まあ…雪蓮には酒飲ましておこう…それが一番早い。」
「もう…玄助まで…」
「こっちの邪魔されたら敵わんからな…」
「なによー…私は邪魔なのー?」
「こういう忙しい時に限って雪蓮はたまに邪魔するからな…」
「もう…そんなことしないわよー。」
「なら、爺様の相手でもしててくれ。」
「はーい。」
「ふう…」
「もう…キッチンは玄助がタバコ吸うからヤニだらけで大変だわー…」
「ちゃんと換気はしてるけど…」
「それでもヤニは付くのよ?」
「へーい…」
「その掃除を我らがしていると…」
「それだけじゃなくて、油汚れとかもあるけど…」
「おい、玄助、貴様も手伝え。」
「マジかよ…」
「そうね。確かに…自分で汚したのだから自分で掃除するべきだわ。」
「蓮華まで…」
「それにお兄ちゃんヒマだもんねー?」
「俺はやることやったんだけど?今日のメシも俺の奢りだし…」
「いいから手伝ってよー。」
「超ダルい…」
「もう…玄助ったら…」
「こ奴にはなにを言っても無駄でしょう…我らだけでしましょう。」
そしてほかの皆も掃除が終わったのか、ぞろぞろとリビングにやってくる。
「あー…疲れた…」
「お疲れ皆。」
「玄助くんもお疲れ様。」
「うん。粋怜もお疲れ。」
「お爺様、道場の掃除終了致しました。」
「ほっほ…冥琳ちゃんもご苦労じゃったのう…」
「はい。ありがとうございます。」
「しかし…雪蓮の除外は分かるけど…よく祭さんは居残りしたね?」
「うむ。祭殿には掃除をしなければ酒は抜きだと言っておいたからな。」
「それは祭さんにとって死活問題だな…」
「でも、ソレだと雪蓮はいいのか?」
「雪蓮は酒無しだな」
「えー?そんなの聞いてないわよー?」
「当然だろう?お前は最後まで掃除をしていないのだからな…」
「玄助どうにかしてよー。」
「いや…俺にはどうにも出来ないけど…」
「そんなぁ…」
「まあ、当然だよな…」
「あらあら、雪蓮ちゃんは残念ねー。」
「もう…お義母さんまで…。私…ホントに禁酒?」
「うん。」 「当然だな。」
俺と冥琳に言われてしまっては仕方ない。今回だけは雪蓮は禁酒してもらおう。うん。
「じゃあ、私はどうしたらいいのよー…」
「まあ…我慢だな…」
「みんなが美味しそうに飲んでるのを見るなんて地獄でしかないわ…」
「まあ…ドンマイ。」
「最後まで掃除それば良かった…」
「まあ、過ぎたものは仕方ない。頑張れ。」
「玄助…他人事だと思ってるでしょ?」
「うん。」
「酷くない?」
「いや、雪蓮は飲みすぎだし、たまには休肝日を作るのも良いだろうと思ってる。」
「それじゃ、祭や粋怜はどなるのよー。」
「うーん…まあ、また今度?かな…」
「はあ…どうしてもダメ?」
「まあ…そうだな…」
「ちぇ…仕方ないわねー…」
「まあ、今日は我慢しろよ。明日、飲めば良いだろ?」
「そうだけどー…」
「まあまあ、雪蓮さん。これからご飯が来ますから。今回はご飯を楽しみましょ?」
「琴音の言う通りだな。今日はメシを楽しめ。んで、明日から飲めよ。な?」
「分かったわよー…」
「よし、それじゃ、メシが届くまでもう少しの我慢だな。」
そうして、みんなは大掃除を終えて食事んも支度をするのであった。
今回は俺も雪蓮と同じく禁酒したこともつけ加えておこう。雪蓮だけじゃ可哀想だからな…
そうして、みんなで仲良く寿司パーティをするのであった。




