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お仕事と粋怜と…

「んー…腰痛てぇ…在宅とは言え、デスクワークの弊害が…」


腰を労りながら階段を下りる…


「あら?玄助くん。」


「おお、粋怜。」


「どうしたの?腰なんて庇ってヤりすぎ?」


「いきなり下ネタですか…」


「ソレ以外に何かあるの?」


「いや仕事でしょ…」


「腰が痛くなるほどの机仕事なんてしないもの。」


「それはそうかもだけど…下ネタはどうかと思う…」


「いいじゃない。玄助くんにしか話さないんだから。」


「子供の前でしてたらそれはそれで問題だけどね。」


「それは教育に悪いわねー。」


「でしょ?絶対子供の前では下ネタなんてダメだよ?」


「それで?玄助くんはお仕事終わったの?」


「いや…まだ続きがあるけど…」


「大変ねえ…よしよし…」


「はあ…完全に姉さん女房だなあ…」


「あら?年上のお姉さんは嫌い?」


「嫌いじゃないよ。てか粋怜たち皆美人なんだよ…だから選べない…」


「選べなくてもいいじゃない。今が幸せなら。」


「継続して幸せにさせるのが今なの。全く…」


「大変ねえ…男性って。」


「まあ…甲斐性とかね…」


「ホントに大変そうねー…お姉さんが支えてあげたくなるわ。」


「こうやって愚痴が吐けるのも粋怜には感謝だよ。さて、お仕事頑張ってきます。」


「お部屋でしょ?」


「そうだけど…仕事するのに切り替えじゃないけどさ…」


「大陸でもそんな感じだったじゃない」


「アッチでは必死だったからねー…コッチじゃ弛んでるよ…」


「ふふ、やっぱりお家って大事なのねー」


「そりゃねえ…粋怜は帰りたいとは思わないの?」


「私は玄助くんが居ればどこでも良いもの。」


「凄いなあ…」


「だって頼れる人が玄助くんしか居ないもの…」


「俺は頼れる人すら居なかったから…ホントに炎蓮さんには感謝だよ…」


「そうねー…炎蓮様はああいうお方だったから…」


「そうだね…はあ…炎蓮さんのお墓参りとか行きたいよね」


「そうねー私たちちゃんと幸せですって報告しておかないとねー。あと天の国に来れましたってね?」


「確かに。んじゃ、俺は仕事に…」


そう言って粋怜とリビングで別れるが、なぜか付いてくる粋怜…


「えーっと…粋怜?なんで付いてくるの?」


「お姉さんが応援してあげようと思って。」


「いや、大丈夫だよ?」


「いいじゃない。応援くらい。それともお姉さんは邪魔かしら?」


「うぐ…ズルいぞ粋怜…そんなこと言われたら断れないじゃないか…」


「ふふ、これでも玄助くんを愛する人間だもの。弱点くらい知ってるわよー。」


「見事に手のひらの上で転がされてるのね…俺…」


「いいじゃない。問題があるわけでも無いし…」


「そうかも知れないけど…」


「それとも玄助くんは私が居るだけで集中出来なくなっちゃうオオカミさんなのかしら?」


「うう…はあ…良いよ。粋怜には勝てない。」


「やった。玄助くんのお仕事してる姿好きなのよねー。」


「それは意外。」


「なんか、デキるオトコって感じよ?」


「そうかなあ…普通だと思うけど…」


「その姿見て恋に落ちる女の子は多いと思うわよー?まあ渡さないけど。」


「俺だって粋怜は誰にも渡さない。ってか皆を渡す気は無いね」


「男らしいわねー」


そんな会話をしながら部屋に入ると…粋怜は早速ベッドに腰かけてしまった。俺はもちろんデスクに向かうワケで…


「じー…」


「粋怜?そんなに見つめられても仕事に集中出来ないから…」


「あら?ただ見てるだけよ?問題でもある?」


「はあ…お好きにどうぞ。」


いかん、すっかり粋怜のペースだ。ええい、今は仕事だ、仕事。


「…。」


「ふふ。」


「ずず…ゴク…」


「やっぱりコーヒーなのね…」


「あ、しまった、あの資料どこやったっけか…」


「あら、独り言。」


「えーっと…あったあった。コレでここをこうして…あれ?コレだと意味が変わってくるな…AI

に聞こう。」


「玄助くんでも悩むことがあるのね…」


「えーっと…これがこうで…ずず…ゴク…」


「ふわ…眠くなってきちゃった…」


ゴロンと横になる

目の前で仕事をしている愛する人に物凄くくっ付きたいけど今は我慢…布団からは大好きなあの人の匂いがする…凄く安心する匂い…


「すぅ…すぅ…」


カタカタ…


「ん…?静かだな…?粋怜…って寝てるし…はあ…仕方ない、寝かせとくか。」


布団を掛けてあげて自分はまたデスクに向かう…今日は仕事をする日だからな…すまん粋怜…出来るだけ早く終わらせよう…


「よし…気合い入った…」


そうして集中して仕事をして、夕方…カァカァとカラスが鳴いている…


「終わったー…。」


ギシっと背もたれにもたれかかって伸びをする…肩も首もガチゴチだ。


「粋怜ー?起きてー?」


「んん…なぁに?玄助くん…」


「仕事終わったよ。」


「あら…?私…寝てたのね…」


「うん。ぐっすり寝てたね。」


「寝てたって意識が無いわ…」


「寝落ちかー…もしかして粋怜、夜更かしとかしてる?」


「夜更かしかは分からないけど、亞莎の勉強を見ながらお酒は飲んでるわねー…」


「それを夜更かしって言うんだよ…しかし、亞莎もよくやるな…」


「分からないところとか聞いてくるから私も自然と勉強してる気分よ…」


「しかもお酒も入ってるし余計に眠いんじゃない?」


「それもあるかもしれないわねー…でも今日はよく眠れたわ。」


「そりゃ良かった。」


「このお布団、玄助くんの匂いがするんだもの、落ち着くはずよねー。」


「俺の匂いって…そんなに良いモンかね?」


「玄助くんだって私の匂い好きでしょ?」


「あー…うん…」


「それと一緒。」


「なるほどなあ…粋怜がどれだけ俺のことが好きなのか分かった気がする。」


「私はいつだって玄助くんに愛情表現してるじゃない。」


「そうかもだけど…なんか実感する、愛されてるなあ…と。」


「ふふ、今更じゃない?」


「いやあ…ほら、俺たち熟年夫婦だし?」


「そうねー…幸せだったわ。今も十分幸せだけど。」


「そいつはなにより。」


「でも、早く子供が欲しいわねー。お爺様やお婆様にひ孫の顔を見せたいもの。」


「それは分かるけど…そんなに急ぐモンかね?」


「そりゃ早ければ早い方が良いじゃない。たくさん産めるし。」


「ちなみに…何人くらい欲しいの?」


「そうね…最低でも3人?」


「最低でも3人!?」


「ホントは5人くらい欲しいけど…」


「ソレが皆そうだったら…」


「子供だけで30人は超えるわねー。」


ケラケラと笑う粋怜、そんなの堪ったもんじゃない…約1クラス分の自分の子供だと…?全員、平等に愛せないじゃないか…しかも絶対上の子には苦労させるし…子育ての手が足りないぞ…。


「なんで玄助くんが冷や汗かいてるの?」


「30人超えの子供なんて賑やかどころじゃないぞ…」


「あは、確かにね。でも私は大勢欲しいわ。」


「頑張ります…」


「頑張って、あ・な・た。」


「頑張りますよー…まあ、それなりに給料もらってるし?田舎だからデカい家も建てられるし?」


「凄い大きなお家が必要ねー。」


「夢物語で済ませて欲しいよ…お父さんは1人しか居ないんだから…絶対に取り合いになる…」


「大陸に居た時がそうだったものねー」


「アレはアレで、嬉しかったけど…」


「そうねー…でも毎回休日が子供に割かれるの嫌じゃなかったの?」


「ンなワケ。俺的には嬉しかったよ?」


「そう?なら良いんだけど。」


「玄助?入るわよ?」


「ん?蓮華?」


「そろそろご飯よ…って粋怜。見ないと思ったらここに居たのね。」


「蓮華様。何か御用でしたか?」


「いえ、そういうワケじゃないの。たまたま粋怜を見なかったから。」


「そうでしたか。」


「ところで、2人でなにをしていたの?」


「ん?お喋りだけど?」


「その割には静かだったわよ?」


「さっきまで俺は仕事してて粋怜は昼寝してたから…」


「粋怜…寝るなら道場で寝なさいよ…」


「つい寝てしまいました…蓮華様、玄助くんの匂いに包まれて寝るとは幸せですよ?」


「粋怜…貴女ねえ…それくらい皆わかってるわよ…」


「蓮華が肯定しちゃったよ…」


「では蓮華様も今日の夜に是非ともお試しください。」


「ンな…」


「皆には私から言っておきますので。食事でしたね、行きましょう?玄助くん。」


「お、おう…蓮華も固まってないで、行くぞ。」


「え、ええ…」


そうして3人で食卓に顔を出し、蓮華はともかく、俺と粋怜が何をしてたのか質問攻めにあうのだった…

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