明命とおつかい?
「あら…琴音ったらお弁当忘れてるわ…」
「なんだ?忘れ物?」
「そうなの。お願い玄助、お使い行ってくれるかしら?」
「そりゃいいけど…しかし1人ってのもなあ…」
「玄助さまお使いですか?」
「おお、明命。ちょうどいい。俺と一緒に行かないか?無理にとは言わないけど…」
「行きます!」
「おお、心強い!」
「普通、逆じゃないかしら?」
「ンなことはいいとして…どうやって行こう…」
「お車ではダメなのですか?」
「あー…学校の前は停めるのダメなんだよ…」
「そうなんですね…」
「仕方ない、電車で行くか。」
「私初めて乗ります!」
「明命の初めてを一緒に経験できるのは良いな。」
「気を付けていくのよー?」
「はい!」
「おうさ。」
「それで、電車とはどこで乗るのですか?」
「えーっと駅っていう電車が止まる場所があって、そこにみんな行って乗るんだよ。降りるときは逆だね」
「なるほどー。ですがそれでは自分の行きたい場所に着くのでしょうか?」
「最寄りって言ってね一番近い場所で降りるんだよ。」
「そこからは?徒歩ですか?」
「基本そうかな…まあ他にも移動手段あるし…」
「出掛けたついでに…そうだな買い物でもしようか?」
「よろしいんですか?」
「もちろん。でもちゃんとお使いした後にね?」
「はい!」
「さてと…明命は電車初めてだし…電車代は俺が出すよ。」
「ありがとうございます。」
「一応隣りで見てて?」
「はい。なるほど…こうやるんですね…」
「コレを改札の光ってるところにかざすだけ。だね」
「簡単ですね。」
「そう。簡単なの。んで改札入ったら…えーっと何番乗り場だ…?」
「乗り場とかあるんですね。」
「間違った電車に乗らないようにね。乗り場が分かれてるんだよ。」
「なるほど…覚えると便利ですねー」
「うん。毎日乗る人も居るからねー」
「そうなんですか?毎日なんのために…」
「正解は…生きるために必要なことだよ。」
「生きるのに必要なこと…」
うーんと悩む明命…
「さてなんでしょう?」
「えーっと…わかりました!お買い物です!」
「残念ー。でもそんな感じだよ?」
「違ってましたか…では…はっ!お仕事…ですか?」
「当たりー。」
「なるほどお仕事で使うんですね」
「そう。会社に行くのも帰るのも電車って人多いんじゃないかな?」
「なるほどです。皆さん大変なんですね…」
「コッチでも大陸でもみんな生きるのに必死なんだよ。」
「そこは変わらないんですね…」
「そりゃ人間として生きてる限りはね」
「そうですよね…少し無粋でしたでしょうか…。天の国の皆さまはもっと楽をしていると思ってました…」
「そうだね…作業は効率重視で手書きよりも早く文章は作れるし…でも、その分コッチの文化や会社の業務によって作業は変わるから一概に楽とは言えないね…他から見れば楽かもしれないけど…」
「玄助さまは楽ですか?」
「俺?うーん…楽ではないけど…楽しいよ?大陸にいた頃の知識も活かせるし…」
「お仕事が楽しいなら良かったです!」
「お、電車来たな。」
「これが…電車…」
「足元気を付けて?」
「はい。」
恐る恐る乗り込む明命…なんだか可愛いな…
「お、空いてる良かったー。」
「座ってもよろしいんですか?」
「そりゃもちろん。」
「では。」
そうして俺の隣りに座る明命
「お時間はどれくらいかかるんですか?」
「えーと…約20分くらいだね」
「短い方なのでしょうか?基準が分からないので…」
「うーん…短い方かな…長い人は1時間とか乗ってるし…」
「その間皆さんは何をされてるのですか?」
「基本、コレ見てるね」
「それは…すまほ?でしたっけ?それで何を?」
「音楽聞いたり、動画見たり色々だね」
「なるほど…時間潰しの道具があるのですね…」
「そういうこと。でも本を読まない人が増えてて…」
「どうしてですか?」
「これで全部読めちゃうからね…」
「なるほど…すまほで全部済んでしまうから本も買わなくて良いと…」
「それにかさばらないし…読みたいのがあればすぐに買えるから…」
「お店に行かなくても買えるんですか?」
「そそ。ほら、こうやって…」
購入ボタンを押すと購入音が鳴る
「ほい。買えたよ」
「ええ!今の一瞬でですか?」
「そう。ほらこの本。読めるでしょ?」
「確かにこれだけ簡単であれば本は買わなくなりますね…」
「でしょ?それが深刻なのよ…」
「どうしてですか?こんなに便利なのに…」
「んじゃ…これで本が買える…となると、本屋には?」
「あ…本屋さんが無くなってしまいます…」
「でしょ?本当なら少し不便くらいがちょうど良いのかもね…」
「そうですね…」
「さて、そろそろ目的地だ。降りる準備しようか」
「はい。」
そうして電車を降りた俺たちは…とりあえず琴音に連絡だな…
「お前が忘れた弁当届けるぞ…っと。よし。んじゃ、行こうか」
「はい!琴音さんが勉学を学んでる場所はどんなところなんでしょう…気になります!」
「そうだな…とにかく大きいかなー…」
「大きいんですか?」
「そりゃ市内有数の女子高だからね…保護者、教員以外の立ち入りは厳禁だよ。」
「そうなんですね…厳しそうです…」
「まあ…それなりじゃないかな?校風としては自由だし…髪染めもアクセサリーも自由らしいし…」
「そうなんですね。でしたらそこまで厳しくはないのでしょうか…」
「まあ勉強面では厳しいと思うよ?でもその分自由も与えてるって感じかな?」
「なるほど…締めるところは締めて、緩めるところは緩めると…軍と同じですね!」
「確かに…似てるなあ…」
「でもなんでそんな学校に?」
「琴音が友達が行くから行きたいって言いだしたんだよ…全く…自分の進路を他人と比べるなんて…まあ、本人が楽しそうだからいいけどさ…」
「本人が楽しいならそれが何よりです。」
「そうかも知れんけど…自分の将来のこと考えたらもっといい場所あったと思うんだよなあ…」
「そうかも知れませんがこれも経験ですよ?」
「それもそうか…。さて、着いたな…入ろうか。」
「はい。」
警備のおじさんに声を掛ける
「すみません、ここの生徒の三船琴音の兄ですが…妹の忘れ物を届けに来ました。」
「そうですか。では事務室まで案内しますのでそこで来校手続きをお願いします」
「はい。すみません。ありがとうございます。」
そうして事務所に案内され手続きを済ませる…ちょうど休憩中みたいだな…
「わあ…綺麗な建物ですね。」
「ここの制服も可愛いぞ?明命や亞莎に似合いそうだ。」
「私なんてそんな…」
「謙遜しないの。明命は十分可愛いよ。」
「嬉しいです。」
「えーっとそこのお2人さん?なに学校でイチャついてるの?」
「お、琴音。」
「琴音さんお疲れ様です。」
「お兄ちゃんだけかと思ったら明命さんまで居るし…私へのお使いと称してデートしてるな?」
「ふはは。妹には即バレか。明命とのデートは癒されるぞー?」
「そりゃこんなに可愛いんだもん!そりゃ癒されるよ!」
ぎゅーっと明命を抱きしめる琴音
「わわ…苦しいですよ、琴音さん。」
「あ、ごめんね明命さん。可愛いからつい…」
「お前は可愛いものなら何でも抱き着くのか?」
「うん!」
「んじゃ、こんな可愛いお兄ちゃんはぁ?」
「うわ!キモ!」
「ひでえ…せっかく可愛く言ったのに…」
「いや、普通にキモかった」
「そうか…やめておこう…」
「うん、それがいいよ?それで届け物ってお弁当だよね?」
「おう。」
「ありがと。学食行こうか悩んでて…」
「そうか…ほら弁当。」
「わーい。お兄ちゃんも明命さんもありがとう!」
「ほら、そろそろ休憩終わりだろ?行ってこい」
「はーい。それじゃ、また帰ったらねー」
そうして手を振りながら消えていく琴音…
「さて、やることも済んだし…買い物行こうか明命。」
「はい!」
「何か欲しいものとかある?」
「いえ、特には…でも色々見てみたいです。」
「なら、ウインドウショッピングだな。」
「ういんどう…?」
「えーっと…色々なお店をみること。」
「なるほどです!」
「じゃあ、行くか。」
「はい!」
そうして俺たちは街に繰り出すのであった




