お酒は美味しく楽しく飲みましょう。(飲み過ぎ注意)
カランとグラスに入っている氷が鳴る
「コク…。やっぱりウイスキーはロックだな…」
「なにカッコつけてんの、お兄ちゃん。」
「男はカッコつけてナンボだろ?」
「イケメンに限る。」
「こんなにカッコイイお兄ちゃんが居るのに酷いな…」
「自分でカッコイイとか言わないの。」
「自分でカッコイイって思い込まないとカッコイイ男にはなれないからな…」
「自己暗示じゃん…」
「それでも必要なんだよ。女性でもメイクした時に今日の自分可愛い!とか思うだろ?」
「それはそうだけど…」
そんな話しを琴音としていると…
「ふう…いいお湯だったー…」
「うむ…やはり毎日風呂に入れるのは良いのう…」
風呂上がりの粋怜達がやって来た
「あ、玄助くん、飲んでるの?」
「うん。たまには宅飲みでもしようかと…」
「それじゃ、私も飲もうっと…」
「粋怜、儂にも取ってくれ。」
「全く…自分で取りなさいよー。」
そう言いながら粋怜はビールを冷蔵庫から2本取り出す
カシュっ。っと粋怜と祭さんはビールを開けゴクゴクと飲んでいく
「ぷは!美味しー」
「うむ。キンキンに冷えておるのが最高じゃのう。」
「玄助くんはまたウイスキー?」
「うん。やっぱりコイツとタバコの相性が良くてね。」
「玄助くんはこだわりがあるのねー」
「粋怜さん…お兄ちゃんはカッコつけですよ?」
「あら、良いじゃない。大人の男性って感じがして私は好きよ?」
「でも…」
「かっかっか…琴音も酒を飲める歳になれば分かるわい。ング…」
「もう…呑兵衛ばかり…」
「確かに…酒の消費は増えたな。」
「みんなが飲むからだよー…」
「良いじゃないか。誰に迷惑かけるワケでもないし…」
「それはお兄ちゃんだけだよー…雪蓮さんとか酔うと絡み酒になるし…」
「それはドンマイ。」
「粋怜さんも祭さんも深酒するし…」
「そうだなあ…楽しみが酒くらいしか無かったからなあ…みんなその癖だろうよ。」
「でも、お兄ちゃんはアッチで色々売ってたじゃん。」
「それでも天の酒は高級品。その酒がコッチでは安価に手に入るんだからみんな飲むさ。」
「そっかー…ねえ。祭さん。お酒って美味しいの?」
「おう。美味いぞ。琴音はまだ飲めん歳じゃからのう…その美味さを知ったら沼よ。」
「アル中じゃん…」
「こらこら。そんなことを言っちゃいけません。俺だって思ってるのに…」
「あるちゅうとはなんじゃ?」
「お酒が無いと生きていけない人」
「じゃあ、私達はあるちゅうねー。」
ケラケラと笑う粋怜と祭さん…
「全く…それでいいのか…」
「まあ…良いんじゃない?あ、そうだ、お爺ちゃんとお婆ちゃんは寝てるので静かに飲んでくださいね?」
「おう。」「分かったわ。」
「やはり、爺婆は寝る時間が早いな…」
「その分早起きしてるから…」
「お袋は?」
「お義母さんなら、さっき道場で冥琳達に勉強教えてたわよ?」
「勉強熱心だな…てか2人は?」
「儂らは平気じゃ。アヤツらがおかしいだけじゃ。」
「なかなか酷いこと言うね。」
「風呂や食事の時間を削って勉強に充てる等、常人ではないわい…」
「正当化してるなあ…祭さん読み書き出来るの?」
「おう。ある程度はの。」
「んじゃ、そのビールの缶に書いてある銘柄読んでよ」
「簡単じゃ。コレは…なんじゃ…?」
「ダメじゃん…」
「ええい。ド忘れしとるだけじゃ。うるさいことを言うな。」
「仕方ないなあ…しっかり勉強してよ?」
「分かっておる。酒を飲んでおる時くらい勉強の話しはよさんか。」
「まあ…それもそうか。俺だって酒飲んでる時に仕事の話しなんてしたくないし…」
「そうじゃろう?」
「これは失礼しました。」
「玄助くん。私にもウイスキー分けてー。」
「もう飲んだの?」
「これくらいすぐ飲み終わるわよー。」
「なにで飲む?ロック、ストレート、割るとかあるけど…」
「そうねえ…玄助くんと同じで。」
「了解。ロックね。」
そうしてロックグラスを取り出し氷を入れてウイスキーを注ぐ。
「ほい。お待ち。」
「ありがとう。ンク…美味し。」
「なんか…お酒を飲んでるお兄ちゃんや、お2人が一気に大人に見えてきた…」
「そりゃ大人だからな。」
「そうじゃなくて…」
「雰囲気だろ?そりゃこんな感じになるさ。」
「いつかバーとかみんなで行ったら?」
「あーいうお店は2人きりとかで行った方が良いんだよ。みんなで飲むなら居酒屋かな。」
「居酒屋はサラリーマンのイメージ。」
「まあ…確かに…お前も仕事始めたら飲み会とか誘われるよ。」
「うわあ…飲まされそう…しかも上司とか居るんでしょ?」
「んー…同期で行けば良いんじゃないか?」
「あ、そっか。」
「おい、玄助。儂にも、ウイスキーを。」
「はーい。粋怜と同じで良い?」
「おう。」
「ん。ほい。ウイスキーのロック。」
「やっぱり手際が良いわね…」
「そりゃね。」
そう言ってタバコを咥えて火を付ける
「そう言えば…玄助くん大陸に居た頃よりもタバコの本数減ってない?」
「アッチに居た時は考えることも多かったし…それに国の重鎮だったからねー…ストレスやらなんやらで本数が増えてた。」
「でも、子供が出来てからはタバコを減らしておったではないか。」
「そりゃタバコの煙は子供に悪いからね。こっそり吸ってたよ。」
「悪いことをしとるワケでもあるまいに…堂々と吸っておれば良いのじゃ。」
「そりゃ子供が大きくなってから堂々と吸うようになったけど…」
「儂らは子供が腹に居る時から乳離れするまで酒を断っておったのじゃぞ?」
「それは…」
「全く…それなのにお前は…」
「もう。祭?過ぎたことよ?今更じゃない。」
「しかしじゃな…」
「私的には夫婦の会話って感じがしてなんか新鮮。」
「玄助くんは良い旦那さんだったわよー?」
「そりゃお兄ちゃんは優しいし…子供や皆さんのことを大切にするでしょうけど…イメージ出来ない…」
「自慢の旦那&お父さんだぞ?」
「孫からは少し距離を置かれてたけどね。」
「うぐ…」
「え?なんで?お兄ちゃんのことだから溺愛しそうなのに…」
「孫が出来た時は可愛がってたけど…自分の子供の子、でしょ?教育のこととかで言い合いとかあってねー…」
「なるほど…」
「もう…やめてくれよ…俺がそこまで出来た人間じゃないって痛感してるんだから…」
「それも含めて、私達が愛した男性よ。」
「はあ…やっぱり奥さんには勝てないな…」
「ふふ。お兄ちゃんでも奥さんには勝てないかー。」
そんな昔話をしながらお酒を楽しむのであった。




