第24話①
更新出来ず申し訳ありません!
持病の方が悪化してしまい投稿出来ませんでした!
少し体調が戻りましたので、少しずつ更新していきたいと思います!
物語自体は終わりが近いので最後まで書けるよう努力します!
あともう少し私の自己満足にお付き合いください!
「一人で何してんの?」
彼と出会ったのは大学二年生の時で、私が空き教室で一人次の授業の予習をしている時だった。
「えっと、何か?」
「いや、君いつも一人だからさ。気になっちゃって」
第一印象は「軽薄そう」それに尽きる。
私も彼の事は知っていた。
彼の周りにはいつも人が居て、他人の私が見ても慕われている事が分かった。
けれど、当時の私はひねくれていて、彼はきっと偽善者なんだと思っていた。
だから、話しかけられた時は自分なら軽くヤレると思って話しかけてきたんだと、何とも恥ずかしい事を思ったものだ。
「お気になさらず。私は他の女の子とは違いますので」
関わりたく無かった私は、話しかけるなという意味も込めて強く追い払った。
それなのに、
「おはよ、今日は何の勉強?」
翌日、彼は昨日と同じ笑顔で私に話しかけてきた。
その行動に私は呆れて、思わずため息が出た。
「何、ため息?何かあったの?」
「絶賛嫌なことが発生中です」
「もしかして、俺の事?」
「あなた以外に居ますか?私、昨日結構失礼な事したと思うんですけど」
「自覚あったんだ……まあ、拒絶されたね」
「だったら─」
「それが、逆に燃えちゃったんだよね」
彼の言っている意味が分からず、私は固まる。
そんな私を見て、彼は説明するように言う。
「意地でも仲良くなってやろうと思ってさ」
その言葉で確信した。
彼は私が1番嫌いなタイプの人間だと。
その日から、私と彼の攻防が始まった。
「おはよう!今日はいい天気だな!」
「今日もクールだな!」
「おっす!隣いいか?」
どれだけ拒絶しても、次の日にはケロッとしている。
「ごめんね!迷惑だったら殴ってもいいから」
彼とよく一緒に居る女の子が私を気遣ってくれる事が増えた。
名前を冬咲 環奈というらしく、見た目は清楚なのにお茶目な笑顔を見せる子だった。
「いつもあいつが悪いな。俺からも注意しておくから」
彼の幼なじみだという男の子とも仲良くなった。
名前は内田 奏志と言って、爽やかな彼とは少し違い、漢と書いて男と読む雰囲気がある。
二人はとても良い人で、彼よりも早く打ち解けていた。
「なんで二人とは打ち解けてるのに、俺とは仲良くしてくれないんだ?」
不貞腐れた顔で彼が言うものだから、ただ跳ね除けるだけでは罪悪感が出てきて、私は本音を言った。
「私、みんなの中心に居る人って苦手なの。その人と仲良くなると、自分がモブみたいに見えてしまうから」
「俺って、そんなにいつも中心にいる?」
自分では気づいていないようで、彼は首を傾げている。
「居るわよ!食堂ではいつも周りに話振ってるし、授業中は分からない人に積極的に教えてたり、グループワークでだって、リーダーを引き受けて─聞いてるの!」
そこまで言って、彼が顔を下に向けていることに気づき、私は声を荒らげる。
「いや、まさかそんなに見てくれてるとは思わなくて…ちょっと、照れる」
そう言われて、私は気づいた。
気がつけば、彼を目で追って、彼が居なければ探している自分が居たことに。
「あ、あのさ…君が良ければ─」
顔を真っ赤にした彼が言った言葉に、私は黙って頷いた。