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ぶいなろっ!!~デビュー3分で前世バレする伝説を作ったVTuber。そんな推しライバーの俺に対する距離感がバグっている件。俺はいちリスナーであって配信者ではない!~  作者: 河原 机宏
第2章 変態VTuber集団ぶいなろっ!!

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第83配信 パリオカートぶいなろっ!!杯③

 アニメ再現コントが終了するとシャルルはいつの間にか衣装チェンジしてレースクイーンの姿になっていた。何処かとは言わないがBAN食らわないか不安になるほど食い込みがエグい。

 シャルルに続いてベルフェはロリ用のフリルタイプのチアコスにチェンジしていた。グラサン白スーツのままでも面白そうだったけどカワイイは正義なのでこれが正解だと思う。


 ホロウの暗殺インタビューが終わると逃げていたメンバー達が戻ってきた。

 これまで会話に出てこなかった一期生のメルア姫、五期生のフェニス・ブレイズは下乳丸見えのチアコス姿、六期生のルーシーはシャルルと同じレースクイーン姿をしている。

 フェニスはJカップという、ぶいなろっ!!随一の巨乳の持ち主で普通にしていても胸元の衣装がめくり上がって下乳がガッツリ見えるので映像的にかなり危険だと言わざるを得ない。

 それと同レベルで危険なのはルーシーだ。シャルルのレースクイーンコスと同様に食い込みが凄いので目のやり場に困る。こんなスンゴイ衣装を着ているルーシーの中の人が極度の人見知りだとは誰も思わないだろうなぁ。


『ちょっとぉ、シャルル先輩何なんすかこのレースクイーンコス! 食い込みがハンパないんですけど、ヨウツベ的には大丈夫なんですか!?』


『これ位ならギリ大丈夫。ただ、開脚するとヤバいからしちゃダメよ』


『しませんよ!! この格好で開脚なんてする訳ないでしょ。それやっちゃったら完全に痴女じゃん!』


『ルーちゃんには痴女の才能があると思っていましたわ!』


『あらぁ、ルーシーちゃんはエッチな子だったのねぇ。もしかしたらとは思っていたけどぉ、やっぱりそうだったのねぇ~』


『ルーはメスガキとは言われても痴女じゃありませんよ! フェニママはメルア先輩の冗談に乗らないでください!』


 「痴女」の言葉にいち早く反応し嬉々として近寄ってきたぶいなろっ!!のリーダー的存在のメルア姫とぶいなろっ!!のママ的存在のフェニス。

 チアリーダーコスを来た二人も相当センシティブだが、それと比較してレースクイーンコスは脚が局部付近から全部丸見えで脚フェチに相当刺さるセンシティブさだ。

 現在進行形でコメント欄ではレースクイーンコスのシャルルとルーシーにピンヒールで踏んづけて貰いたいとか罵って貰いたいという危険な要望が飛び交っている。

 

 それに気が付いた当人たちはファンサービス魂に火が点いたのか、ジト目で画面を見て『キモっ!』と同時に吐き捨てると足で踏みつけるアングルになった。

 直後、願いが叶った一同からは感謝コメントとスパチャが入る。まるでそういうコンセプト店のプレイをリモートでやっているような感じだ。なんて素晴ら……恐ろしい時代になったんだろう。


 こんな感じでパリオカートぶいなろっ!!杯決勝戦は主役たる八名のライバーが出てくる前から応援メンバーのセンシティブな映像と発言の嵐でBAN寸前だ。

 ぶいなろっ!!の全メンバーが揃うとすぐにこんな事態になってしまう。パリオカートでこんな状況なのだから、プレイヤーの自由度が非常に高いGTRではどんな事が起きるのか想像できない。

 そしてボルテージが最高潮に達した瞬間、ついに本配信の主人公八名が一人ずつ姿を現わした。


 一番最初に現れたのは一期生の悪役令嬢、ルイーナ・シル・レウルーラだ。

 茶髪縦ロールの髪型が特徴で縦ロールの髪はドリルの如く回転が可能。デビュー当初は一般的な悪役令嬢っぽくリスナーに高飛車な態度で接していたが、中の人は凄い思慮深い人で配信切り忘れというミスをした際に素が発覚しバズった。

 配信では以前の様に高圧的に接するものの、皆は彼女が優しい事を知っているので温かい目で見守っているというのが現状だ。ちなみに天然ポンコツ属性も完備しているのでかなり強い。


『オーッホッホッホッホ! ごめんあそばせ、敗者の方々。あたくしがレッドカーペットを歩きますわよ。道をお開けになって下さいまし』


『あっ、ぶいなろっ!!メンバーの中で一番優しいルイーナパイセンじゃないですかぁ! ネプもレッドカーペット歩きたいんですけどぉ、ダメですかぁ?』


『あらまあしょうがないですわね。あたくしが脇に移動しますから中心を歩きなさいな』


『わぁ、やったー! ありがとうございます、パイセン!』


 勝者の証として床に敷かれたレッドカーペットを優雅に歩いて来たルイーナ。

 芸人枠のネプーチュが羨ましそうに言うと、優しい彼女はネプーチュの手を取ってレッドカーペットの中央を歩かせ始める。

 そんなルイーナの優しさに感動して目を輝かせるネプーチュの後頭部をノームがハリセンで叩きその場から引き剥がした。


『「ありがとうございます」じゃないよ。お前はバカか!? ルイーナ先輩の優しさにつけ込むなとあれほど言っただろうが!!』


『いったぁい! 酷いじゃない、いきなり叩くなんて。これが原因で頭がパーになったらどうしてくれるのぉ!?』


『安心しろ、もうお前の頭の中はパーな上に手遅れだから!』


『それは大変ですわね。ネプーチュさん、お大事に……頭、良くなると良いですわね』


『パイセン~、ナチュラルに酷いこと言ってるよぅ』


 四期生の芸人二名と天然悪役令嬢による化学反応でメンバーもリスナーも爆笑の渦に叩き落とされた。


 こんな笑い渦巻く空気の中、二番手として登場したのは二期生の暗黒騎士クロウ・バルバトスだ。

 漆黒のフルプレートアーマーという異色の姿でデビューした彼女は正体を隠したまま二ヶ月間配信を続けた。鎧の下から聞こえてくる声は色気漂う美声でありリスナーの想像力をかき立てまくった。

 そして、満を持して解禁された素顔はエメラルドグリーンのロングヘアの美人で笑い上戸のお姉さんという、暗黒騎士の暗いイメージとは真逆の明るい人物でギャップ萌えも手伝って人気爆発。


 ナイスバディでセクシー担当の一人でもある彼女は、現在黒ビキニアーマーなど露出の高い衣装が多く実装されている。

 ――で、そんなちょいエロ笑い上戸の人物がこの笑いの現場で無事で済むハズがなく。


『アッハハハハハハハハハハ!!! ヤバい、腹がよじれ……ひひぃ! よじ切れるぅぅぅぅぅぅ!! ルイルイ~、その直球の返しはオモロ過ぎるんよ。お大事にって……お大事にって……もうとっくに大事に至ってるんよ~! 「頭良くなると良いですわね」って、止めを刺してるしぃ……もう~、んははははははははぁ~!!』


 見事に笑いの渦に引き込まれ爆笑しながらの登場となった。笑いながら腹を押さえ目からは涙が流れている。笑い上戸のスキルが全開で発動していた。

 そこに天然悪役令嬢が追撃に入ろうとしていた。天然なので本人にはこれから止めを刺す自覚はない。


『あらそうでしたか。もうネプーチュさんは取り返しのつかない状態でしたのね。あたくしとした事が気が付きませんでしたわ』


『ちょ、ルイーナパイセン!? ネプはまだ取り返しつくからね! 生きてるっ!!』


『あひゃひゃっ!! ネプ、必死過ぎでしょ! もうらめぇぇぇぇぇぇ!! お腹痛い、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ――』


 レッドカーペットの上で横たわり地面をバンバン叩きながら笑い狂うクロウ。

 ヒィヒィ言いながら笑い転げていると突然画面が切り替わり、強制的に三人目の登場シーンとなった。


『えっ、もうわたしの出番!? ちょちょちょ、ちょっと待って! ……キミ達、お待たせぇぇぇぇぇ!! この決勝戦もわたしがぶっちぎるわよーーーーーー!!』


 急に予定より早い出番になったにも関わらず見事なマイクパフォーマンスをかましたのは三期生のフェネル・ホウテンガゲキだ。

 ゲーム、歌、ASMR、コラボなど様々な配信を意欲的に行っており、現在ぶいなろっ!!で最も勢いのあるVTuberだ。

 リスナーとの距離が近くツンデレムーブをかましてはリスナーに冷たく突き放されヤンデレ化し泣きながら食い下がってくるのがパターン化している。


 リスナーを単なる視聴者としてではなく配信の協力者にする事によって彼女の配信は他では見られない一体感を皆に与えている。

 この配信形式に近いのがガブリエールなのだが、ガブ本人は意図してやっていない。多分フェネル本人も意識していない。彼女たちの魅力がリスナーを自然と巻き込んで配信を面白くしているのだろう。

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